第75回ベルリン国際映画祭開幕 ティルダ・スウィントンに栄誉金獅子賞、審査員長トッド・ヘインズがトランプ政権にコメントも
2025年2月17日 13:00

第75回ベルリン国際映画祭が2月13日、雪の降りしきるなかで開幕した。今年からディレクターが、元ロンドン映画祭のヘッドであったトリシア・タトルに代わり、選考委員メンバーも一新。これまでにあった実験的な映画を紹介するエンカウンター部門がなくなる一方で、長編1作目の新人監督を紹介するパースペクティブ部門が新設されるなどの変化が見られた。
またベルリンのコンペティションといえば政治的な題材の作品が多いイメージがあったものの、今年はどの部門が政治的というよりは、個々の部門にさまざまなテーマの作品が散らばっているとのことだ。一方、ジェンダー・イークオリティには意識的で、19本揃ったコンペティション作品には、女性監督の作品が8本(うち1本は男性と共同監督)ある。
コンペの顔ぶれは、ベテラン勢はリチャード・リンクレーターとホン・サンスあたりで、他にミシェル・フランコ、金熊賞受賞監督ラドゥ・ジューデ、フランスのレオノール・セライユとルシール・アザリロビックなど、若手がメインの印象だ。

日本映画も今年は若手が並び、ジェネレーションKプラス部門に横浜聡子監督の「海辺へ行く道」、パノラマ部門に藤原稔三監督の「ミックスモダン」、フォーラム部門に小田香監督の「Underground」、短編部門に水尻自子監督の「普通の生活」と4本の新作が揃った。また例年フォーラム部門の常連であった想田和弘監督が、ドキュメンタリー部門の審査員を務める。
コンペティションの審査員メンバーは、トッド・ヘインズ監督を審査員長に、ファン・ビンビン、ドイツの監督・俳優のマリア・シュラーダーなど計7名。審査員会見ではトランプ政権に関する質問も出て、ヘインズは「人々を不安にし、ショックを与えるのがトランプ政権の戦略なのではないかと思う。彼に投票をした多くの市民はいま、公約が守られないことに幻滅しているのではないか。ひいてはトランプ復活の映画界への影響も免れないだろう」とシリアスなヴィジョンを語った。

レッドカーペットを彩るスターたちは、ティモシー・シャラメ(「名もなき者 A Complete Unknown」)、ロバート・パティンソン(「Mickey 17」)、ジェシカ・チャスティン(「Dreams」)、マリオン・コティヤール(「The Ice Tower」)、ジェイコブ・エロルディ(ドラマシリーズ「The Narrow Road to the Deep North」)、マーガレット・クアリー、イーサン・ホーク、アンドリュー・スコット(「Blue Moon」)、さらに開幕式で栄誉金獅子賞を授与されたティルダ・スウィントンらがいる。
オープニング作品に選ばれたのは、地元ドイツのベテラン、トム・ティクバ監督の「The Light」。移民問題と格差社会、親子の世代間ギャップなどのトピックを取り上げた意欲作ではあるものの、中途半端なミュージカル・シーンも含めて欲張りすぎで十分に消化できているとは言い難く、全体的な評価は低かった。果たして新生ベルリン映画祭のクオリティがどうなるのか、注目が集まっている。(佐藤久理子)
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