ドニー&ジョー・エマーソンの魅力とは? 「ドリーミン・ワイルド」ビル・ポーラッド監督が語る製作秘話
2025年1月28日 10:00

ケイシー・アフレックが主演し、「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」のビル・ポーラッド監督がメガホンをとった「ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた」が、1月31日に公開される。映画.comでは、ポーラッド監督のオフィシャルインタビューを入手。製作のきっかけやキャスティング秘話などを明かしている。

アメリカの兄弟デュオ「ドニー&ジョー・エマーソン」の実話をもとに描いたヒューマンドラマ。
1970年代後半、ワシントン州の田舎町で暮らす10代の青年ドニー・エマーソンは兄ジョーと音楽デュオを結成し、父が息子たちのために自作したスタジオで数々の楽曲を生む。しかし情熱を注ぎ込んで完成させたアルバム「ドリーミン・ワイルド」は世間から見向きもされず、夢に手が届くことはなかった。約30年後、かつて思い描いていた夢とは程遠い人生を送っていたドニーは、自分たちのアルバムがコレクターによって発見され、“埋もれた傑作”として再評価されていることを知る。家族は思いがけない成功に喜ぶが、ドニーはずっと目を背けてきた自身の過去や感情と向きあうことを余儀なくされる。

この作品は、友人でプロデューサーのジム・バークが企画を持ってきてくれて、「監督をやるべきだ」と提案してくれたんです。実は、当初「シュガーマン 奇跡に愛された男」(2012)に題材が近いと感じて、少し躊躇していたんです。しかし、既に本作のモデルのドニー・エマーソンに会っていたジムは「音楽を聴いてくれ。そしてドニーとジョーに会ってほしい」と声をかけてくれて。実際に彼らの楽曲を聴いてその音楽に惚れ込んだのはもちろん、エマーソン一家が凄く素敵な家族で、より一層関心が生まれました。物語もさることながら、とにかくエマーソン一家の人物像が魅力的に感じて、映画化を決意しました。

エマーソン一家の嘘偽りのない“ありのまま”の部分に惹かれていたので、映画の中でもリアルにとらえたいと思っていました。個性豊かなエマーソン一家をありきたりな映画のように撮ってしまうと面白くないと考えた時に、ケイシー・アフレックはドニー・エマーソンの役にピッタリだと感じました。ケイシー・アフレックという役者は内なる葛藤というものをセリフにせずとも自然に表現できる。多くの役者たちが表現することのできない、ちょっとした異質なものをドニーは持っていて、ケイシーなら表現できると思ったんです。彼が出演を決めてくれた時は凄く嬉しかったです。

まさにドニー&ジョー・エマーソンがアルバムを作っているとき、私は大学に通っていて、劇中で使用していたような楽曲をリアルタイムで聴いていました。マーシャル・タッカー・バンドや、ドゥービー・ブラザーズ、ダリル・ホール&ジョン・オーツなど、調べずとも知っているアーティストたちの音楽を自分の映画の中で使えるというのは夢のようなことでしたね。また、ドニー&ジョー・エマーソンも同じようなアーティストから影響を受けていたと思うんです。

ノア・ジュプとケイシー・アフレックは撮影期間が一緒でした。ノアはケイシーをリスペクトしていて、メンターのように接していました。彼がカメラでどのように表現するのか注目していたし、2人とも深い繋がりを感じている関係性にみえました。また撮影現場では、ケイシーとモデルのドニー・エマーソンも良い関係性を築いていました。ケイシーは、ドニーの個性や資質を演じる上で重要な部分は一緒にいるときは吸収しようとしているような印象を受けました。またドニー自身は本作を観て、かつての気持ちや過去にどのように振る舞っていたか気づきがあったとも話していて、ドニーもケイシーが演じて良かったと思っていたように感じました。

映画は自分が感じているものを表現しているものなので、当然、登場人物たちにも共感しています。私にも父と兄が2人いるので、兄弟や父と息子の関係性というのは独特の葛藤を生むものだということはよく理解しています。またケイシーにもベン・アフレックという兄がいるので、これまで葛藤することもあったと思います。私やケイシー、ドニー本人たちの経験を重ねて作っていくような作品でもありました。
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