スティーブン・キング、未曽有のLA山火事でアカデミー賞中止を提言
2025年1月20日 17:00
米ベストセラー作家のスティーブン・キングがロサンゼルスを襲う過去最大規模の山火事を受け、今年3月に予定される第96回アカデミー賞の中止を訴えた。
キングは1月18日(現地時間)、SNSのBlueskyで「ロサンゼルスが燃えているなか、華やかな祭典を開くべきではない」と投稿。「ショーは続けなければならない」という意見に理解を示しつつも、「ローマが燃えるなかでネロが弦を奏でるようなものだ」と異例の警鐘を鳴らした。
「IT」や「ショーシャンクの空に」など数々の名作を生んだキングの提言に、エミー賞受賞者のジーン・スマートやアカデミー賞女優のパトリシア・アークエットも賛同の意を表明。映画界にも波紋が広がっている。
背景には、LAを襲う未曽有の被害がある。高級住宅街パシフィック・パリセーズを中心に発生したパリセーズ火災では、東京23区の約4分の1に相当する約96平方キロメートルが焼失。隣接地域のイートン火災と合わせ、15万人以上が避難を強いられ、27人が死亡、39人が行方不明という深刻な事態となっている。
アカデミー賞運営団体は事態を重く見て、投票期間を1月17日まで延長し、ノミネート発表も1月23日に延期。しかし3月2日の授賞式については、現時点で予定通りの開催方針を崩していない。
最新の消防当局発表では、パリセーズ火災の鎮火率は22%、イートン火災は55%まで上昇。猛威を振るったサンタアナ風も弱まり、最悪期は脱したとされるものの、地域社会の復興には長期化が予想される。