「ジョーカー2」二村ヒトシと映画.com編集部がトーク「ちゃんと完結している、立派な続編」
2024年11月6日 20:40
TOKYO FMほか全国38のFM局のオーディオコンテンツプラットフォームで、スマートフォンアプリとウェブサイトで楽しめるサービス「AuDee(オーディー)」 と映画.comのコラボ新番組「映画と愛とオトナノハナシ at 半蔵門」。作家でAV監督の二村ヒトシと映画.com編集部エビタニが映画トークをネタバレありで繰り広げる。
今回はトッド・フィリップス監督と主演のホアキン・フェニックスが再タッグを組み、レディ・ガガが新たに参加した「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」を取り上げる。
社会への反逆者、民衆の代弁者として祭り上げられたジョーカー。そんな彼の前にリーという謎めいた女性が現れる。ジョーカーの狂気はリーへ、そして群衆へと伝播し、拡散していく。孤独で心優しかった男が悪のカリスマとなって暴走し、世界を巻き込む新たな事件が起こる。
米国での評価が芳しくなかったことも話題となった本作だが、二村、エビタニともに「結論、面白くいい映画だった」と断言する。
バットマンの悪役が好きという二村、「みんな病院に入っていて、出てくると悪いことをしてまた病院に入るのが面白い」と、トゥーフェイスをはじめ数々のバットマンシリーズの悪役の歴史を振り返る。「ジョーカーはどこからきて、何をやっているのかわからないから、誰でもジョーカーになれる。それを描いたのが『ジョーカー』と今回の『フォリ・ア・ドゥ』」と説明する。
エビタニは「映画で描かれていることが現実世界でもあり、ジョーカーに何かを期待していた人が、見たかったものが描かれず、失望する。レディ・ガガが演じたリーのように、ジョーカーにカリスマでいてほしかったのだと思う」と、本作に否定的な感想を持った人々の思いを推測。「前作でジョーカーは勝手に祭り上げられただけで、今回はその続き。この映画でも、裁判の後も彼は孤独で、みんなが勝手に期待して、勝手に失望される。アーサーはずっと同じ位置にいるのに。ジョーカーは本当にピエロだと思った」とアーサー/ジョーカーの不幸を語る。
「誰でもジョーカーになれるのかもしれない、そこも良くできていた。今回はどこが幻で、どこが現実だったのか、歌のシーンによってそこが明確になっていた」と見どころを挙げる二村。エビタニは「ヒーローものは正義がある。前作からこれはヒーロー映画ではない。正義もないから悪もないと思う。どうしようもない男が犯した犯罪。犯罪は悪だけど、アーサーに貫きたい悪はなかった。この映画でジョーカーは全く悪役ではない」と分析する。
「リーも狂いたくて、期待したという恋愛の話でもある。彼氏に影響される女性みたいに」と二村は言い、レディ・ガガ演じるリーのキャラクターについても二人は言及。ジョーカーの恋愛が見たくないという声もあることには「ラブラブの恋愛映画でもない」と二村。
そのほか、精神病院の患者たちのその後などにも触れ、「これが現実だよという映画。前作を見た人は、今作を見て完結してほしい」とエビタニは呼びかけ、「ちゃんと完結している、立派な続編だと思う」と二村も同調した。
トーク全編はAuDee(https://audee.jp/voice/show/55260)で聞くことができる(無料配信中)。次回はジョナサン・フレイザーが第95回アカデミー賞で主演男優賞を受賞した「ザ・ホエール」を取り上げる。
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