俳優デビュー50周年の長塚京三、吉田大八監督のモノクロ映画に主演も泰然自若「演技は何も変わらない」【第37回東京国際映画祭】
2024年11月5日 12:00

第37回東京国際映画祭のコンペティション部門に選出されている「敵」が11月4日、東京・TOHOシネマズ日比谷でワールドプレミア上映された。原作は筒井康隆の同名小説。穏やかな生活を送っていた独居老人の主人公の前に、ある日「敵」が現れる物語を、モノクロの映像で描いた。
上映後には、メガホンをとった吉田大八監督(「桐島、部活やめるってよ」「騙し絵の牙」)、主演を務めた長塚京三が登壇し、観客とのティーチインに応じた。主人公の元大学教授・渡辺儀助を演じた長塚にとっては、12年ぶりの映画主演。冒頭、「余計なことかもしれませんが、僕が俳優になってから今年で50年目になるそうです」と挨拶し、「晴れがましい場に招待していただき、これもお祝いのひとつにさせていただきます」と感謝を述べると、会場は大きな拍手に包まれた。

出演オファーについては「監督が自ら脚本を携えてきてくださり、もちろん即答でお受けしました。何だか、私に当て込んだようなお話で」と振り返る。この言葉に、脚本も手がけた吉田監督は「どなたにお願いするか考えると、やはり長塚さんが思い浮かび、動き出したら、止まらなくなってしまった」といい、長塚の著書に触れたことで「儀助がここにいるという確信を得た。当て込んだよう、と言われれば、まさにその通り」だと語った。

劇中には、教え子役の瀧内公美、亡くなった妻を演じる黒沢あすか、バーで出会った大学生役の河合優実らに翻ろうされるシーンも。長塚は3人の女優たちを「いずれ菖蒲か杜若」と評し、「今をときめく、ウルトラ妖艶なピカピカの女優さんを短い間ですけど、ひとり占めできて幸せなことでした」と思わず照れ笑い。「誰にお礼を言ったらいいのかな、ありがとうございます」と笑いを誘った。

吉田監督は、モノクロ映像を選んだ経緯について「決めたのは、撮影が始める1カ月前。結果としてモノクロは没入感がすごくて、後半の展開には効果的だった」と説明。長塚は「撮影が始まってから知ったので、驚きでした(笑)。モノクロだからといって、演技は何も変わらない」と振り返った。
第37回東京国際映画祭は、11月6日まで開催。「敵」は2025年1月17日、東京・テアトル新宿ほか全国で公開される。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
面白すぎてヤバい映画
【目が覚める超衝撃】世界中の観客が熱狂・発狂し、配給会社が争奪戦を繰り広げた“刺激作”
提供:松竹
この冬、どの映画を観たらいいですか?
【答え:私はこれを絶対に観ますね!!】心の底から推す理由が、たんまりあります!
提供:ディズニー
人生にぶっ刺さる一本
人生に迷ったとき、この映画が“効く”だろう。すべての瞬間が魂に突き刺さる体験が待っている
提供:ディズニー
日本で実際に起きた“衝撃事件”を映画化
【前代未聞の事件】そして鑑賞後、あなたは“幸せ”の本当の意味を知る――
提供:KDDI
ヤバすぎる世界へようこそ
【この映画がすごい】“最弱の青年”ד下半身を失ったアンドロイド”=非常識なまでの“面白さと感動”
提供:ディズニー
てっぺんの向こうにあなたがいる
【世界が絶賛の日本映画、ついに公開】“胸に響く感動”に賞賛続々…きっとあなたの“大切な1本”になる
提供:キノフィルムズ