窪塚洋介、「外道の歌」で初共演の亀梨和也と支え合う「“人”という文字の上側が俺で、下側が亀ちゃん」
2024年11月2日 20:12
東京・日比谷、銀座、有楽町エリアで開催されている第37回東京国際映画祭で11月2日、TIFFシリーズ部門「外道の歌」のワールドプレミア上映が有楽町よみうりホールで行われ、窪塚洋介、亀梨和也、南沙良、白石晃士監督が舞台挨拶に立った。
雑誌「ヤングキング」で連載された「善悪の屑」とその続編「外道の歌」を実写化した本作は、法の裁きから逃れた凶悪事件の加害者に対して、被害者や遺族に代わって壮絶な復讐をもって裁きを下す復讐屋コンビを描いたクライムサスペンス。TIFFシリーズ部門は、テレビ放送やインターネット配信などを目的に製作されたシリーズものの秀作を日本国内での公開に先駆け、スクリーンで上映する部門となっている。
この日の天気が雨だったことを踏まえ、「作品によく似合う雨が降っておりますが、足元悪い中、ご来場いただきましてありがとうございます。お楽しみに、という内容ではないとは思いますが、じっくりと堪能していただければと思います」と挨拶した窪塚。亀梨も「今日は初めてのお客さまを前に高揚しております」と続け、南も「こういった場で観ていただけることをうれしく思います」と晴れやかな表情。そして最後に白石監督が「3人の皆さんの輝きを浴びながら、まぶしい思いをして撮影をして、日々ふわふわしながら撮影に臨んでおりました。でも完成した作品はふわふわしていなくて。ビシッとしているので、心して観ていただけたら」と呼びかけた。
強烈なテーマの物語ということで、「原作を2巻目くらいまで読んで、出たくないなと思いました。あまりにも凄惨な内容で、ちょっと原作者の渡邊(ダイスケ)さんのことも嫌いだったんですよ」と正直な思いを吐露した窪塚。「でもマネージャーから、あと1巻だけ読んでくれと、そうしたら作品の意味が分かるからと言われたので、こういうことになり。亀ちゃんとコンビを組んで、今日ここに至ることになるんですけど、やはり何が正義で、何が悪かということって、視点によっても違うし、状況によっても移ろいやすかったり、不安定なものだったりするんですが、それを見事に作品にしている。それに対して答えはないと思うんですが、その中でもどう感じるかというのが、この作品をやる意義なのかな。だから皆さんに委ねるしかなくて。俺と亀ちゃんでも違うだろうし。その答えはそれぞれに感じてもらえたらいいかなと思います」と呼びかけた。
亀梨も「作品は、原作もそうですけど、目を背けたくなるような出来事が起こりますが、このあたりがこの作品が持っている深いテーマだったりもするので、皆さんも心して観ていただきたいなと思います」と注意を呼びかけるも、「初めて共演させていただいて、こういった作風の作品ではあるんですが、現場はとてもおだやかな時間をしっかりとつくっていただけましたし、メリハリがある現場を、先頭で引っ張っていただいたので」と窪塚に謝意。「そりゃお互いさまだから。亀さんには……」と返した窪塚に、「“亀ちゃん”から“亀さん”に昇格した」と大喜びの亀梨は、窪塚とハイタッチ。会場からは大きな拍手がわき起こった。
そしてあらためて「皆さんもご存じだと思いますけど、役に向かう姿勢が本当にすばらしいんですよ」と会場に呼びかけた窪塚は、「だから俺も頑張らないとな、と本当に思いましたし、すごくいい刺激をたくさんもらった。それに現場を引っ張ってくれたと言うけど、俺からしたら“人”という文字の上側が俺だった。下側が亀ちゃんだった」と語るや、“人”という文字の上側のポーズをとり始めた窪塚。そこにすかさず亀梨が下側のポーズで窪塚を支えてみせて、“人”という文字を完成させた。そんなふたりのやり取りに、会場からも惜しみない拍手が送られた。
第37回東京国際映画祭は、11月6日まで開催。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
ライオン・キング ムファサ NEW
【ディズニー史上最も温かく切ない“兄弟の絆”】この物語で本当の「ライオン・キング」が完成する
提供:ディズニー
中毒性200%の特殊な“刺激”作 NEW
【人生の楽しみが一個、増えた】ほかでは絶対に味わえない、尖りに尖った映画体験
提供:ローソンエンタテインメント
大人気マンガを実写化…大丈夫か!? NEW
ファンを失望させないか…? 不安な原作ファンが“企画した人”に忖度なしでインタビューしてきた
提供:東映
ラスト5分、涙腺崩壊――
【珠玉の傑作】いじめで退学になった少年の、再生と希望の物語。2024年の最後を優しい涙で包む感動作
提供:キノフィルムズ
映画を500円で観る“裏ワザ”
【「2000円は高い」というあなたに…】知らないと損する“超安くなる裏ワザ”、こっそり教えます
提供:KDDI
モアナと伝説の海2
【モアナが歴代No.1の人が観てきた】神曲揃いで超刺さった!!超オススメだからぜひ、ぜひ観て!!
提供:ディズニー
【眠れなくなる衝撃作】
ショッキングな展開に沼落ち確定…映画.comユーザーに熱烈にオススメしたい圧巻作
提供:hulu
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。