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「ぼっち・ざ・ろっく!」劇場総集編、公開規模は大きくないけど週末ランキング1位になれる? ポテンシャルを紐解く【コラム/細野真宏の試写室日記】

2024年6月8日 05:00

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「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:」
「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:」
(C)はまじあき/芳文社・アニプレックス

映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)(文/細野真宏)


ここ最近、試写を見ていて「心の底からこれは面白い!」と手放しで絶賛できる作品には、正直なところ巡り合えていませんでした。

そんな中、ようやく最初から最後まで「あ~面白かった」と思えたのが、2024年6月7日(金)から公開される「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:」(劇場総集編の前編)です。

「アニメ映画あるある」の、おそらく“制作がギリギリ”だったのでしょうか。試写が始まったのは、公開週に入ってからでした。

本作は、基本的にはテレビアニメ版の再構成のようなので、すでにテレビアニメを見ている人にはどのくらいのインパクトがあるのかは分かりません。

ただ、私のような原作もテレビアニメも一切見ていない“一見さんの視点”からは「最初から最後まで、ひたすら面白い作品」でした!

画像2(C)はまじあき/芳文社・アニプレックス

そもそも「ぼっち・ざ・ろっく!」とは、芳文社の月刊“4コマ漫画雑誌”「まんがタイムきららMAX」で連載中のマンガです。

“4コマ漫画雑誌”なるものが存在することも知りませんでしたが、原作の「ぼっち・ざ・ろっく!」も4コマ漫画となっています。

その4コマ漫画の原作がテレビアニメ化。2022年10月~12月に放送され、話題となりました。

そこで、テレビアニメ12話を総集編として再編集し、2024年6月7日(金)から前編「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:」、2024年8月9日(金)から後編「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:」を公開するのです。

本作を面白いと思った理由の1つとして、「主人公=明るいコミュ障」という設定があります。

コミュ障とは、コミュニケーション障害の略語。大まかにいえば、他人と上手くコミュニケーションが取れないタイプの人です。経験則に当てはめると、このタイプの人は割と突飛な行動をとることが多く、ひとつひとつの言動が面白いという側面がありました。

いわゆる「明るいコミュ障」の人は、私の知り合いにも似たタイプがいます。その突飛さをお互いに楽しめる面があり、接していてとにかく面白い面があります。

本作はアニメーションなので、その面白さを、見た目においても、より面白く表現できていました。終始、やり取りのひとつひとつが楽しいのです。

そのような登場人物のキャラクター設定の面白さに加えて、本作のメインの題材にも注目しました。それは、女子高生による「ガールズバンド」です。

画像3(C)はまじあき/芳文社・アニプレックス
画像4(C)はまじあき/芳文社・アニプレックス
画像5(C)はまじあき/芳文社・アニプレックス

女子高生によるガールズバンドといえば「けいおん!」がありました。実は、「けいおん!」も芳文社の月刊4コマ漫画誌から生まれていたのです!

「けいおん!」と「ぼっち・ざ・ろっく!」は、そういう意味で言えば似ている面がありますが、「けいおん!」はタイトルのように高校の部活動の「軽音楽部」が舞台となっています。

画像6(C)はまじあき/芳文社・アニプレックス

一方の「ぼっち・ざ・ろっく!」は、ライブハウスを中心に活動するバンドという感じで棲み分けができているように思えました。

アニメーションにおける作画のクオリティーは、どちらも安定していましたし、イイ線を行っていると思います。

個人的には、キャラクターの個性が爆発している「ぼっち・ざ・ろっく!」の方に、よりポテンシャルを感じます。

ちなみに、「けいおん!」の場合は、テレビアニメを2期やった後で「映画 けいおん!」が公開され、公開規模が140館程度にもかかわらず興行収入19億円まで到達しました。

ぼっち・ざ・ろっく!」もそれほど遠くないうちに本格的に映画化されるように思えるので、それも期待して待っていようと思います。

画像7(C)はまじあき/芳文社・アニプレックス

強いて言うと、個人的に引っかかったのは、後半で出てくる、あるキャラクターの「多くの不安の中の1つ」に、しれっと年金が入っているシーン…。

制作者も含めて、なかなか年金の仕組みの理解が進んでいないことを痛感しました。

実は、年金の不安や不満は、キチンと仕組みを知ることができれば自然と消えていくものなのですが、なかなか教育が機能しない特殊な分野なのです。

そういう仕組みを学校で教える必要があるので、まさに2022年4月から高校の必修科目に「公共」という新科目が設けられ、今は学校でも学べるようにはなってきているのです。

ただ、そこで教えられている教科書を見ると、(一歩前進であることは認めますが)イマイチですし、まだまだ「年金」の教育問題は続きそうですね。

画像8(C)はまじあき/芳文社・アニプレックス

さて、冒頭でも書いたように、ここのところの映画の作品力が、ややパワー不足な面は否めません。

そのため、本作のように、公開規模が130館程度と小さめなテレビアニメの総集編映画であっても週末動員ランキングの上位に来ることは無理ではなく、本作の場合は、ひょっとしたら1位にすらなり得るのかもしれないのです。

もし週末動員ランキング1位になれたら、それは週末ランキングの記録に残り続けます。

果たして今後「ぼっち・ざ・ろっく!」というコンテンツがどういう位置まで行けるのか――注目し続けたいと思います。


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