安部公房×石井岳龍「箱男」8月23日公開! 人間が望む最終形態――予告&ポスター披露
2024年6月6日 08:00
完全な孤立、完全な孤独を得て、社会の螺旋から外れた「本物」の存在。ダンボールを頭からすっぽりと被り、街中に存在し、一方的に世界を覗き見る“箱男”。カメラマンである“わたし”(永瀬正敏)は、偶然目にした箱男に心を奪われ、自らもダンボールをかぶり、箱男としての一歩を踏み出すことに。しかし、本物の“箱男”になる道は険しく、数々の試練と危険が襲いかかる。存在を乗っ取ろうとするニセ箱男(浅野忠信)、完全犯罪に利用しようと企む軍医(佐藤浩市)、 “わたし”を誘惑する謎の女・葉子(白本彩奈)。果たして“わたし”は本物の“箱男”になれるのか。そして、犯罪を目論むニセモノたちとの戦いの行方は――。
今年2月に開催された第74回ベルリン国際映画祭にてワールド・プレミアが行われ、現地には永瀬、浅野、佐藤、石井監督が赴き、レッドカーペットや公式上映に登壇。ベルリン映画祭ディレクターに「今年一番クレイジーな映画」と言わしめた。
ポスターは、街中で箱の中に身を隠してひっそりと存在していた箱男が立ち上がり、こちらを凝視している姿を活写。だが、まだ彼の姿は謎に包まれたまま。予告編は、一部ではあるが“箱男”が一体どのようなキャラクターなのか垣間見ることができる。
永瀬演じる“わたし”が箱という鎧をまとい、完全な孤立、完全な匿名性を手に入れて一方的に世界を覗き見、“箱男”になったと豪語する。だがそこへ“箱男”という存在を乗っ取ろうとするニセ医者や軍医、そして謎の女までもが現れ、“箱男”を消し去ろうとする。ついに今“本物”をめぐる戦いが始まる。
“箱男”は、ヒーローか、アンチヒーローか。小さな箱の中で王国を作り、守られた状態で世界を一方的に覗く姿は、不確実性の中で揺らぎながら、小さな端末(スマホ)を手に持ち、匿名の存在としてSNSで一方的に他者を眼差し、時に攻撃さえもする現代の私たちと「無関係」と言えるだろうのだろうか。最も驚くのは、著書が発表された50年前に、安部氏が現代社会を予見し、描いていたということだろう。
なお、7月10日(現地時間)よりニューヨークで開催される北米最大の日本映画祭「ジャパン・カッツ」に「箱男」の出品が決定。今回は映画祭側の強い希望により、石井監督作「水の中の八月」(1995年)も特別に上映されることが決まった。石井監督は「箱男」「水の中の八月」の両上映日に登壇予定だ。
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