「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」本日放送! あらすじ・キャストまとめ&高橋一生と長尾謙杜のインタビューで振り返る
2024年5月6日 14:00
高橋一生が主演した「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」が、本日5月6日午後3時55分からNHK総合で放送されます。映画.comでは、あらすじ、キャスト一覧のほか、高橋と長尾謙杜のインタビューを振り返りながら、見どころを掘り下げてご紹介します。
荒木飛呂彦の大人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ作品で、高橋一生の主演でテレビドラマ化されて2020年にNHKで放送された「岸辺露伴は動かない」の劇場版。ドラマ版から続投となる露伴役の高橋、担当編集者・泉京香役の飯豊まりえのほか、木村文乃、長尾謙杜、安藤政信、美波らが顔をそろえました。監督・渡辺一貴、脚本・小林靖子、音楽・菊地成孔、人物デザイン監修・柘植伊佐夫と、ドラマ版のスタッフが再結集しています。
相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を備えた漫画家・岸辺露伴。青年時代、露伴は淡い思いを抱いていた女性から、この世で最も邪悪な「最も黒い絵」の噂を聞いた。それから時がたち、その絵がフランスのルーブル美術館に所蔵されていることを知った露伴は新作執筆の取材と、かつてのかすかな慕情のためにフランスを訪れる。しかし、美術館職員に「黒い絵」の存在を知る者はなく、データベースによってヒットしたその保管場所は、今はもう使われていないはずの地下倉庫「Z-13倉庫」だった。
今作で、高橋は「現代の岸辺露伴」、長尾は「青年期の岸辺露伴」に息吹を注いでいます。いわば、2人の“岸辺露伴”が対談インタビューに応じた格好となりました。
年代の異なる同一人物を演じていることから、本編には高橋と長尾の共演シーンは存在しません。しかし、インタビュー前日、2人は同タイミングで初号試写に参加。それぞれが演じた“岸辺露伴”を目撃したことになります。
高橋:長尾さんの演技からは、露伴の漫画への熱意、熱情のようなものが感じられました。可能だったとしたら「現場で見ておきたかったな」と思うほど。長尾さんが演じた露伴には、熱意のほかにも、焦り、若さゆえの感覚みたいなものがありました。岸辺露伴をひとりの人間として見た時、このような苦悩の時期もあったんだなと。長尾さんが演じてくれたことで、確かに“(露伴が)人間として広がっていく”感じがしました。
長尾:一生さんが演じた露伴は、やはり“出来上がっている露伴”だと思っています。僕が演じたのは、漫画家としてデビューしたての頃の露伴。自分の作風に自信はある。でも、まだそうは言い切れない。そういう感じはありますよね。
長尾:あ! 僕も一生さんが演じた露伴について、お話しさせていただいてもよろしいでしょうか?
長尾:めちゃくちゃ最高で超格好よくて……スタンディングオベーションをしたいくらいでした。
高橋:ありがとうございます。昨日の初号試写後、長尾さんから「格好よかったです」と声をかけていただいて、その言葉があったおかげで、夜は快眠でした。
高橋:映像として想像できる“基盤”が、そこにはあったような気がしています。起承転結の大きなピークが最後の方にやってくるような、いわゆる欧米的な作りにはなっていないんです。その上で“自身に立ち返ってくる”というストーリーラインがより強調されていると思いました。台本を読んだ時に感じていたのは、この作品は“内側”に戻ってくる話なんだということです。タイトルは「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」ですが、実は“戻ってきた後”がわりと重要になってくる。このあたりの作り方が、おおよそ映画的ではない。また別の作品が入れこまれているような……不思議な構成の脚本です。これはなかなか体験できることではありませんから、その点が面白かったです。
長尾:僕も台本を読んでいて気になったのは、盛り上がりとなるポイントで“終わらない”というところ。新しいというよりは、変わった体験になるのだなと思いました。原作漫画の映画化作品だったり、ヒーローをテーマにした海外映画も観ることがありますが、絶対的な盛り上がりの後、すぐに物語が終わっていきますよね? 本作にも“絶対的な主人公”がいますが、そういう形では終わりません。なんて言えばいいんでしょうか……考えさせられる“終わり方”かな。
高橋:「どのジャンルの話なんだろう?」と感じていただけると思います。サスペンスなのか、ホラーなのか、ヒューマンドラマなのか……カテゴライズがしづらい作品。それは台本を読んでいた時から感じていたことです。やがて「家族」や「血筋」の話に戻っていく。そういった要素で浮き彫りにされていくものは、ヒューマンドラマ的でもある。長尾さんが仰っていたような印象を受けていました。
長尾:自分と似ているところは、無くなったかもしれないです。露伴先生の熱量はあまりにも凄すぎて……自分と同一化してはいけない人だなと思いました。僕も絵を描くことは好きですし、興味のある分野のことであればどんどん調べたりしてしまいます。そういったところが似ているのかなと思った時もありましたが、露伴先生の方が遥か上で……逆に似てないなと(笑)。
高橋:けれど、そういったところは、まさに“露伴”だと思いますよ。今回の「ルーヴル」では、彼にも苦悩があるということがわかります。初めから完璧な人間ではなく、あがいて、今に至っているのだと。長尾さんがそのように感じてくれたおかげで、(青年期の露伴役は)重厚になっていると思います。
長尾:露伴先生のことが大好きな方々が集まったんだなという印象を受けました。あとは、やっぱり作り込みがすごい! 「これは一体どうやって作っているんだろう?」と疑問に思っていたところもあったので、そういった部分を現場で観させていただきました。それと画角にも注目してほしいです。僕は出演していませんが、露伴先生がルーヴルを立ち去るシーン。ここの画角がすごく面白いんです。
高橋:大前提として、それぞれがルーティンワークにはなっていません。結果的に、こんなにも露伴のことが好きなのかという方々が集まっています。例えば、照明部の鳥内宏二さん。露伴がどのように映るのかを常に気にしていて、独自のアイデアを考えてきてくださいます。美術の磯貝さやかさんは“露伴であれば、こういう本を読むだろう”という考えのもと、シーズンごとに書棚のセレクトを変えていました。しかも、それを直接僕には伝えてこない。撮影で書棚に行った時に初めてわかるんです。つまり、それぞれが考える“岸辺露伴”を持ち寄り、僕という依り代を使って表現しているんです。「私は露伴のことをこのように考えています」というメッセージが、あらゆるところにちりばめられている。それを混ぜながら芝居をしていくことを、とても楽しく感じていました。
高橋:皆、露伴のことが大好きなんです。それが心強かったですし、嬉しかったです。パリのパートに登場するあるキャストの方は、本作のために髪をピンクに染めて、パーマまでかけたそうです。メイク室では、とても緊張されていました。ルーヴル・ピラミッド(ガラスと金属で制作されたピラミッド)の中にあるエスカレーターでのシーン。その方がアドリブでセリフをしゃべっていたので、フランス語のわかる方に、その内容を訳してもらったんです。このピラミッドはガラス張りになっていて、内部からは空が見える形になっていますが、その方は「俺、初めてルーヴルに来たんだけど、ピラミッドの内側には“空の絵”が描かれているのかと思っていたんだ。だけど本当に空が透けてるじゃん!」と言っていたそうです。これって荒木先生が書きそうなセリフじゃないか!と感じました。これまでの岸辺露伴の世界観を崩さずに、そうやって芝居をしてくださったんです。どこの部署の方々ちも、それぞれが考える露伴の世界、露伴像を出力してくれる――結論として、ここに関しては万国共通だったんです。
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