「SAND LAND: THE SERIES」横嶋俊久監督インタビュー 「まずは鳥山明さんに喜んでほしいとみんなが思いながらつくっていました」
2024年5月1日 19:00
ディズニープラスで独占配信中の「SAND LAND: THE SERIES」は、鳥山明さんの漫画を原作に全13話でおくるアニメシリーズ。前半1~6話の「悪魔の王子編」は、昨年劇場公開された「SAND LAND」に新たなシーンを加えて再構成されたエピソードで、後半7~13話の「天使の勇者編」では鳥山さん 考案のストーリーとキャラクターをもとにオリジナルの物語が展開される。映画版から続いて監督を務める横嶋俊久氏に、「悪魔の王子編」と映画版の違い、ゲーム版のスタッフと連携しながらつくっていった「天使の勇者編」のメイキング、鳥山さん とのやりとりで印象的だった出来事などを聞いた。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)
横嶋:シリーズのほうでは尺に余裕もあるため、映画版と比べて丁寧に物語をつむげたというのはあったと思います。「SAND LAND: THE SERIES」は毎週見ていただく前提で構成していましたので、ひとつ前の話数のことを少し忘れてしまっても説明がつくよう描いているつもりです。映画版は、1本の長いものをスクリーンで集中して見ていただきますから、説明的な部分はなるべくはしょることでテンポ感を重視していました。
横嶋:魔物と人間の違いを際立たせたいというのが、映画版のときから出だしでやりたかったことでした。それもあって導入を人間側からスタートさせています。人間側の事情や都合を見せていきながら、やむなく魔物の助けをかりる流れを構築するのが、第1話の前半でやりたいなと思っていたところでした。
鳥山明さんの漫画には省略のすごさがあって、原作ではラオがいきなり魔物の里にくるところから話がスタートしています。アニメのシリーズ版では、シリーズだからこそ、そこを丁寧につむげる可能性があるかもしれないと考え、導入として少し丁寧に描かせてもらっているという感じです。魔物のオーディションを追加したのは、鳥山さんデザインの魅力的な魔物たちの出番を多くしたいというのと、冒頭でちょっとひとつかみあるといいなと思ったんです。「SAND LAND」の物語はシリアスに進んでいくだけではなくコメディ要素も多いですよというのは、ぜひ描いておきたいところでもありましたので。
横嶋:基本的にシリーズ版は、映画版に足されているだけなのですが、唯一大きく違うところがあって、「悪魔の王子編」の終盤でダムを見つけるところは、シリーズ版と映画版で段取りを変えています。映画版では、ベルゼ、シーフ、ラオが一緒に高台にあがってダムを見つけますが、シリーズ版のほうではラオたちは下にいて、ベルゼだけが上にあがって状況を伝え、その後ラオたちもくる流れにしています。シリーズ 版では、ラオがダムの先にある水を見るまでにちょっと引きをつくっていて、映画版のほうはテンポを重視したこともあって、結果として原作の流れにより忠実になっています。
横嶋:実は出ているんです。7話の冒頭で魔物たちが水遊びをしているシーンがあって、ビーチパラソルの下でゲームをしているベルゼがいます。その隣に、見たことがない魔物がいるなと思ったら、それがスライムです。
横嶋:(笑)。映画版のインタビューのときにお話したとおり、原作では死んだと明言されているスライムを、原作サイドに相談のうえ生きているか死んでいるかあいまいなかたちにしていました。それが最後よく見ると実は生きているという流れになっていたわけですが、シリーズ版ではスライムが生存して動いている姿を見ることができます。今回の映像化のために鳥山さんがデザインされたスライムを、シリーズ版でもぜひ確認していただきたいです。
横嶋:映画版に入っていないのは尺の都合が大きいのですが、個人的にやりたい気持ちは大きかったんです。ラオにどうやって謝らせるかは考えどころで、鳥山さんの原作だとけっこうラフに謝るというか、ピッチ人たちには直接会わずに湖の近くで頭をさげて、さあ行こうぜみたいな感じで魔物たちと次の目的地に向かいますよね。鳥山さんの漫画のなかだと、その描写で見事に成立していて、おそらく鳥山さんもあまりシリアスにしたくないという意図があったのだと思います。
横嶋:鳥山さんの作品になじんでいる人にはこの手法で十分伝わると思いますが、そうでない方はどうしてと思うかもしれない。そこでシリーズ版では、そのあたりをもう少し丁寧に描きたいなという気持ちがあったんです。もちろん原作の描き方の魅力や力強さもよく分かっていて、リスペクトはしているのですが、映像と漫画では表現の手法として違いがあるとも思っていて、原作を知らない人も見る映像作品としては、シリーズ版のような描き方をしても違和感がないんじゃないかなと。
原作と変わってしまうのはまずいと思いながらも、鳥山作品らしさを失わない範囲で原作を拡大解釈してできることはどこだろうかと、映像化するにあたってベストのところを探っていったところがあります。そのひとつがラオがお辞儀をするシーンで、アレが軍に対して自らの裏切り行為を独白するところも原作を拡大解釈しているところかもしれません。アレのシーンも、原作ではコメディ風にさらっと描かれていて面白いんですけど、そこもシリーズ構成をしていくなかで少しずつ肉づけさせてもらって今のようなかたちになっています。
横嶋:大枠として、鳥山さんが考案された新たなストーリーをもとに、アニメよりも前からゲームの企画がだいぶ進んでいたこともあり、次の舞台はフォレストランドで、そこにベルゼのライバル的なキャラクターがでるみたいなことは前提としてあった状態でした。アニメ側では、残り話数の関係もあったので、ゲーム側と完全に同じにはちょっとできないということはお断りしたうえで、アニメではどのような物語をつくっていったらいいのか相談していきました。
鳥山さんから大枠のストーリーとともにいただいた新たなキャラクターであるムニエル、アンらをどのように物語にあてこんで構成していくと、「SAND LAND」の原作の流れから上手くつながって表現できるかを考えていったのですが、これはむちゃくちゃ大変で、シナリオだけでかなり長時間もむことになりました。「SAND LAND」のプロジェクトはマルチメディアで展開されていますから、もちろん我々だけで突っ走るわけにいかず、いろいろ調整させていただきながら、シリーズ版としてどこがベストのおとしどころなのか、プロットを鳥山さんに見ていただきながら進めていきました。
横嶋:そうですね。アニメーションプロデューサーの後藤(知子)さんや制作部の皆さんが、僕がシナリオを納得いくまでもんでいく作業にずっと付き合ってくれました。本当に朝から晩までというか、ときには深夜まで、ああでもないこうでもないと言いながら、いろいろな意見をもらいながらつくっていきました。ストーリーがより面白くなるように誰もが最後までねばって、あがいてくれた。今振り返ると、とてもありがたいことだったなと思います。
横嶋:そう言っていただけるとありがたいですね。「悪魔の王子編」には原作の漫画があったので、何かあれば原作に立ち戻るという道しるべになっていました。後半の「天使の勇者編」には原作の漫画がなく、鳥山さん考案による大枠のストーリーと新キャラクターがあるなかで、「悪魔の王子編」のように原作に忠実な感じにつくることができるのか、現場としても不安はありました。そこは、脚本に時間をかけてねばったほかに、「悪魔の王子編」からの流れで「天使の勇者編」に入ってくれたスタッフさん――アニメーターさん、演出さん、絵コンテ担当者さんなどが多くいたおかげで、テイストを損なわずにいけたところが本当に大きいです。
僕の作業としては、前半はわりと細かくいろいろ見ていたのですが、後半は自分のキャパがおいつかなくて前半ほどは見られなかったところがありました。それでも、現場の方々が上手くやってくださったおかげで、前半と遜色ない感じにしていただけたと感謝していますし、本当にスタッフ皆さんの力でできたと思っています。
横嶋:「天使の勇者編」のシナリオをつくっているときから、これは前半で苦労した以上に大変なことになるなと思っていました。僕以上に、現場の制作プロデューサーは頭をかかえていたと思うんですけど(笑)。シナリオがどんどんふくらんでいって、「天使の勇者編」は「悪魔の王子編」をある種パワーアップさせたものになっていたらいいなと考えていました。ベルゼのライバル的な存在になるムニエルなど、新規キャラクターも登場しますし、原作のある前半から勢いがおちないように腐心したといいますか。
メカに関しては、後半は舞台が森になるので、戦車で移動というよりは、バイクや浮遊するものなどで移動させたいと新規でオーダーしました。新規のメカニカルデザインは映画版から引き続き山根(公利)さんにアイデアをいただいて、帆足(タケヒコ)さんに具現化してもらっています。
横嶋:封印の壺は、ゲーム側でデザインをおこしたものを使わせてもらっています。ゲーム側、アニメ側ともにスタッフは鳥山さんへのリスペクトが高かったので、そうしたガジェットにも鳥山さんらしさが感じられると思います。お互いに要望をだしあったりもしつつ、結果的にはゲーム側、アニメ側それぞれからだしたものを上手く吸収しあいながら制作していけた感じです。
横嶋:ゲーム側とはシナリオ面もふくめて相談しながら進めていました。ゲームとアニメには、それぞれ媒体としての表現の幅があります。ゲームのほうが新キャラクターの数が多かったり、アニメでは尺の都合でとりこめなかった鳥山さんのアイデアが、ゲームではいかされている面もあったりします。アニメを見てからゲーム、ゲームをプレイしてからアニメというふうに、それぞれの共通点や違いもふくめて楽しんでいただけるとうれしいです。双方のよさがきっとあると思います。
横嶋:鳥山さんか描かれたオリジナルキャラクターのムニエルをどう魅力的に見せるか、ベルゼのライバルキャラとしていかに立たせるかは「天使の勇者編」のひとつの肝でした。原作がないところからキャラクターとしてつくりあげていくにあたって、最初に動きのキャプチャーをとる段階から、モーションアクターとしてムニエルなどの動きを担当した(山川)ありそさんとも話し合いました。これぐらい大げさにしたほうが面白いかもしれない、ポーズもこんな感じがいいだろうなどと相談しながらキャラクターをつくっていって、ありそさんにムニエルをつかんでもらえたのが、第一歩として大きかったです。
脚本をもとに絵コンテ担当者に描いてもらった絵コンテも良い感じに仕上がり、それらをもとにキャストの村瀬(歩)さんがアフレコ現場に、もう本当に“正解”をもってきていただきました。こちらからは微調整をお願いするだけで完璧だったというか、村瀬さんにお願いしたからこそ表現できた魅力的なキャラにしあがったと思います。
アンは、ベルゼのパーティーに違った世代のキャラクターが加わるわけで、どう彼女の魅力をみせていけばいいかを特に考えました。鳥山さんが描く女性キャラクターには魅力的な人物が多く、アンについてはゲーム側からメカニックであるという設定をいただきました。僕らもその設定は面白いと思いながら、メカニックである彼女をどういかして物語を構築していったらいいのかを探っていきました。アンもムニエルと同じように、ある種ベルゼとぶつかりあいながら一緒に旅をしていくキャラクターで、そんな彼女の雰囲気を小松(未可子)さんが見事に表現してくれました。
ブレッドも、玄田(哲章)さんに演じていただいてバッチリなキャラクターになりました。ムニエルがベルゼと対になるように、ブレッドはラオと対になるように考えていました。ブレッドはラオより世代は少し下ですが、彼がどんな立ち位置で国の未来を考えているのか、そしてラオが考える理想とぶつかっていくのか。そこからどんなキャラクター性が生まれるのかを考えながら構築していった感じでで、そんなところにも注目して見ていただけるとうれしいです。
横嶋:エンディングを担当した齋藤(広樹)さんは、神風動画でずっと一緒に仕事をしてきた仲で、オープニングは神風動画所属のヤマグチ(晋)さんに担当してもらいました。2人とも個人で活動しているアニメーション作家でもありますので、信頼してお任せできました。オープニング、エンディングとも、いただいた楽曲が素晴らしく、この楽曲にたいしてどういう映像がいいのかを相談しながら制作していきました。
オープニングはとにかく画面の情報量を多くしたいと思い、Kroiさんの楽曲にあわせてパーティー感を意識した内容にしてもらっています。ゲームの画面もよくみると、物語の内容が反映されていますので、すみずみまで見ていただけるとうれしいです。途中、砂の像からアニメの絵に切り替わるのが面白い表現だなと気に入っています。
エンディングは、楽曲を発注する段階からTempalayさんにエンディングにふさわしいロマンチックなムードをとお話させていただき、そのとおりでありつつも、ちょっと面白い雰囲気の楽曲をつくっていただきました。齋藤さんはエンディングのような映像手法が得意なので、前もってこういうことをやりたいと伝えて、つくってもらいました。あのシンプルな絵でいくとき、淡々として見えすぎないよう、どこに盛り上がりをつくるのかを話し合ったのを覚えています。
横嶋:鳥山さんからのアイデアで、僕が「なるほど、すごい!」と思ったことがあります。7話の終わりで、フォレストランドの森の様子を初めて見たベルゼが「気持ちわるっ」と言いますが、あそこは鳥山さんから提案いただいたセリフです。魔物たちは、ふだん砂漠の荒野でいちばん快適な場所として暮らしている、それならば水や自然にあふれるフォレストランドのような場所は、逆に違和感をもってしまうだろうという話をいただきました。僕らの発想だと、単純にベルゼたちも新しい場所にきてすごく驚くんじゃないかと考えたのですが、そうではなく「気持ちわるっ」というセリフを言わせる面白さはすごいなと思いました。ほかにも、ムニエルを最後どうするのかという部分も鳥山さんらしいアイデアをいただいています。本編を見て確認していだけるとうれしいです。
鳥山さんには、僕らからのプロットやアイデアを見ていただき、ここはこういう展開のほうが面白いのではないかというだけでなく、各キャラクターのセリフについても鳥山さん自ら具体的なイメージをいただいたものもあって、密にやりとりをさせていただきました。直接お会いはしていませんが、壁1枚向こうに鳥山さんがいるという感じが常にあって、鳥山さんからコメントが返ってくるたびにワクワクしちゃうんですよね。いただいた面白いアイデアを今からどう取りいれようかと苦心することもありましたが、僕ら現場は楽しみながら作業をしていました。僕の印象としては、映画版やシリーズ版の前半のときよりも「天使の勇者編」のときのほうが鳥山さんとのやりとりは多かったんじゃないかと思います。
横嶋:そうだったら、うれしいですね。もし本当に喜んでくださっていたのならば本当にそれが何よりだと思っています。「天使の勇者編」制作中も鳥山さんご本人が描いた絵がチェックとして戻ってきていましたし、3月4日に行われた発表会での鳥山さんからのコメントを想像するに全体については見ていただけたのではないかと僕らは思っています。
現場には本当に鳥山さんの作品で育ってきているスタッフが数多くいましたから、まずは鳥山さんに喜んでほしいと、みんなが思いながらつくっていました。それが鳥山さんに伝わっているのであれば、非常にありがたいなと思っています。
横嶋:アニメづくりって監督がひとりでつくるものではなく、スタッフの皆さんとつくりあげていく、ある種お祭りというか、学園祭のような感じだなと思いながらつくっていた感じです。もちろん全部が全部、順調に進むわけではないのですが、そんなときもそれぞれのパートにいるプロフェッショナルな方々のおかげで、良いものに仕上げてくださったと感謝しています。名前を挙げていくときりがありませんが、色彩設計の安部(なぎさ)さんには大変お世話になりました。安部さんにお任せすれば色は大丈夫というだけでなく、現場の雰囲気づくりにも大きく関わってくださいました。コロナ禍に制作がはじまったこともあって、僕自身はリモートで作業することが多く、作画の現場に顔をだすことがあまりできなかったのですが、安部さんや制作の皆さんが上手くやっていただいたおかげで、最後までつくりきれたのだと思っています。関わっていただいたスタッフの人たちが、それぞれの場所で力を発揮していただき、見た人が喜んでもらえるような作品になったんじゃないかという手ごたえがあります。
僕自身の仕事のやり方としては後悔する点もあるにはあって、そこは次回以降にいかして いきたいと思っています。最初は劇場やシリーズなどを自分がやれるのかという不安のほうが大きくて、そこに飛び込んでやってみるというのが「SAND LAND」の仕事でした。制作が終わった今、自分のなかでも大きな手ごたえがあったなと感じています。鳥山さんの作品だからやってみたいという気持ちで作品に関わらせていただき、制作をとおして、いろいろな気づきや経験値が得られたなとも思っています。とくにキャラクター造形の部分で言うと、鳥山さんのキャラクターって本当に素晴らしいなというのは、今回やっていてあらためて思った部分です。今後、僕自身が別の作品をつくるさいにも、その経験をいかせるように頑張っていきたいです。また作品をつくることが、きっと鳥山さんへの恩返しにもなると思っていますので、次もチャレンジできたらいいなと考えています。
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