初恋の相手と夫に挟まれて座る午前4時のバーカウンター 切ない言葉が刺さる「パスト ライブス 再会」本編映像
2024年4月2日 17:00

第96回アカデミー賞の作品賞と脚本賞にノミネートされた「パスト ライブス 再会」から、本編映像(https://youtu.be/73aVTf4zNEs)がお披露目。主人公ノラ(グレタ・リー)が、初恋の相手ヘソン(ユ・テオ)と、夫アーサー(ジョン・マガロ)に挟まれて座り、午前4時のバーカウンターで会話を交わす、心揺さぶられるシーンが切り取られている。
本作は、ソウルで初恋に落ちた幼なじみのノラとヘソンが、24年後に36歳となり、ニューヨークで再会する7日間を描くラブストーリー。久しぶりに顔を合わせたふたりは、ニューヨークの街を歩きながら、互いの人生について語り合い、自らが「選ばなかった道」に思いを馳せる。「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」のA24と、「パラサイト 半地下の家族」の韓国・CJ ENMが初の共同製作を担当。セリーヌ・ソン監督が、長編映画監督デビューを飾った。

本編映像は、ノラは英語と韓国語が話せるが、韓国で暮らすヘソンは韓国語を話し、ノラの夫アーサーは英語を話し、韓国語が分からないというシチュエーション。ノラがふたりの間で、英語と韓国語でコミュニケーションをとり談笑していたが、ヘソンが隣にいるノラへ、募る思いを打ち明け始めると、やがて会話は韓国語ばかりになる。体の向きや、2ショットがメインとなるカメラワークにより、ふたりだけの空間となっていくさまが切なく切り取られている。

「また君と会えて一緒にいると妙なこと考える」と切り出すヘソン。「12年前のあの時、もし僕がニューヨークに来ていたら?」「君がソウルを去らなかったら?」――ノラとの間にある「もしもあの時……」という、過去のさまざまな瞬間が、堰を切ったように溢れ出す。言葉が分からないアーサーは、耳を傾けながらも遠くを見つめ、決して口は挟まない。ヘソンが「君が国に残り、一緒に大人になったら?」「僕たちは付き合った? それとも別れた? 結婚したのかな」と、心の内を打ち明けていく姿は、とてつもなく切ない。誰しもに訪れる人生の選択や分岐点。観客に、これまで選んできたものと選ばなかったものを想起させ、本作がラブストーリーという枠だけにとどまらないことを暗示するシーンとなっている。

実際に、ソン監督は物語の構成について、「リアルな人生を見ているように、この映画を描きたかったのです」と振り返る。ある種普遍的で、世界中の人が共感できる設定でありながらも、主要キャラクターの3人は、全員がどこか現代的で、精神的に大人である印象を抱かせる。ソン監督は「主人公が子どもっぽい行動をとるのと同じくらい、大人としての行動ができることにはドラマがあると思っています。自分の気持ちや、『自分が何をどうしたいのか』を優先するのではなくて、相手を思いやり努力すること、大人としての行動をとることにはドラマがある」と語る。

その言葉の通り、劇中では三角関係とはかけ離れた、独特な3人の関係が描かれる。ヘソンは、ノラやアーサーを気遣いながら、ニューヨークでの時間を過ごす。アーサーも複雑な感情を内に秘めながらも、「会うなとは言えないよ」と、はるばるノラを訪ねてきたヘソンに紳士的な対応をとるなど、互いが互いを尊重する描写の数々。これもまさに、本作が単なるラブストーリーではない所以のひとつともいえる。
「パスト ライブス 再会」は、4月5日に東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。
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