【手紙全文掲載】土屋太鳳&佐久間大介、内田英治監督からの「結婚式っぽい」手紙に感激
2024年3月18日 13:00
土屋太鳳、佐久間大介(「Snow Man」)、内田英治監督が、3月17日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われた「マッチング」(公開中)の感謝御礼舞台挨拶に参加。それぞれが感謝の思いを綴った手紙を壇上で読み上げ、土屋が内田監督からの感謝と労いの言葉に思わず涙ぐむ一幕もあった。
本作は、内田監督が、マッチングアプリで増えた“出会い”の裏に仕掛けられた“罠”の恐怖を描く完全オリジナル作品。土屋はウエディングプランナーで、“恋愛音痴”な輪花を演じる。佐久間が、輪花とアプリでマッチングする“狂気のストーカー”永山吐夢役、金子ノブアキが輪花に思いを寄せるマッチングアプリ運営会社のプログラマー・影山剛役で共演した。2月23日に公開されると、邦画実写作品のなかで2週連続1位を獲得。3月15日時点で興行収入7億円、観客動員50万人を突破した。なお同イベントで、劇場入場者プレゼント第3弾が、「セリフ入りクリオネポストカード」に決定したことが発表された。大ヒット御礼舞台挨拶の特別映像が視聴できるQRコード付で、3月20日~24日に配布される。
イベントの冒頭で、土屋のイヤリングが外れて床に落ちるアクシデントがあったが、すかさず佐久間が拾い上げ、「厄が落ちましたね」と優しくフォロー。息の合ったやりとりを見せたふたりは、大ヒットへの感謝を伝えた。内田監督は「いま、本当にオリジナル映画ってほとんどないので、そのなかでこうやって盛り上げてくれるのが、役者さんとお客さんという“劇場型”というか、みんなで盛り上げていく映画の新しい形なんじゃないかと思います。コンサートみたいですね」といい、佐久間も「見に来てくださった方が作り上げてくれた新しいものかもしれない」と同意した。
公開から週を重ねるなかで、さまざまな解釈や考察が、SNSなどを通して広がっている。土屋は“犯人”にまつわるある考察について、「(公開前は)全然思わなかったんですけど、ありうるかもしれないって。新しい発見でした」と、観客と一緒に作品が成長していくのを楽しんでいる様子。内田監督も「考察が1~2周ではなく、5周くらいしていて、『すごいアイディアだな……』と思うのがいっぱいあって、パクっちゃおうかと(笑)」と明かし、すかさず佐久間から「“パクる”じゃなくて、オマージュです!」とツッコミが入った。
この日は、3人がそれぞれの思いをしたためた手紙を持参し、壇上で披露。内田監督の手紙は、「自身で読むのが照れくさい」ということで、MCが代読した。佐久間への手紙のなかで内田監督は、「思えば最初の顔合わせのとき、誰よりも声が大きく、元気すぎるその笑顔に一抹の不安をおぼえたことをカミングアウトします」と明かす。
「しかしそんな不安もすぐに払拭されました。吐夢という複雑な人間の内面を理解しようと、長い時間話し合ったのを覚えています。生と死、愛の確認と存在、そして人間の孤独。スリラーという娯楽作に込めた私の思いを、見事に吐夢というキャラクターに命を吹き込むことで表現してくれました。映画作家として、これに勝る喜びはありません。そして、年々減ってゆくオリジナル映画を、お客さんも巻き込んで盛り上げてくれたこと。映画は見ていただいたお客さんの物であることを再認識しました」
続いて土屋への手紙のなかで、内田監督は、「ひとつの家族ともいえる映画の現場。長い共同時間と、過酷な創造性が求められる撮影において、やはり主演俳優が与える安心感が、マッチングという家族を支えたのだと思うのです。スタッフへの心遣い、現場の100人近い人間のモチベーションのキープ、自らの役作りが大変ななか、太鳳ちゃんの存在は本当にありがたかったし、感謝しかありません」と伝える。
「土屋太鳳が作ってくれた家族は、俳優の結束を生み、作品を生み、たくさんのお客さんを巻き込み、今や大家族となりました。映画が持つ、力を、見せてくれてありがとう。そして公開までの間に、太鳳ちゃん自身にも新しい家族ができたことも、なんとも喜ばしく、我が身のように嬉しい気持ちでいっぱいです。またいつの日か再び、土屋太鳳の元気とパワーで、私の映画に血を巡らせてくれる日を、心待ちにしています」
佐久間は、「嬉しいですね。お父さんが手紙を書いてくれたみたい」とはにかみ、内田監督も「結婚式っぽかったですね(笑)。でも、本当の気持ちを書きました」と語る。土屋は、手紙が読み上げられている最中から思わず涙ぐみ、「感動しちゃいました。(手紙は)家宝にします」と、感激していた。
土屋、佐久間、内田監督の手紙(全文)は、以下の通り。
本当に、本当にありがとうございます。感謝を言葉にしたら、何日経っても足りません! ですので、今日は監督と佐久間さんにお伝えします。
私はこの手紙を書き始めた瞬間、吐夢の気持ちがわかりました。吐夢はもっと会いたいから来てしまうのではない。もう会えないかもしれないから来てしまうのですね。
私はいま、吐夢と同じ気持ちです。内田組とまたお会いする日は来るでしょうか? お仕事をご一緒したいなんて、おこがましいことは言いません。また楽しい話をたくさんできたら嬉しいです。そして「生きていてよかった」と思える時間をご一緒できたら嬉しいです。
12年前、初めて舞台で拝見した佐久間さんはまるで火の玉のようでした。私がその姿を忘れられないように、佐久間さんは本当にいろいろな姿をたくさんの人に刻みながら生きてこられたと思います。そして、いままた、新たに佐久間さんは吐夢と共に時を超えようとしています。
吐夢の痛みは、時代を超えて愛情とはいったい何なのか、考える種をまき続けるでしょう。吐夢がこれほどせつないのは、演じる佐久間さんご自身が愛情の正体をわかっていらっしゃるからだと思います。金子さんと一緒に温かい愛情を少年のように真っすぐ現場に注いでくださいました。本当に救われました。
元気ですか? あなたの手を包んでくれる手はいまも優しいですか?
もうすぐ桜が咲きます。桜色のシャツ、ちゃんと着てくれていますか?
クローバーの季節になりました。少しでも心が温まりますように。
そして、願わくばこの寂しさの向こうに、みんなと再会できる日が来ますように。
心からの感謝を込めて。
まずは映画マッチングを見ていただき本当にありがとうございます。皆さんが沢山楽しんでくれて、この作品を好きになってくれて本当に嬉しいです。世代性別問わず本当に幅広い方に見てもらえて感無量です。
特に僕のファンの皆さんは、僕が初めて単独で出演する映画だからこそ、「期待」と「気合」を入れて凄く意気込んでくれてると思います。ずっと応援してくれてる人達にとっての楽しみになってくれてるのが心から嬉しいです。僕にいろんな物をくれて本当にありがとう。
そして、作品を知ったキッカケは、どういう入り口でもいいと思っています。応援してる人が出てるから、知ってる人が出てるから、この人が作った作品を観たいから、このジャンルが好きだから、なんとなく来た、色んな方がいると思いますが、僕たちからすると観てもらえるだけで大丈夫です。一度見ればわかると思います、なので存分に作品の世界観に浸ってください。あなたをすぐにでも沼に引きずり下ろせるように、心を込めてみんなで作り上げた作品なので安心して浸かってください。
以前から番組等で顔見知りだった太鳳ちゃんと、今回初めてお芝居で共演させていただきました。
現場で改めて太鳳ちゃんの人柄や、自分の役や、周りの人に対していつも誠実で一生懸命向き合って行く姿勢が本当に素敵で、先頭で旗を振ってくれる姿は、まるで令和のジャンヌ・ダルクの様で、大きな背中に勇気をもらいました。ただついて行くだけではなくしっかりと自分自身がこの作品にとっての力になれる様、不慣れながらに全力で挑ませていただきました。太鳳ちゃんがカッコ良すぎて僕にとって憧れの役者さんになりました。
僕もいつか座長の座に着くことがあったら、太鳳ちゃんの様に関わる全ての人に優しく力強く作品をしっかり背負う座長になれる様に頑張ります。今回一緒になれて本当によかったです。これからもよろしくお願いします。
僕は最初に関わる監督が、内田監督で本当によかったと実感しています。監督が作り上げる世界観が好きです。そして役者を信じてくれて自由にアプローチした物を積極的に取り入れてくださる、否定がないからこそ役を愛することに没頭できたなと感じています。
まずは僕に声をかけてくださって、この作品に出逢わせてくださって、ありがとうございます。毎度、たくさんの方がこの作品を楽しんでくれてるのを実感する度に一緒に喜んでくれる素敵なスタッフの皆さん、撮り終わった後も一緒にこの作品のために舞台挨拶とか色んなことをセッティングしてくださりとても感謝しています。今後ともよろしくお願いします。
長くなりましたが、「愛」をテーマにしているこの作品を通して、皆様からたくさんの「愛」を感じることができてとても幸せです。これからもこの作品を、キャラクター達を、沢山愛してあげてください。愛してくださる皆さんのことを僕も愛したいと思います。これからも末長くよろしくお願いします。
早いもので「マッチング」の撮影から1年半が過ぎ、2度目の桜が咲こうとしています。思えば最初の顔合わせのとき、誰よりも声が大きく、元気すぎるその笑顔に一抹の不安をおぼえたことをカミングアウトします。経験があまりないという演技は大丈夫なんだろうか? テレビ出演に忙しくて役作りできるのだろうか? しかしそんな不安もすぐに払拭されました。
吐夢という複雑な人間の内面を理解しようと、長い時間話し合ったのを覚えています。生と死、愛の確認と存在、そして人間の孤独。スリラーという娯楽作に込めた私の想いを、見事に吐夢というキャラクターに命を吹き込むことで表現してくれました。映画作家として、これに勝る喜びはありません。そして、年々減ってゆくオリジナル映画を、お客さんも巻き込んで盛り上げてくれたこと。映画は見ていただいたお客さんの物であることを再認識しました。映画に一喜一憂していた自分の映画少年時代を重ね、映画への想いを、再び強く持つようになりました。
出会ったときの不安要素であった佐久間くんの明るさも、今はないと逆に不安になってしまうようになってしまいました。人間は現金なものですね。映画は擬似家族であり、出会いと別れと再会の場であると信じてます。出会わせてくれた映画と、ここまで作品を応援してくれたお客様と、そして佐久間くんに、感謝しています。本当にありがとう。
撮影、そして公開まで、長い長い時間を、、、季節の移り変わりをこの「マッチング」とともに歩んでくれましたね。等身大の女性像である主人公・輪花を演じるにあたり、想像を絶するほどに身を削ったことでしょう。
俳優が映画にとってどれほど大事なのかを、日々けわしくなってゆく太鳳ちゃんを見ながら、教えられた気がします。同時に、カメラの外での俳優の重要さも、太鳳ちゃんから学びました。ひとつの家族ともいえる映画の現場。長い共同時間と、過酷な創造性が求められる撮影において、やはり主演俳優が与える安心感が、マッチングという家族を支えたのだと思うのです。スタッフへの心遣い、現場の100人近い人間のモチベーションのキープ、自らの役作りが大変ななか、太鳳ちゃんの存在は本当にありがたかったし、感謝しかありません。
よい演技だけではよい映画は作れない。擬似でしかない家族に血を巡らせることこそ、映画における一番難しい部分であり、それを率先してやってくれましたね。土屋太鳳が作ってくれた家族は、俳優の結束を生み、作品を生み、たくさんのお客さんを巻き込み、今や大家族となりました。映画が持つ、力を、見せてくれてありがとう。そして公開までの間に、太鳳ちゃん、自身にも新しい家族ができたことも、なんとも喜ばしく、我が身のように嬉しい気持ちでいっぱいです。またいつの日か再び、土屋太鳳の元気とパワーで、私の映画に血を巡らせてくれる日を、心待ちにしています。
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