【第47回日本アカデミー賞】高橋文哉、アイナ・ジ・エンドらが新人俳優賞を受賞 福原遥は亡き祖母との夢叶える
2024年3月8日 22:00
第47回日本アカデミー賞の授賞式が3月8日、東京・グランドプリンスホテル新高輪の国際館パミールで行われ、新人俳優賞をアイナ・ジ・エンド、桜田ひより、原菜乃華、福原遥、市川染五郎、黒川想矢、高橋文哉、柊木陽太が受賞。映画界の期待を背負う若手俳優たちが、それぞれの思いを語った。
「レジェンド&バタフライ」に出演した市川は「森蘭丸という役をやらせていただきました。10代のうちに出合えたことを嬉しく思っております」と喜びを噛みしめる。
「怪物」に出演した黒川は「僕は今、2つの自分と戦っています。『怪物』で湊役を演じられたのは、是枝監督はじめ、たくさんの方々のサポートや運でしかないと思う僕と、このような華やかな舞台に立たせていただいたり、称賛の声をたくさんいただくうちに、まるで自分の力でやり遂げたと勘違いしてしまう自分です。これから先、この戦いは長く続くと思いますが、僕は毎回この感情の戦いに打ち勝って、常に優しい人間であり、俳優でありたいと思います」と言葉に力を込める。
同じく「怪物」に出演した柊木は「依里を演じられて幸せでした。それと同時に、この先も俳優をやっていくうえで超えなければいけない壁だとも感じています。ここに留まらず、前を向いて着実に努力を積み重ねて、たくさんの方の心を動かせるお芝居をして、またいつかこの場所に戻ってこれるよう頑張りたいと思います」とスピーチ。
「交換ウソ日記」で主演を務めた高橋文哉は、「僕はここにいる人間のなかで芝居の一番の赤ちゃんだと思っています。ここからまだまだ伸びしろがたくさんあって、僕は芝居が好きです。芝居で役を生きている時間が、もはや自分なんじゃないかってくらい、自分らしくそこにいられていると思います。大先輩が作り上げた映画界の道のりを、自分らしく全速力で、フルエンジンで走り抜けて、またここに立ちたいと思います」と決意を新たにした。
岩井俊二監督作「キリエのうた」で主演を務めたアイナ・ジ・エンドは、「自分がお芝居や映画の世界に飛び込むことは、不安で仕方がありませんでした。もう曲が作れないですと岩井さんに泣きついたこともありました」と明かす。共演の広瀬すずや松村北斗を見て「お芝居って楽しいのかもしれない」と教えられたそうで、「私の心はいつもヒリヒリしていたけれど、生きていていいんだって、このまま魂を宿して歌っていけばいいんだって岩井さんに教えていただきました」と感謝を伝えた。
「交換ウソ日記」でヒロインを演じた桜田は「この世界に入って16年経ちました」と振り返り、「ここからがスタートだと思っています」とさらなる飛躍を誓う。「ミステリと言う勿れ」の原菜乃華は「撮影中はずっと自分なんかでいいのかなっていう思いがあったのですが、監督や菅田(将暉)さんはじめキャスト、スタッフの皆様が本当に温かくて、何度も助けていただきました」と感謝を伝えていた。
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」の福原は、「誰よりも応援してくれた、大好きな祖母が先日亡くなりました。小さい頃から、祖母といつかこのアカデミー賞という場に立てたらいいねと一緒に夢見ていたので、他界する前に素敵な報告ができて、本当に喜んでもらえたのが嬉しかったです」と目を潤ませていた。
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内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。