イタリアの名匠パオロ・タビアーニ監督が死去 兄弟で50年以上にわたり映画製作
2024年3月2日 15:00
イタリアの名匠タビアーニ兄弟の弟パオロ・タビアーニ監督が2月29日(現地時間)、イタリア・ローマの病院で死去した。92歳だった。
伊アナサ通信の報道によれば、タビアーニ監督は闘病生活の後、妻と子ども2人に看取られながら息を引き取ったという。
ローマのロベルト・グアルティエリ市長はXで、「イタリア映画界の偉大な巨匠であるパオロ・タビアーニが私たちのもとを去った。彼は兄のビットリオとともに、深遠で献身的な忘れがたい映画をつくり、それは人々の想像力と映画史に刻まれた」と追悼の意を示した。
1931年にトスカーナで生まれたパオロ監督は、2歳年上のビットリオ監督とともに1954年に初めて短編を撮って以来、50年以上にわたってメガホン撮り続けた。1977年の「父 パードレ・パドローネ」でカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞。「サン★ロレンツォの夜」(1982)で同映画祭の審査員賞、「塀の中のジュリアス・シーザー」(2012)でベルリン国際映画祭の金熊賞を獲得した。
兄のビットリオ監督が2018年に他界した後も、パオロ監督は単独でメガホンをとり、2022年の「遺灰は語る」でベルリン国際映画祭の国際映画批評家連盟賞を受賞した。