ある盗難事件が、学校の“不都合な真実”をあぶり出す 若き教師の悪夢のような極限心理を描く「ありふれた教室」5月17日公開
2024年2月7日 11:00

第96回アカデミー国際長編映画賞にノミネートされた、若き教師の悪夢のような極限心理を描く「The Teacher’s Lounge(英題)」が、「ありふれた教室」の邦題で、5月17日に公開されることがわかった。あわせて、特報とティザーチラシもお披露目された。
ドイツの新鋭イルケル・チャタクが監督を務めた本作は、現代の中学校を舞台に、ある新任女性教師の視点で進行する物語。校内で発生した小さな事件が予想もつかない方向へと激しくうねり、わずか数日間で学校の秩序が崩壊する異常な事態へと突き進んでいく。
仕事熱心で正義感の強い若手教師のカーラは、新たに赴任した中学校で1年生のクラスを受け持ち、同僚や生徒の信頼を獲得しつつあった。そんなある日、校内で相次ぐ盗難事件の犯人として教え子が疑われる。校長らの強引な調査に反発したカーラは、独自の犯人探しを開始。するとカーラが職員室に仕掛けた隠し撮りの動画には、ある人物が盗みを働く瞬間が記録されていた。やがて盗難事件をめぐるカーラや学校側の対応が噂となって広まり、保護者の猛烈な批判、生徒の反乱、同僚教師との対立を招く。カーラはやがて、後戻りできない孤立無援の窮地に陥っていく。
特報では、ある盗難事件をきっかけに、次第に追いつめられるカーラを活写。カーラは生徒や同僚教師と対立し、教室では叫び声が響く。学校の“不都合な真実”とは何か――緊迫感漂う音楽とともに、彼女の混乱が表現されているかのような映像に仕上がった。ティザーチラシは、カーラをメインに据えている。目元に赤いアザのようなものが見受けられるが、表情が全て見えないため、どこか不気味さを感じさせる。
第73回ベルリン国際映画祭パノラマ部門でワールドプレミア上映され、C.I.C.A.E Award、Label Europa Cinemasを受賞。ドイツ映画賞では最多5部門(作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞)の受賞を達成し、米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で批評家スコア98%(2月6日時点)を獲得している。
チャタク監督は、教育分野で働くさまざまな人々へのリサーチを行い、自らの子ども時代の実体験も織り交ぜ、オリジナル脚本を執筆。誰にとってもなじみ深い学校という場所を“現代社会の縮図”に見立て、正義や真実の曖昧さをサスペンスフルに描いた。劇中で提起されるさまざまなテーマは、教員のなり手不足、過酷な長時間労働、モンスターペアレンツなどの問題がしばしば報じられる日本社会とも無縁ではない。教育現場のリアルな現実に根ざし、世界中の学校やあらゆるコミュニティでいつ暴発しても不思議ではない、“いまそこにある脅威”をあぶり出している。
主演のレオニー・ベネシュは、ミヒャエル・ハネケ監督作「白いリボン」で注目され、「THE SWARM ザ・スウォーム」「80日間世界一周」などのテレビシリーズでも活躍している。次々と重大な決断を迫られるカーラの葛藤を生々しく体現し、ドイツ映画賞主演女優賞を受賞し、ヨーロッパ映画賞女優賞にもノミネートされた。
「ありふれた教室」は5月17日から、東京の新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋ほか全国公開。
(C) if… Productions/ZDF/arte MMXXII
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