松村北斗、理想の職場はSixTONES「すみません、自慢をしてしまって」
2024年2月2日 20:00
本作は、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で夫婦役を演じた松村と上白石が、同僚役で最高の理解者となる特別な関係性を演じる。三宅監督作品としては、2019年の「きみの鳥はうたえる」(フォーラム部門)、一昨年の「ケイコ 目を澄ませて」(エンカウンターズ部門)以来3回目のベルリン国際映画祭へ選出された。
この日客席を埋めたのは、同じ職場の同期、先輩、後輩など様々な関係にある同僚同士。パニック障害を抱えたことで人生が一変する山添を演じた松村は「隣りにいるのは仲のいい同僚ですか? 気まずい方もいらっしゃいますか?」と笑わせつつ、「隣りにいる同僚を素敵に思う様な、そんな映画になっています」と呼び掛けた。
PMSによって月に一度イライラが抑えられず、感情を抑えられなくなってしまう藤沢を演じた上白石は「今日は仕事のことを忘れて……と言いたいところですが、お隣に同僚がいたら仕事のことは忘れられないと思いますので、仕事のことを強烈に意識しながら楽しんでくださいね!」とユーモア交じりに挨拶した。
本作は“栗田科学”という職場を舞台に、生きづらさを抱える山添と藤沢が特別な関係を紡いでいく物語。理想の職場について聞かれた松村は、自身が所属するグループ「SixTONES」を挙げて、「僕はいつも“いい職場に当たっている”という表現をしていて、いつまでもやっていられるような安心感があります。6人がいるところに行くのが楽しみで、このグループが理想の職場」とグループ愛を語ると、「すみません、自慢をしてしまって」と照れる。このノロケに、上白石も「現場でもメンバーのお話をされていて。お好きなんだなと思っていました」と納得していた。
その上白石は、三宅監督の現場を「理想の職場」に挙げて、「“ありがとう”という言葉が飛び交う現場はいいなと。三宅組がそうでした。監督がいっぱい“ありがとう”を言う方で」と振り返り、「ずっと一緒に仕事をしていると、やってもらって当たり前という感覚が生まれがちだけれど、してもらったことに対して毎回“ありがとう”と言える素敵な温度と距離感の職場はすごくいいと思う。私も“ありがとう”と言っていきたい」と刺激を受けた様子。この指摘に当の三宅監督は「マジで? でも確かに言ってるわ!」と驚いていた。
また、価値観を変えてくれた存在の話題になると、松村はかつて出演した連続ドラマ「パーフェクトワールド」(2019年)の監督について触れて「お芝居の場はアイドルの自分が行ってはいけないような思いがあった中で、その監督は他の役者さんと何ら変わりのない接し方で指導してくれた。初めて人からお芝居を教わった気がして、自分はお芝居を頑張ってもいいのかな、頑張ることは自由だなと思わせてくれた人です。それがなかったらここまで来られなかったと思います」と感謝。
上白石は一線で活躍する大先輩からの「僕は満足したことがない」という言葉を金言にしているそうで、「あんなに素晴らしい方も満足していないというのは、いまだに私の心の支えです。私が満足していなくて当然だと思えましたし、満足しない自分はこれでいいと、張り切って苦しむようになったきっかけの言葉です」と明かした。
仕事に対するモチベーションの上げ方の話題では、松村は「憂鬱だなと思って頑張る日は『ポケモン』でいうところの、経験値が貯まりやすい日だと思うようにしている。それをいっぱい頑張ると楽しく働いている日よりも早くレベルアップすると考える。憂鬱な日は、あえてチャージできるぞという風に考えています」とゲーム感覚でモチベーションを挙げていると告白。
一方、上白石は「モチベーションが上がらない日は、上げません」と断言し、「上げないまま準備してそのまま家を出ます。どこかで上がる瞬間は必ず訪れるので、ギリギリまで温存。必要に駆られたら上がるだろうから自分では上げません。それでどうにもならないときは口角だけを上げます」と持論を展開。そんな上白石は、初対面の相手との距離の詰め方を聞かれると「私は心配性なので、初対面の方とお会いする前にウィキペディアで調べる。出身地が一緒ではないか、誕生日が近くないかと会話の糸口を探します」と気配りな一面を覗かせていた。
最後に松村は「この映画は僕らが働く栗田科学の同僚たちが住む街が主人公になっている作品です。何も考えず、素直な心のままで観てほしいです」とメッセージ。上白石も「栗田科学は理想的職場です。観てくれた皆さんも、映画を観終わった時にはどの職場も栗田科学のようになりえると思ってもらえるはず。人の心の優しさは素敵な輪っかを作っていくものだという映画になっているので、それを受け取っていただきたいです」と呼び掛け、イベントの幕が閉じた。
「夜明けのすべて」は2月9日全国公開。
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