【元手300万→80億】カリスマ投資家・テスタ 「ダム・マネー」一発逆転の投資スタイルに物申す!? 「絶対だめだと思います」
2024年1月29日 14:30
SNSに集結した無力な個人投資家たちが金融マーケットを席巻した、2021年の“ゲームストップ株騒動”をもとにした映画「ダム・マネー ウォール街を狙え!」の公開記念試写会が、1月26日に東京・神楽座で開催。上映後のトークイベントに、株式投資家としてテレビ、YouTube、SNSで活躍するテスタ氏が登壇し、解説を行った。
新型コロナウイルスのパンデミックの渦中だった21年初頭、アメリカの金融マーケットが激震する大事件が発生。ネット掲示板に集った小口の個人投資家たちが、倒産間近と囁かれていたゲームストップ社(実店舗によるゲームソフトの小売り企業)の株をこぞって買いまくり、同社を空売りしていたヘッジファンドに大損害を与えるという反乱劇が起こったのだ。本作では、ゲームストップ株に全財産を投じたごく平凡な会社員キース・ギル(ポール・ダノ)に焦点を当て、事件の驚くべき内幕を描き出す。キースと、彼の主張に共感して夢を追い求めた人々の人間模様が、サプライズとユーモア満載で繰り広げられる。
テスタ氏は、05年に300万円を元手に投資をスタートして以来、19年間投資を続け、累計利益は80億円を超えるという人気カリスマ投資家。イベントでは、初心者にも分かりやすく劇中の投資シーンを解説し、個人投資家ならではの見どころを語った。
テスタ氏は、「僕は株式投資家ですので日々、投資の利益だけで生活をしています。ですので主人公キース・ギルに共感できる部分も多く、とても面白かったです」とコメント。さらに、「ゲームストップ株騒動は当時、本当にびっくりしました。僕は主に日本株の取引を行っていて、この騒動はアメリカ株ですので市場は異なりますが、それでもやっぱり大きなニュースになりましたよね」と振り返り、「21年の騒動だと思うと、本当に映画化が早いですよね。旬を逃さないところがすごいと思います。もう映画化されたんだ!とびっくりしました」と、率直に明かした。
劇中では、投資専門用語も登場するが、「投資をやっている人はどのくらいいますか?」という問いかけに、観客の半数が挙手。その様子を見たテスタ氏は、「時代は変わりましたね。若い方も多くいらっしゃる。やはり新NISAなども始まって株式投資が一般的になってきたと感じます。僕が投資を始めた20年前の頃は、ほとんど誰もやっていませんでしたから」と話す。さらに、物語のカギを握る“空売り”については、「普通、株は買って、値段が上がったら売ります。対して“空売り”の場合は売るところからスタートします。株の値段は下がった方が儲かるというのが、“空売り”の仕組みです」と解説した。
ウォール街のエリートたちと個人投資家たちの対立構造も、本作の魅力のひとつ。「そうした現象は、⽇本でも起き得ることなのか?」という質問には、「可能性はあると思います」と前置きしつつ、「ただ、法律が追いついていないだけで、もうあと1年の間に誰かが捕まるなんてこともあるんじゃないかと僕は思います。それくらい、配信やSNSなどで言及し、実際に株価が動いてしまうことで、“株価操縦”という罪にみなすかどうかは、けっこうグレーなところがあるため、僕自身もライブ配信で株式投資について話す際には、具体的な株の銘柄についての話は避けているんですよ」と訴える。
続いて、話題は主人公キースの投資法へ。初心者の投資は“分散投資”が基本といわれるなか、キースはギャンブルのように、全財産をひとつの銘柄へと注ぎ込む。テスタ氏は、彼の投資スタイルについて、「いや、絶対だめだと思いますよ」と断言し、会場の笑いを誘う。「人生を賭けてひとつの銘柄に投資するのは、まさしくギャンブルだと思いますし、当たればもちろん利益は大きいですが、僕はオススメしないです」といい、「ただ彼の何よりすごかったところは、全財産を投資して余裕のないなかで、1億や2億、10億になっても売らずにいたということ。これはなかなかできることじゃないと思います。それほどの強い思いと、精神力の賜物ですよね」と、感心していた。
またテスタ氏は、同じ個人投資家として、キースに共感する部分も多かったという。最もリアリティがあったと感じるシーンには、キースが周囲から「株を売れ」と迫られる場面をチョイス。「本当にそのままですよ。家族も友人もみんな、『売れ売れ』というのが一般的な感覚だと思います。それでも売らなかったのがやはりすごかったですね。僕は、持ち株が何億円になったときに、親には『もうやめておきなさい』と言われましたけど、その点では主人公と同じく耳を貸さずに続けました。ギャンブルではないと思っていますから。増えるべくして増えると思っているし、そういう自分を信じて続けています。何事もやってみなきゃわからない」と、熱弁した。
最後に、株式投資の初心者へ向けたアドバイスを求められたテスタ氏。「こういう映画を見て始めようというのは危険だということがアドバイスですかね」と笑顔を見せつつ、「映画は映画なので、もちろん夢を見ることは大事ですが、勉強して始めるというのが大事だと思います。最も重要なのは自分名義の口座内でやりくりすること。被害にあった後だと何にもできないんですよね。凄腕トレーダーが勝手にお金を増やしてくれるということはないですから」と呼びかけた。
「ダム・マネー ウォール街を狙え!」は、2月2日から東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
十一人の賊軍
【本音レビュー】嘘があふれる世界で、本作はただリアルを突きつける。偽物はいらない。本物を観ろ。
提供:東映
知らないと損!映画料金が500円になる“裏ワザ”
【仰天】「2000円は高い」という、あなただけに教えます…期間限定の最強キャンペーンに急いで!
提供:KDDI
グラディエーターII 英雄を呼ぶ声
【人生最高の映画は?】彼らは即答する、「グラディエーター」だと…最新作に「今年ベスト」究極の絶賛
提供:東和ピクチャーズ
ヴェノム ザ・ラストダンス
【エグいくらい泣いた】「ハリポタ死の秘宝」「アベンジャーズ エンドゲーム」ばりの“最高の最終章”
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
予告編だけでめちゃくちゃ面白そう
見たことも聞いたこともない物語! 私たちの「コレ観たかった」全部入り“新傑作”誕生か!?
提供:ワーナー・ブラザース映画
八犬伝
【90%の観客が「想像超えた面白さ」と回答】「ゴジラ-1.0」監督も心酔した“前代未聞”の渾身作
提供:キノフィルムズ
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴いていく過程をつづったベストセラーノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」(新潮45編集部編)を映画化。取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が死刑判決を受けた事件のほかに、3つの殺人に関与しており、そのすべてに「先生」と呼ばれる首謀者がいるという告白を受ける。須藤は「先生」がのうのうと生きていることが許せず、藤井に「先生」の存在を記事にして世に暴くよう依頼。藤井が調査を進めると、やがて恐るべき凶悪事件の真相が明らかになっていく。ジャーナリストとしての使命感と狂気の間で揺れ動く藤井役を山田孝之、死刑囚・須藤をピエール瀧が演じ、「先生」役でリリー・フランキーが初の悪役に挑む。故・若松孝二監督に師事した白石和彌がメガホンをとった。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。