3時間超えの「莉の対」ロッテルダム国際映画祭でプレミア上映 田中稔彦監督「感動で身体がしびれる感覚」
2024年1月29日 18:00
本作は、東京と北海道を舞台に出会うはずのなかった2人の男女の物語を紡ぐ。とりまく周りの人々もさまざまな問題を抱えていることを映し出し、人間の脆さや弱さを自然の美しさと対を成すように描いた190分のヒューマンドラマ。
同映画祭では、邦画が選ばれることが稀であるメインのタイガーコンペティション部門に選出され、無名でありながらも会期前に全3回の一般上映がすべて完売した。
“チーム莉の対”はキャスト・スタッフ9名の大所帯で現地入りをしており、上映後には持参したキービジュアルのポストカードを観客に手渡しするおもてなしとともに、着物で日本らしさをアピール。
世界初披露となる1回目(現地時間1月26日20時)の上映後には拍手喝采となり、会場が一体感に包まれた。田中監督は留学経験とTOEIC930のスコアを保持していることもあり、流ちょうな英語で挨拶していた。
ワールドプレミア上映を終えた田中監督、主演を務めた鈴木タカラのコメントは以下の通り。「莉の対」は今春から国内上映予定。
【田中稔彦監督】
エンドロールが流れている間、感動で身体がしびれる感覚がありました。 上映後のQ&Aセッションに向けて心の準備をしなければいけなかったので、それがなかったら正直泣い ていたと思います。3年間、どれだけこの作品に時間を費やしてきたことかと振り返りつつ、協力してく ださった方々のたくさんの笑顔や、仲間と共にした苦楽の日々が心に浮かび、その全ての想いが溢れ出 すのを最後までグッと我慢しました。多くの方々から「Beautiful movie!」と言っていただけたことはと ても嬉しい褒め言葉だと思っています。僕にとって最初で最高のワールドプレミアになりました。
【鈴木タカラ】
演じたシーンがどのように編集されたのかと期待をしながら、完成した作品をようやく観ることができました。3時間超えの作品へのお客様の感想も気になりつつ、海外ならではのリアクションを上映中に 感じられたのでとても新鮮でした。