南インド映画界の至高エンタメ「プシュパ 覚醒」 「RRR」を42回観た人が語る“推しポイント”

2023年12月31日 20:00


「プシュパ 覚醒」
「プシュパ 覚醒」

この“沼”にハマってしまったら、抜け出すことは難しい……。本コラムでは、熱狂的信者を生み出し続ける“インド映画の魅力”を存分に伝えていきます!

第7回は、12月15日~2024年1月4日に、オンライン上の映画館「シネマ映画.com」で配信されている「プシュパ 覚醒」を取り上げます。

登場していただくのは、第6回コラムにも登場いただいた「RRR」の“ガチファン”でもある映画配給会社・シンカ所属のスタッフOさん(6月21日時点での鑑賞回数は36回)。「プシュパ 覚醒」をどのように感じたのでしょうか? ご本人に直撃してみました!


【「プシュパ 覚醒」概要】

2021年にインドで公開され、その年のNo.1興収を記録した迫力満点のエンタテインメント。高級木材の密輸で成り上がった男の激動の人生や、その過程で巻き起こる争いが描かれる。監督は「ランガスタラム」のスクマールが務め、「ヴァイクンタプラムにて」のアッル・アルジュンが主演した。

南インドにのみ自生する高級木材・紅木(こうき)の密輸組織で働く青年プシュパは、妾の子であるために姓を名乗ることを許されず、異母兄弟から虐げられながら貧しい生活をしていた。将来は必ず大成してみせると心に誓うプシュパは、密輸を取り締まる警察の目を欺き、数億ルピーにも及ぶ紅木を運ぶことに成功。組織を率いるレッディ3兄弟から高く評価され、長男コンダ・レッディの側近に取り立てられる。富を手に入れたプシュパは好意を寄せていた女性スリヴァッリとの結婚を決意するが、それを良く思わない異母兄弟に妨害され、自身の出生を婚約者家族に暴露されてしまう。

●“「RRR」巡礼”今はどうなってる? 「エンディングで“すべて忘れる”魔法からは少し解放されました」

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――ご無沙汰しております!

ご無沙汰しております。またまた呼んで頂きありがとうございます!

――今回は「プシュパ 覚醒」についてお聞きしたいのですが……やっぱり気になっちゃうんですよね。“「RRR」巡礼”のことが……。

RRR」の鑑賞回数ですか? 今は42回です。

――やっぱり増えている(笑)!! ちなみに劇場で観た回数になりますか?

はい、もちろんです!

――配信は含めていないと?

含めていないですね。配信で観ている時は、途中で止めてしまうこともあったり、同じシーンを何度も見てしまって先に進まなかったりしたので……最初から最後まで通して観たものを“1回”としています。

――脱帽です(配信含めると何回になるんだ……)。新しい魅力みたいなものは見つけましたか?

いや……変わらないです。

――変わらない?

最初に鑑賞した時から“面白さ”がまったく変わっていないんです。2人の登場シーンは見入ってしまいますし、ビームVS虎のシーンは何度みてもテンションMAXで、そこから「Dosti」からの肩車まで手に汗握っています。

――(笑)。

凄いですよね。自分でもびっくりしています。最初の鑑賞体験で、既に面白さの最高到達点に達していたみたいです(笑)。あ、エンディングですべて忘れる魔法からは少し解放されまして、ちょっとずつ記憶にとどめることができるようになりました!

●「プシュパ 覚醒」の話題へ――初鑑賞は“聖地”新宿ピカデリー

――50、60、70……100回と節目節目でお話を伺いたいくらいです。多分「変わらない」という感想になると思いますが……。さて、本題に入りましょう。「プシュパ 覚醒」はご覧になりましたか?

はい、聖地である新宿ピカデリーさんで鑑賞させていただきました! ただ「プシュパ 覚醒」に関しましては、現時点ではタイミングが合わずで1回しか鑑賞ができておりません。

――鑑賞するきっかけはなんだったのでしょうか?

主演のアッル・アルジュンさんが気になっていたんです。これまでもYouTubeでダンス動画を頻繁に見ていました。ダンスがすごくお上手で、映画の内容とか歌詞とか全然分からないのに思わず何回も見てしまっておりました。今回劇場公開ということで、はじめて「プシュパ 覚醒」のビジュアルを見た瞬間「今まで私が見ていたアッル・アルジュンさんと全然違う……!」とびっくりしました。

スタイリッシュなダンス動画ばかり見ていたせいもあるのかもしれませんが、ふさふさの髪の毛&もじゃもじゃの髭という“ワイルドさ”にどんな役でどんなダンスをするのだろうと惹きつけられてしまったんです。

【ダンス動画1】


【ダンス動画2】


アッル・アルジュンのポーズをマネしちゃう&背景を勉強して「見直したい」

――実際にご覧になっていかがでしたか?

まずアッル・アルジュンさんがすごくワイルドでした!ダンスシーンも多く、どのダンスも素敵でキャラの魅力が伝わってきてよかったです。

特に最初の「Daakko Daakko Meka」がお気に入りでして、激しいダンスとかではないのですが、独特の動きと野性味というか重厚感に見入ってしまいました。決めポーズの顎を撫でる独特のポーズもかっこいいですよね! あれは観終わったあと家でこっそりやっちゃいますよね……。

そしてインド映画おなじみの方々が出演されてて、出演されてるのを見つけるとうれしくなっちゃいます。スリヴァッリちゃん役のラシュミカ・マンダンナさんはもうすごく愛らしくて。個人的に不機嫌な時に口をむいっとする仕草がお気に入りです。

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あとあのシュリヌさんの義弟さんのキャラがめちゃくちゃ濃かったです。もうあのカミソリをいつ使うのかとワクワクしながら見守ってました。

そして一番ハラハラしたのはシェーカーワト警視が出てきてからです。もうあの優しそうなお顔からのギャップが凄すぎて、今出てきちゃうの…!?という衝撃とこれからどうなってしまうのだろうという緊張感が凄かったです。心の中でプシュパ早くどうにかして!という気持ちでいっぱいでした。

ストーリーは以前に観たヤシュさんが主演した「K.G.F: CHAPTER 1」「K.G.F: CHAPTER 2」という映画がありましたよね。どちらも“成り上がり”という要素が似ており受け取りやすかったのですが、ただ「プシュパは、なぜそこまでして地位を確立したいのか」という点が、まだまだわからなくて……。

今まで奪われることばかりだった中で、奪われないような地位を確立したいという気持ちなのは何となくわかるのですが、それがプシュパの劇中での行動とどう繋がるのかが正直上手く飲み込めておりません。

ケーシャヴァくんがキャラの説明してくれてたのですがとにかく登場人物が多くて、そっちを追うのに必死になりすぎてたかもしれません……(笑)。

それと“姓へのこだわり”という要素も衝撃的でした。そもそも“姓を名乗ることを許されていない”ということがあまり身近にないものですから、そういった背景を勉強して見直したいですね。

――“衝撃”といえば、この映画「パート1」なんですよね。でも、1本の映画として十分すぎるほど楽しめる仕上がりです。

そうなんですよね。一応ひと段落はしていて「パート1」でも十分楽しく、内容も盛りだくさんで……ラスボスっぽい方や、他にも敵は残っていますが、ここからどうやって「パート2」に繋がっていくのか予測がつかない感じです。

あのキャラどうなるのかなとか、このキャラこうやって出てきてくれたら嬉しいなというのは色々あるのですが、私の希望の一つはスリヴァッリちゃんと一緒にいた、いつも何か食べてる女の子とケーシャヴァ君がいい感じにならないかなと思ったりしています。

――それに「高級木材の密輸」という題材が絶妙で……この題材で1本映画を作ってしまうのかと。

私この高級木材である紅木のこと全然知らなくて。正直すごくニッチな題材ですよね……。それでのし上がろうとするストーリーというのがまた驚きです。

日本が登場する冒頭もびっくりしました。え、そんなことあったっけ?と。これからどうやって日本が関わってくるのかなと思いきや……(笑)。あのイントロ、すごく面白かったです。

●アクションで注目したのは“金額交渉”のシーン「すごくないですか?」

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――アクションについてはいかがでしたか?

最高だったのは、警察に捕まりそうになったプシュパの“金額交渉(=買収)”。そこですぐに魅了されちゃいました。金額の提示の仕方、すごくないですか?

あとは主人公のプシュパが目隠しされてピンチに陥ってしまったときのあそこも、まさかそうなるか!?と目が点になりました。

――確かに(笑)。あんなアクション描写は見たことがありませんでした。

アクションだけではなく、音楽もストーリーにちゃんと絡めていきますよね。これまで見てきた映画では、アクションはあくまで“物語の過程”として描かれていることが多かったんです。でも、多くのインド映画では物語に織り込まれている。アクションを見せているけれど、アクションだけを見せているわけではないんですよね。もちろん主演俳優さんの見せ場ということもあると思いますが。

●個人的な“推しどころ”は「アッル・アルジュンさんの“目”」

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――「RRR」のS・S・ラージャマウリ監督の言葉を思い出しました。「私が演出していくそれぞれのシーン、パフォーマンスであれ、会話であれ、アクションであれ、ダンスであれ、全ては何らかの感情をストーリーで表現する、伝えるための手段です」と。ちなみにもっと細かなポイントで語っておきたい要素はありますか?

これは個人的な“推しどころ”なのですが、アッル・アルジュンさんは“目”がめちゃくちゃ素敵なんです。ダンスシーンで顔がアップになると、釘付けになっちゃいます。

――わかります。本作でのビジュアルは野性味あふれる感じですが、“目”は上品というか、しっとりしているというか……

そのギャップがいいんですよ……。

●「プシュパ 覚醒」初体験の人に伝えたい“おすすめポイント”は?「やっぱりダンスも……」

――では、初めて「プシュパ 覚醒」を鑑賞する方への“おすすめポイント”を教えてください。

かくいう私も1回しか観られておらず、まだまだ理解を深めているところで恐縮ですが、やっぱり先程もお話させていただきました、アッル・アルジュンさんのギャップですかね……。

ワイルドの中に隠された上品さといいますか魅力といいますか。目的のためなら何でもする感じだったのに、好きな子にはこっちをみて欲しいで周りうろちょろしちゃうし、最終的にとんでもない手段に出ちゃうのも可愛かったです。

それと、プシュパと舎弟のケーシャヴァくんとの関係にも注目して欲しいです。最初はケーシャヴァくんはこの人の先がみたい、だったのがだんだんと“相棒”になっていくんですよね。特に好きなのは、寺院でのコミカルな展開です。そこを楽しんでいただきたいです!

あとはやっぱりダンスシーンもおすすめしたいです。

どの曲も「RRR」の「Naatu Naatu」で作詞を担当していたチャンドラボーズさんということで、歌詞にもぜひ注目して頂きたいです!

個人的にはあの、「Srivalli」のダンスシーンでプシュパのあの片足脱げちゃう振り付けがお茶目で可愛かったのですが、なにか意味があるのかなと考えたりしてます。

●インド映画の魅力のひとつは「1回ですべてを理解することが出来ない」

――ありがとうございます!今回は、配信で「プシュパ 覚醒」を楽しむことができます。最後に、配信ならではの楽しみ方を教えて頂けますか?

インド映画の魅力のひとつとして「1回ではすべてを理解することが出来ない」というものがあると思っています。だからこそ何度もみちゃうし、みたくなっちゃう理由かなと。そもそもの基本というか背景が違うので、ちょっとしたことに実はこういう意味があるとか、あとは映画1本に2本分かそれ以上のストーリーが含まれていることが多かったり(笑)!

配信であれば、何回も何回もシーンを繰り返してみることができますし、あとはインド映画では定番のインターミッションがとれちゃうところ。そこが配信で鑑賞する際の“強み”かと。インド映画は、見返すことが楽しいジャンルだと思っています。「プシュパ 覚醒」はダンスシーンも物凄いので、是非楽しんでいただけたらと思います。

私も配信で楽しみつつ、年明けには応援上映も決まっているのでまだまだ楽しみたいです!


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今回ご紹介した「プシュパ 覚醒」は、南インド圏の映画3作品を配信する特集「熱風!! 南インド映画の世界」の1本としてラインナップされています。この特集は、映画配信サービス「JAIHO(ジャイホー)」(www.jaiho.jp)と「シネマ映画.com」(https://cinema.eiga.com/)とのコラボレーション企画「JAIHOセレクション」の第4弾です。

プシュパ 覚醒」以外には、「RRR」の主演として知られるN・T・ラーマ・ラオ・Jr.ラーム・チャランが出演し、S・S・ラージャマウリ監督がメガホンをとった「ヤマドンガ」、ラージャマウリ監督が手がけたスペクタクルアドベンチャー「マガディーラ 勇者転生<完全版>」を配信中です。

各作品の鑑賞料金は550円(税込)となっており、お得なまとめ買いチケット(3作品まとめ買い:1320円、税込)も!単品購入の特典は、Zoom背景画像(全3種)。3本まとめ買いをチョイスすると、Zoom背景画像(全3種)に加え、「ヤマドンガ」メイキング映像が視聴できます。

一度見るとクセになるほどの強烈なインパクトを放つ南インド映画の世界を、オンライン鑑賞で体感してみてください!

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