高橋一生がブラック・ジャックに! 24年ぶりにテレビドラマ化 「視聴者の皆さんにも厳しく見ていただきたい」
2023年12月16日 05:00
2023年に連載50周年を迎えた手塚治虫の名作医療漫画を、24年ぶりにテレビドラマ化する「ブラック・ジャック」で、高橋一生が主演を務めることがわかった。「ビリーバーズ」の城定秀夫が監督、高橋と「おんな城主 直虎」「天国と地獄 サイコな2人」などでタッグを組んだ森下佳子が脚本、「岸辺露伴は動かない」の柘植伊佐夫が人物デザイン監修・衣装デザインを担う。テレビ朝日ドラマプレミアムで、2024年に放送される。
医療とは何か――そんな根源的な問いに深くメスを入れながら、時に厳しく、時に優しく、人の生き方に真正面から向き合うエピソードを次々と紡いできた名作漫画「ブラック・ジャック」。“医療漫画の金字塔”として色褪せることなく、多くの人に愛され続けてきた。連載50周年を迎える23年には、生成AIを活用した新作漫画の制作など、特別プロジェクトも多数展開されている。
これまで、過去に幾度となくアニメ化、実写化、舞台化され、派生作品を生み出してきた。テレビ朝日では1981年、加山雄三主演で初めてテレビドラマ化。2000年には、本木雅弘主演のテレビドラマが、TBSで放送された。24年ぶりにテレビドラマとしてよみがえる本作では、高橋が、法外な治療費と引き換えに、どんな手術も成功させる無免許の天才外科医ブラック・ジャックを演じる。原作から厳選した有名エピソードを凝縮し、その真髄を掘り下げる。
主人公ブラック・ジャックは、神業ともいえる手術手腕を誇る驚異的な天才外科医。常にドライで冷酷に見える半面、患者とその関係者が置かれた状況を見据え、密かに心を痛める優しさも持つ。さらに、要所要所で壁にもぶつかり、時には滑稽な姿もさらけ出す。多面的であるがゆえに、人々を惹きつけてやまないキャラクターだ。
そんなブラック・ジャックに、新たな命を吹き込む高橋は、「正直なところお話を頂いた時は、自分に出来るのかと思いました。幾ら彼の矜持や人情、生に対する思いが好きであっても、いざ自分が演じるとなれば、当たり前ですが話はまったく別です。好きというだけではどうしても成立しない何かがあると思うからです」と、心情を吐露。「見てくださる皆さんも是非厳しい目線で見ていただき、願わくば楽しんでいただけるとありがたいと思います」と、コメントを寄せた。
そして、豪華クリエイター陣が結集していることも明らかに。「アルプススタンドのはしの方」「女子高生に殺されたい」の城定が、監督を務める。「JIN 仁」「義母と娘のブルース」で知られる森下が脚本を担当。手塚プロの綿密な監修の下、現代設定も取り入れつつ、物語を再編成した。さらに、人物デザイン監修・衣装デザインを担うのは、「龍馬伝」「どうする家康」で知られる柘植。2000年版ドラマでも、ブラック・ジャックのヘアメイクデザインを担当した柘植が、ドラマの世界観全てを監修する。
「ブラック・ジャック」はテレビ朝日系で、24年放送。高橋の役どころとコメント(全文)は、以下の通り。
無免許の天才外科医。幼い頃に爆発事故に遭うも、大手術の末、奇跡的に助かった。神業ともいえる手術手腕をもち、治療可能な分野は多岐にわたる。金持ちにも貧乏人にも分け隔てなく、法外な治療費を請求するため、医学界では評判が悪く、友人も少ない。非常にドライで冷酷に見えるが、その根幹は優しい。患者の置かれた状況によっては治療費をタダ同然の値段、あるいは無償にすることも。ただし、本気で病気と向き合って治療しようとしない患者に対しては、容赦なく厳しい面を見せる。
海辺の一軒家で、助手でもある自称・妻のピノコとふたりで暮らしている。一見無愛想であるため、周囲から嫌厭(けんえん)されるが、ピノコに対しては実の親のような愛情を示したり、無茶なわがままを聞いたりして、甘やかしている。アートにも造詣が深い。
――出演オファーを受け、ご自身がブラック・ジャックを演じると聞いた時、どう思いましたか?
今回演じさせていただく間黒男(はざま・くろお)はブラック・ジャック「先生」ですが、僕にとっては大事な「先生」と呼ばれる人が一人、居ます。正直なところお話を頂いた時は、自分に出来るのかと思いました。幾ら彼の矜持や人情、生に対する思いが好きであっても、いざ自分が演じるとなれば、当たり前ですが話はまったく別です。好きというだけではどうしても成立しない何かがあると思うからです。好きだからこそ失敗することも大いにあると思います。それでもお受けさせていただいたのは「おんな城主 直虎」等でご一緒させて頂いた脚本家の森下佳子さん、「民王」でプロデューサーをされていた飯田サヤカさんがお声掛けくださった事。それが何よりも大きな決定打でした。
撮影が始まった今も、試されている様な事が日々起きています。多くの方の心の中に居るブラック・ジャック像や基盤を大きく外すことなく、何よりも自分が思うBJ像を一瞬でも溢してしまいたくありません。これまでと同じように、お芝居をする時は、迷う事なく打ち出していきたい。演じさせていただく度に納得し、許せる瞬間を積み重ね、それが作品になっていける様、毎シーン毎カットお芝居をさせていただいています。
見てくださる皆さんも是非厳しい目線で見ていただき、願わくば楽しんでいただけるとありがたいと思います。
森下さんが書かれる脚本は、表現が非常に豊かなんです。読み進めていくごとに「さあ、この場面はどうしたら、より素敵に立体化していけるだろうか?」と、感覚が具体的になっていきました。
僕は基本的に柘植さんが「大丈夫」と言ったら、大丈夫なんです。柘植さんは嘘をつかない方で、ダメだったら何度でもやり直す方。その柘植さんが、僕がブラック・ジャックの扮装をした時に「うん」と言って頷かれたので、きっと大丈夫だろうなと思っています。と同時に、この姿にいかに説得力をもたせながら、原作を愛する視聴者の皆さんの前に存在できるか……という点も大事だな、と。また、今回初めてブラック・ジャックと出会う方々にも、その人となりを分かってもらわなければなりません。このダブルスタンダードを成立させるためには、演者とスタッフの総合力が大きく関わってくるので、常に針の穴に糸を通すような感覚の撮影になるかもしれないなと思ってます。単純に「わーい! 『ブラック・ジャック』の世界にいる!」という気持ちには、決してなれないですね。
「ブラック・ジャック」の世界や、手塚治虫さんの漫画がとても好きな方々に「うん、アリだわ」と言っていただかないと、失敗だと思っています。僕も自分自身が納得し許せる瞬間を求め、常に厳しい視線でお芝居を模索しているので、視聴者の皆さんにも厳しく見ていただきたいです。
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