杉咲花主演「52ヘルツのクジラたち」に宮沢氷魚、小野花梨らが参加　「当たり前だと思っていた価値観が揺らぐような感覚」

(C)2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会

杉咲花が主演し、「八日目の蝉」「銀河鉄道の父」の成島出監督がメガホンをとった「52ヘルツのクジラたち」の追加キャストが発表され、宮沢氷魚、小野花梨、桑名桃李、余貴美子、倍賞美津子が出演することがわかった。

原作は、2021年の本屋大賞を受賞した町田そのこ氏によるベストセラー小説。タイトルの「52ヘルツのクジラ」とは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに、何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。

ある傷を抱え、海辺の街に越してきた貴瑚は、そこで母親から「ムシ」と呼ばれる、声を発することのできない少年と出会う。彼との出会いが呼び覚ますのは、貴瑚の声なきSOSを聴き、救い出してくれた、今はもう会えない安吾との日々だった。

杉咲が演じるのは、自分の人生を家族に搾取されてきた女性・三島貴瑚。精神的にも肉体的にもギリギリの状態だった貴瑚と出会い、彼女を救い出そうとする岡田安吾役で志尊淳が共演する。

追加キャストとして新たに発表された宮沢は、貴瑚の職場の上司で、初めての恋人となる新名主税役で出演。貴瑚の高校時代からの親友・牧岡美晴役は小野が担う。母親に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年役には、映画初出演となる桑名桃李がオーディションを経て抜擢された。さらに、安吾の母・岡田典子役を余、少年を助けようとする貴瑚たちを見守る村中サチエ役を倍賞がそれぞれ演じる。

本作は、東京を皮切りに、大分・北九州での撮影を経てクランクアップ。宮沢は「脚本を読んで、自分が当たり前だと思っていた価値観が揺らぐような感覚になりました」と振り返り、「この作品は、悩みとか過去の苦しみを乗り越えていく人物を見事に表現している作品だと思うので、この映画を観てくださる方々が、自分自身と向き合うきっかけになるといいなと思っています」とコメントを寄せた。

「52ヘルツのクジラたち」は、24年3月1日よりTOHOシネマズ日比谷ほかで全国ロードショー。

宮沢、小野、桑名のコメントは以下の通り。

【宮沢氷魚】

脚本を読んで、自分が当たり前だと思っていた価値観が揺らぐような感覚になりました。この作品は、悩みとか過去の苦しみを乗り越えていく人物を見事に表現している作品だと思うので、この映画を観てくださる方々が、自分自身と向き合うきっかけになるといいなと思っています。

【小野花梨】

憧れの、本当に長年憧れていた成島組に参加させていただきましたが、自分の未熟さもあって、喜びを噛み締めるというよりも、嵐の中にいるような日々でした。懸命に過ごした日々がスクリーンにどのように映っているのか、成島監督がどんな風に作ってくださったのか、映画を観るのがとても楽しみでもあり、ちょっぴり恐怖でもあり、今はそんな不思議な気持ちです。

【桑名桃李】
あっという間に撮影が終わって、ちょっと寂しいのと、無事に終えられてよかったという気持ちです。ありがとうございました。