役所広司、“トットちゃん”演じた7歳子役の挨拶を絶賛「アカデミー賞授賞式みたい」
2023年12月8日 19:55

黒柳徹子が幼少期を自伝的に綴ったベストセラーをアニメーション化した「映画 窓ぎわのトットちゃん」が12月8日、全国337スクリーンで封切り。東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで初日舞台挨拶が行われ、オーディションでトットちゃん役に抜てきされた大野りりあなをはじめ、小栗旬、杏、滝沢カレン、役所広司、八鍬新之介監督(「劇場版ドラえもん」シリーズ)が登壇した。

舞台挨拶では、司会者の代読によって、原作者である黒柳から各キャストに届いた手紙が紹介され、一同感激しきり。黒柳から大野へ「トットちゃんの声をやってくださってありがとう。あなたの声の方が私よりかわいかったのね。ありがとう」と感謝が伝えられると、現在7歳の大野は、「5歳の頃から憧れだった徹子さんの声ができて幸せです」と瞳を潤ませ、「私も将来、徹子さんみたいに世界を変えられるような、すてきな女優さんになりたいです」としっかりとした口調で夢を語った。

そんな“ヒロイン”の姿に、トットちゃんが出会うトモエ学園の恩師・小林先生を演じた役所は、「りりあなちゃんのアカデミー賞授賞式みたい」と絶賛し、「いまも世界で紛争が絶えず、子どもたちが傷つけられている。胸が痛くなります」と沈痛な表情を浮かべる場面も。「そういう意味で、いまこの映画が公開されることは運命的だし、徹子さんの思いも伝わってくる。これからも世界の子どもたちのために、お元気に生きていただきたい」としみじみ語った。

小栗が演じるのは、トットちゃんのパパで、当時、日本最高峰と呼び声が高かったバイオリン奏者だった黒柳守綱氏。オファーの際には、黒柳から「声の雰囲気が似ている」と言葉があったといい、「すごい勇気を持ったお父さんなので、とても大変な役をいただいたと思ったが、黒柳さんがそう言ってくださるなら……」と出演快諾の理由を説明し、「小林先生から、子どもの育て方というものを改めて教えてもらう映画になった」とアピールした。

また、杏はトットちゃんの成長を見守るママの黒柳朝を演じた。以前から親交がある黒柳からの手紙で「母の声とぴったり」と太鼓判を押され、こちらも感激した様子。自身が出産した際には、たまたま入院先の近くにいた黒柳が駆けつけてくれたと明かし、「そのとき、子どもを見てもらったり、収録のときにも挨拶させていただいた。孫のようにかわいがってくださる」と深い絆を披露していた。

女優、タレント、司会者、エッセイスト、ユニセフ親善大使などあらゆる顔を持つ黒柳徹子が今から約80年前、第2次世界大戦が終わる少し前の激動の時代を背景に、自身の幼少期を自伝的に綴った。1981年に出版され日本累計発行部数800万部を突破したほか、中国語、英語、フランス語、ヘブライ語など20以上の言語で出版され、世界累計発行部数は2,500万部超を記録。今年(2023年)10月には、42年ぶりとなる続編で、青春期を記した「続 窓ぎわのトットちゃん」が発表された。
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