家族といても孤独だった9歳の少女コット「やっと見つけた、私の居場所」 「コット、はじまりの夏」予告
2023年12月4日 11:00

第72回ベルリン国際映画祭の国際ジェネレーション部門(Kplus)でグランプリを受賞し、第95回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされた「コット、はじまりの夏」で。音楽家の青葉市子がナレーションを担当した予告編と場面写真が初披露された。家族といても孤独だった9歳の少女コットが、居場所を見つけて生き生きとしていくさまを、情感豊かに切り取っている。
本作は、世界の映画賞で42受賞、60を超えるノミネート(10月12日時点)を誇り、米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で97%(12月1日時点)の高評価を得ている。1981年、夏のアイルランドを舞台に、コットが親戚夫婦と過ごした特別な夏休みを描く。
(C)Insceal 2022予告編では、大家族のなかで孤独を抱えて暮らすコットが、赤ちゃんが生まれるまでの夏休みの間、親戚のキンセラ夫婦に預けられるシーンからはじまる。「お父さんが好きなだけ預かっていいって」と言うコットを、「喜んで預かるわ」「辛い時は話さなくていい」と、あたたかく迎え入れるキンセラ夫婦。ふたりの愛情をたっぷりと受け、初めて生きている実感に包まれたコットの表情は、明るく変化していく。最後には、コットが自分を解放し、力強い瞳で農場を走るさまが、印象的に映し出されている。
ナレーションを担当するのは、透明感溢れる歌声と唯一無二の表現で、国内外に多くのファンを持つ青葉。緑豊かな田舎の美しさ、木々の間からのぞく陽の光のあたたかさといった、コットを優しく包み込む映像美とともに、「やっと見つけた、私の居場所」という言葉が、切なくも希望を感じさせる。
(C)Insceal 2022
(C)Insceal 2022あわせて、新場面写真もお披露目。俯いたまま表情の見えない姿をはじめ、おじさんのショーンと子牛の世話に挑戦したり、キンセラ夫婦に買ってもらった洋服を嬉しそうに披露したりと、コットをとらえたさまざまなカットが確認できる。
(C)Insceal 2022
(C)Insceal 2022ドキュメンタリー作品を中心に、子どもの視点や家族の絆を誠実に映し出してきたコルム・バレードが、長編劇映画初監督を務め、脚本も担当。「わたしは最悪。」「燃ゆる女の肖像」など、若く作家性の強い才能による作品を世に送り出してきた気鋭のスタジオ・NEONが北米配給権を獲得した。本作で鮮烈デビューを果たしたコット役のキャサリン・クリンチは、史上最年少の12歳で、2022年のIFTA賞(アイリッシュ映画&テレビアカデミー賞)の主演女優賞を受賞。圧倒的な透明感と存在感で、寡黙だった少女が生きる喜びに溢れていくさまを、繊細な演技で表現している。
(C)Insceal 2022
(C)Insceal 2022海外メディアからは、「この数年で最も胸を打つ映画」(Rolling Stone)、「映像は歌うように美しいだけでなく、息を吹き込んでいる」(New Statesman)、「なんとも優しい宝石のような映画。絶妙な小津風の映像と演技に感動し最後に涙する」(マーク・カズンズ監督)、「自分の声を見つけることを描いた詩的な作品」(Empire Magazine)など、絶賛評が寄せられている。
「コット、はじまりの夏」は、2024年1月26日から、東京のヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、渋谷パルコ8F ホワイト シネクイントほか全国公開。
(C)Insceal 2022
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