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【北野武監督作「首」“唯一無二”の6人が語り尽くすリレーインタビュー】第5回:織田信長役の加瀬亮

2023年11月23日 12:00

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取材に応じた加瀬亮
取材に応じた加瀬亮

北野武監督の6年ぶりとなる最新作「」が、本日11月23日から全国で封切られる。構想に30年間を費やし、「本能寺の変」を題材にした壮大なエンタテインメントを完成させた。映画.comでは、カンヌ国際映画祭でも熱狂的に受け入れられた今作のリレーインタビューを、6週連続で展開。第5回は、織田信長に扮した加瀬亮に話を聞いた。(取材・文/鈴木元、写真/間庭裕基、編集/映画.com副編集長・大塚史貴)


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――「アウトレイジ ビヨンド」以来11年ぶりとなる北野監督からのオファーを受けての思いはいかがでしたか。

もちろん最初はうれしかったですが、織田信長役というのを知り、これはまたもや無茶ぶりなんじゃないかと思いました(笑)。

――信長はこれまで多くの方が演じていますが、「」での信長像はどのようにイメージしましたか。

最初はこの映画の「環境」を設定する役といいますか、これは信長が君臨している世界の話ですよということを伝えるような役、つまりこの映画の象徴として強い印象を与えなければいけない役だと思いました。そして物語を実際に動かしていくのは他の人たちであると理解しました。しかし、監督の現場はどんどん脚本も変わっていくので、あまり事前に印象を固めることもできないですし、当時はほかのキャストの方たちが誰なのか全く知らなかったので、何から始めたらいいのかなと……。

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――ということは、役へのアプローチも大変だったのではないですか。

脚本を受け取る2、3週間前にたまたま友人から誘われて乗馬に行ったんです。その後、コロナ禍になって撮影がいつ始まるか分からない、もしかしたら1年くらい空くかもしれないと言われました。武将は馬に乗れるに違いないし1年あるんだったらまずは乗馬をゆっくり続けていって、そのなかで考えてみようと思いました。馬は物凄く体が大きいですし、筋骨隆々で最初は暴れたりすると少し怖かったんです。それが1年くらい続けて、鞍(くら)の着け方や終わってから蹄(ひづめ)の土を落としたり体を洗ったりしているうちに慣れていき、だんだん恐怖がなくなっていきました。ある時から、馬の力強さに比べれば人の力なんて大したことないかと思うようになって(笑)、その気持ちが今回の傍若無人な信長を演じる際の最初の土台になった気がします。

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――北野監督からは、特にリクエストなどはなかったですよね。

今回は衣装合わせの時に「いっちゃっている人ね」という一言がありました(笑)。

――信長の衣装を着た時に抱いた思いはいかがでしたか。

衣装の黒澤和子さんがガラの悪そうな着物を用意してくださったり、小道具の方からもいろいろと武具の説明を受けたりと、それはだいぶ演じるうえでの助けになりました。

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――感情の起伏がかなり激しい役ですが。

そうですね。脚本だと登場からいきなり怒鳴るみたいな感じだったので、そのつもりで撮影初日の段取りで一回怒鳴ってみたのですが、助監督さんが来て「監督が最初は怒鳴らないでと言っています」と。「えー、ウソでしょ!」と思ったんですけれど、まあ北野組は毎回そういう感じですよね。覚悟はしていました(笑)。

――セリフはすべて尾張の言葉なので、苦労したのではないですか。

方言は「」にも出演している名古屋出身の早川剛史さんに指導していただいて、大変助かりました。ただ、尾張弁を覚えるのに苦労したというよりも、前日や当日にセリフが変わるので、その場でそれを方言に直してすぐに覚えなければいけない。そんなに器用な方ではないので、朝現場に行ったらすぐ早川さんを呼んで、これはどうやって言うんですか? みたいな(苦笑)。そういう時間のなさが大変でした。

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――衆道に関する描写に関しての見解はいかがでしたか。

その時代に身を置いたことがないのであくまで想像ですが、森蘭丸や弥助の存在は誰が敵か味方か分からない状況の中である種心の慰めにはなっていたんじゃないかと思います。ひどい扱いようでしたけれども(笑)。

――時代劇をやる上での楽しさ、難しさはありますか。

今まであまりやったことがなくて、逆に時代劇の可能性はお伺いしたいくらいですが、ただ時代が遠い、距離があるということはある種ファンタジー度は増すわけで、現代劇ではできない表現もいろいろと可能だと思いました。

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――天下人だからこそ、虚勢を張っているというイメージですか。

そういう風には思わなかったです。誤解なく伝わるといいんですけれど、どこかでは死ぬのを期待して待っているといいますか、自分を殺せるヤツがいるなら殺してほしいという感じがあったと思います。

――本能寺の変で信長が命を絶たれることは史実ですが、今回の表現に関しては。

まさかあの人にやられるとは思ってはいませんでしたけれど、面白いなと思いました。撮影の段階ではもう少し伏線も描いていたんですけれど、本編からはなくなってしまいました。

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――クランクアップした時の達成感などはいかがでしたか。

自分はたくさんの撮影があったわけではなく、しかも1シーンやって1カ月空いてというペースでの撮影だったんです。短期間に一気に演じたわけではないので、達成感という感じではなかったですが、気持ちを長い期間維持していたので、終わってホッとはしました。

――カンヌ映画祭での体験はいかがでしたか。

監督がフランスやイタリアをはじめ世界で人気があるのは知っていましたけれど、初めてそれを目の当たりにしてこんなにも尊敬されているんだということを痛感しました。北野監督は本当にカンヌで圧倒的な人気でした。

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――「」を通して改めて感じた北野監督の凄さを教えてください。

監督として凄いのはもちろんですが、一緒に食事に行っても僕らみたいな役者にも細かく気を使ってくださいますし、人に対する姿勢がとても謙虚です。見習いたいなと思いました。

――最後に北野監督へのメッセージをお願いします。

まさか織田信長を演じる機会があるとは思っていなかったので、貴重な経験をさせてもらって凄く感謝しています。でももう無茶ぶりはやめていただきたいです(笑)。

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」リレーインタビュー最終回(第6回)は、11月30日に配信予定。

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