黒柳徹子、アニメになった「窓ぎわのトットちゃん」完成し涙…「いろいろなことを思い出した」
2023年11月18日 17:00

黒柳徹子が幼少期の出来事を自伝的に綴ったベストセラーをアニメーション化した「窓ぎわのトットちゃん」の完成披露試写会が11月18日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、原作者の黒柳徹子、声優を務めた大野りりあなと滝沢カレン、八鍬新之介監督が出席した。
女優、タレント、司会者、エッセイスト、ユニセフ親善大使などあらゆる顔を持つ黒柳が約80年前、第二次世界大戦が終わる少し前の激動の時代を背景に、自身の幼少期を自伝的に綴った「窓ぎわのトットちゃん」が原作。1981年に出版され話題を集めたほか中国語、英語、フランス語、ヘブライ語など20以上の言語で出版され、世界累計発行部数は2500万部超を記録している。「劇場版ドラえもん」シリーズの八鍬新之介監督がメガホンをとっている。

映画上映前の舞台挨拶に立った黒柳は、本作の完成に感極まった様子。この日は終始、涙を浮かべながらハンカチが手放せない様子だった。そんな中、「これはわたくしの本当の話で、小学1年生くらいの時の話を自分で書いたものなんです」と切り出した黒柳。世界中で愛されたベストセラー小説ということもあり、映画化はもちろんのこと、テレビドラマ、舞台、ミュージカルといろいろなオファーが来たというが、「いろいろと考えてみて、読んでくださった皆さんの中に思い浮かべたそれぞれのトットちゃんがいた方がいいと思い、全部お断りしていました」と明かす。
しかしそれから40年近く経ち、「(世界が)きな臭くなっているところもある気がしたものですから。やはりこれは映画にした方がいいんじゃないかと思ったところに、監督からアニメでやったらどうかとご要望がありました」と振り返る。その時に監督から見せてもらったビジュアルが非常に丁寧に描かれていたということもあり、アニメ化を快諾。それが今から7年前の話だったという。
そこから長い年月を経て、ようやく映画が完成。「できあがった作品を見せていただいてわたくしは泣いたんですけど。いろんなことを思い出しただけでなく、当時の世の中とか、当時のトットちゃんの学校とか、自分が行っていた時のように描かれていて。お友だちも本当に当時のお友だちのようでした。そんなわけで終わった時は涙が出てしまいました。7年かけて作ってくださるというのは並大抵のことではありません。心からお礼申し上げます」と関係者に謝辞を述べた。


そんな黒柳の思いを受けた八鍬監督は「今、世界中で人種とか宗教をめぐって戦争が起きていて。たくさんの難民の方であるとか、犠牲者が出ています。それは遠い国のできごとのように感じるかもしれないんですが、78年前、日本も同じように戦争をしていました」と語ると、「徹子さんが書かれた『窓ぎわのトットちゃん』には、戦争中でも思いやりの心を忘れずに生きた人々が描かれていて。その姿を映像化して、世界に届けることができれば、少しでも明るい未来につながるんじゃないかと思って企画させていただきました」とその思いを語った。
一方、オーディションで選ばれたというのが8歳の大野だ。「おしゃべりが大好きで止まらなくなるところ、いろんなことに興味があるところが似ているなと思います!」とハキハキ話すその姿に、黒柳たちも思わず笑顔に。そして滝沢はトットちゃんの担任の大石先生を演じる。「黒柳さんはあこがれですし、妖精のような方」と語る滝沢は、「自分が、ずっと家族と一緒に観てきた黒柳徹子さんの人生の中に飛び込ませていただくチャンスがうれしかった。だけど自分の声ひとつで、徹子さんの小学校時代を絶対に汚したくなかったし、本当に気を付けようと思いました」と述懐。そんな滝沢とは公私共に親交があるという黒柳は、「滝沢さんは普段からお知り合いですけど、とても純粋で。普通あんまりいない女の子のように思います。本当に純粋で、ちょっと形容しがたいですが、こういうかわいい女の子は少ないと思います。その中のひとりが滝沢さんだと思います」と評すると、滝沢もニッコリと「うれしいです。すべてお返しします」と返し、会場を沸かせた。

主人公のトットちゃんが通うトモエ学園の小林校長先生からは、早口でおしゃべりなトットちゃんに向かって「君は本当にいい子なんだよ」と言われるシーンがあり、大野もそのシーンが非常に好きだったという。それに対して黒柳も「これは本当に先生からいただいた大事な言葉。今でも何かあっても、自分はいい子なんだからと言われたんだから、わたしはいい子に違いないと思って。いい子であるように頑張っています」とそのシーンの裏側にある大事な思いを語った。
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