ドストエフスキー「白夜」をモチーフとした映画に尾碕真花、池田航を起用した理由は? 監督が明かす
2023年11月11日 18:10

「大河への道」「花のあと」などで知られる中西健二が監督・脚本・プロデューサーを務め、架空の街・TOKIOを舞台に描き出す「4日間 FOUR DAYS, TOKIO」の公開記念舞台挨拶が11月11日、池袋シネマ・ロサで行われ、尾碕真花、池田航 中西健二監督が登壇した。
ロシアの文豪ドストエフスキーの「白夜」をモチーフとした本作は、あるアクシデントから出会った男女の4日間の出来事をつづったドラマ。結婚を決めていた人を探しにきた女性・ユウキ役に、2012年全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞、ドラマ「騎士竜戦隊リュウソウジャー」や「鎌倉殿の13人」などに出演する尾碕。ユウキとともに人探しを手伝う時夫役を、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」や、情報番組「ZIP!」内のコーナー「旅するエプロン~30秒のごちそう~」で人気の池田が務める。
本作の撮影は昨年の10月スタートだったそうで、尾碕と池田はこの日が約1年ぶりの再会となったという。「1年経って、こうも変わらない人がいるのかと。全然変わっていない。僕は撮影の時より12キロくらい太ってしまった。だから映画に映っているのは実は僕だったんです。大丈夫ですか?」とおどけてみせる池田に対して、尾碕も「そりゃ12キロ増量した人と比べたら変わらないですよ」と笑ってみせた。

ドストエフスキーの作品をモチーフとした本作だが、実際にオファーを受けたときのことを振り返った尾碕は「オーディションの前の日に台本をいただいて。難しい言葉がいっぱい並んでるな。わたしにオーディションできるかなと思ったんですが、でもなぜかそれ以上に、ユウキという役をとてつもなくやりたいなと思って。とにかくやりたいという気持ち、熱意だけを監督にぶつけました」と述懐する。

一方の池田は「主演のオーディションというのはなかなかないチャンスなので。台本も(オーディション用に1シーンほどを抜き取ったものではなく)全部の台本が届いて。逆に言うと、期間は短かったんですが、演者側としたらこんなチャンスはないなと思って。それこそインスパイアされたというドストエフスキーの『白夜』を買ってきた。何回か読んでみて、思ったことも書き込んで。ここのシーンがインスパイアされるのかと思いながら。そういう思いを監督に伝えられるようにしようと思ったんですが、いざオーディションの会場に行くと、何も伝えられないんですよね。でも監督には響いたみたいでうれしかったです」と、当時の思いを明かした。
そんなふたりの決め手とは何だったのか。「今回は普通のオーディションのように、僕らが1カ所にいて、俳優さんが代わる代わるやってくるというスタイルではなく、逆に僕がいろんな事務所を日をまたいで会いに行く。旅に行くような感じでした」と振り返った中西監督は、「尾碕さんとは最初の方に会って。さっき言っていたような熱意を伝えていただいて、インパクトはあって印象に残っていたんですけど、その時はこの人がいいかどうかはまだ分からなかった。その時に男性のオーディションもやっていて。実はこの人かなという人がいたんですけど、最後に池田くんに会ってみて。そうしたらこんな人がいるのかと思って。こういうのもありかもしれないなと。単にうまいだけでなく、存在が時夫に近い感じがあって。しかも彼を尾碕さんの隣に並べてみるとすごくハマりそうなペアだなと確信が持てたので、この2人にさせていただきました」と明かした。
それを聞いた池田は「そんなことがあったんですか」と驚いた様子で、「確かにオーディションの時は、時夫役はほぼ決まっているから、(今後のために)顔合わせだけでもしてくるかと言われて。マジかと思ったんです。会場に行く途中に乗ったタクシーは事故ってしまうし……。これは何かあるのかなと思いましたけどね」と振り返った池田。尾碕も「逆に持っているね」とニッコリ。そんなふたりのキャスティングに、中西監督も「大満足です」としみじみと付け加えた。

本作を撮ろうと思った最大の要因は、どのようなものだったのだろうか。中西監督は「コロナとか戦争のことがあったからですね。コロナの時は街から人がいなくなって。やれることはマスクをつけて、外に出ないようにすることだけ。そして一方で戦争が起きていて。テレビではすごい映像が映っているけど、こっちでは普通の生活が行われている。そんな真綿で首を絞められるような気持ちでモヤモヤしていたら、この気持ちを映画にしたらいいんじゃないかなと思って。気持ちとか雰囲気は風化していくと思うので。記録は残るけど、記憶を残したいなと思って。この映画をつくりました」とその思いを明かした。
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