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フィリピンの新鋭が脳内アクションスターのおばあちゃん描く奇想天外メタコメディ「レオノールの脳内ヒプナゴジア(半覚醒)」1月公開

2023年10月4日 20:00

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2022年サンダンス映画祭ワールド・シネマ(ドラマ)部門審査員特別賞を受賞した「レオノールの脳内ヒプナゴジア(半覚醒)」が、2024年1月公開される。このほど、予告編、ビジュアル、場面写真が披露された。

かつてフィリピン映画界の巨匠だった映画監督レオノール・レイエスは、72歳になり引退した今、借金と息子との関係悪化に悩みながら暮らしている。ある日、脚本コンクールの新聞記事を目にした彼女は、一念発起して未完のアクション映画の脚本に取り組む。しかし、落ちてきたテレビに頭をぶつけヒプナゴジア(半覚醒)に陥り、物語の中に入り込み、未完の脚本のアクションヒーローにならざるを得なくなったとき、フィクションと現実が交錯し始める――。そして息子は必死に母を脚本の世界から引き離そうとする。

「今年の最も素晴らしくオフビートなデビュー作」(ロスアンゼルスタイムズ)、「SFのピンチで攪拌され、メロドラマのノスタルジアを浴びたアクション。ダグラス・サークがカンフーアクション映画でペドロ・アルモドバルと結合したような作品」(EXAMINER)、「映画制作にまつわる愉快なメタフィクションであると同時に、90年代のフィリピン製アクション映画へのラブレターでもある」(大阪アジアン映画祭)など世界中が、混乱しつつも、激賞。監督は、新鋭マルティカ・ラミレス・エスコバル監督。「フィリピンではアクションスターが大統領になるくらい多くの人がアクション映画に影響を受けているのはなぜ? この不条理に、私はおばあちゃんというレンズを通して優しいアプローチで取り組みました」と語る。その類い稀なる才能に世界が熱狂した奇想天外メタコメディだ。

<脳内アクションスターのおばあちゃん>という唯一無二のキャラクターをチャーミングにエネルギッシュに演じ、その圧倒的な存在感が絶賛されたのは、本作で主演デビューとなるシェイラ・フランシスコ。フィリピン人として初めてロンドンのロイヤル・ナショナル・シアターで公演した名優だ。映画は2024年1月 シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開決定

▼コメント
■マルティカ・ラミレス・エスコバル監督
マニラで生まれ育ちました。少し前のことですが、有名なアクションスターが、第13代フィリピン大統領に就任しました。当時6歳だった私は(政治経験のない)有名人が選ばれることに何の疑問も感じませんでした。それから数十年、さらに2人の「アクションスター」が大統領になったとき、私はこの不条理な現実に疑問を感じました。けれどその「不条理な現実」は「映画への愛」と重ね合わせれば、とてもすんなりと理解できました。
私たちがフィクションを愛するのは、フィクションは現実を曖昧にしてくれるからです。私が映画を見るのは、現実には決して存在しないような場所に連れて行ってくれるからです。本作は、自分が書いた映画の中に入り込んでしまう映画監督の話です。フィクションの中にしか存在しない人生に対するロマンチックな想いを形に表したものであると言えるでしょう。なので、もし私が崖から飛び降りる前に1本映画を作らなければいけないのなら「私と映画との関係性」をテーマにした作品を撮りたいです。私をいろんな場所に連れて行ってくれるうえに、私を正気のままでいさせてくれる、そんな映画です。
私たちは、いつも年配のマッチョな人たちに囲まれている、と思い始めたのです。なぜ、私たちの歴史の中で、何百本もの映画の中で、おばあさんのアクションスターがいないのだろうって。
アクションというジャンルに、多くの人が影響を受けているように見えるのはなぜでしょう?アクションスターの一人が大統領になるくらいにね。
映画の暴力にはドン引きします、しかし面白くもあり、そこが病んでいるところです。フィリピンでは暴力が普通であるかのように思われています。
アクション映画は、武器も必要だし、血も必要だし、たくさんの人が死ななければならない。しかしそれは、私が取り組む方法ではないのです。本作では、おばあさんというレンズを通して、彼女を取り巻く問題や葛藤を、優しいアプローチで捉えようとしました。愛を通して、コミュニケーションを通して、ね。私は映画を通して人々に貢献をしたいのです。人生をもっと愛おしく思ってもらえるように。
■シェイラ・フランシスコ
レオノールには超能力が与えられましたが、それはとても羨ましい話です。
この映画を作る旅は、本当に楽しかったです。マーティはいつもクールで、周囲を勇気づけ、そしてポジティブでした。彼女の奇抜なアイデアと、オープンで協力的な仕事ぶりが私は大好きです。

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