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【第80回ベネチア映画祭】濱口竜介監督「悪は存在しない」銀獅子賞受賞 金獅子賞はヨルゴス・ランティモス「哀れなるものたち」

2023年9月10日 07:32

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濱口竜介監督(右)と大美賀均
濱口竜介監督(右)と大美賀均
(C)Kuriko Sato

第80回ベネチア国際映画祭が現地時間の9月9日に終了し、もっとも人気の高かったヨルゴス・ランティモスの「哀れなるものたち」が最高賞の金獅子賞に輝いた。濱口竜介監督の「悪は存在しない」が金獅子賞に次ぐ銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞した。

アラスター・グレイの同名のゴシック小説の映画化である「哀れなるものたち」は、天才外科医の手により蘇った若い女性ベラが、旅をしながら人間社会を体験していく物語。プロデュースも兼ねたベラ役のエマ・ストーンの大胆な演技と、斬新な舞台美術によるアーティスティックな世界観が高い評価を浴びた。ランティモスは受賞後の記者会見で、米ハリウッドのストライキの影響で、エマ・ストーンがベネチアに来られなかったことに対してコメントを求められ、「個人的にはここに彼女がいないのは本当に残念です。でももちろん理由は理解できます。たんに映画のプロモーションができないというだけでなく、彼女は本当にこの映画に貢献をしてくれたので、ここで一緒に祝えないのが残念です。早く問題が解決することを願っています」と語った。

ヨルゴス・ランティモス監督
ヨルゴス・ランティモス監督
(C)Andrea_Avezz___La_Biennale_di_Venezia_-_Foto_ASAC

濱口竜介の「悪は存在しない」も批評家のなかで支持が高かった。受賞記者会見で、インディペンデントな本作の受賞が日本の映画界に与える影響についてたずねられた濱口は、「この映画はいわゆるアートハウス系の映画と言えると思います。また小規模なチームで作った映画でもあり、そのような作品が評価を頂くということは、映画制作の見方を変えるきっかけになり得るものだとは思います。本当に良い映画――それが何かはともかく、良い映画を撮るために必要なものは何なのか、を見直すことが可能になると思います」と答えた。さらに日本の記者陣に囲まれた取材では、「素晴らしい賞を頂いて本当に信じられない気持ちです。発案者である石橋英子さんの力が大きいと思いますし、キャスト、スタッフのみなさんの力があったおかげでこういう映画に結実できたと思います。このチームでやってきてよかったと思い、胸が熱くなりました」と語った。

アフリカからヨーロッパに向けて無謀な旅をする移民たちの現状を描いたマッテオ・ガローネのパワフルな作品「Me Captain」は、銀獅子監督賞と、主演のセイドゥ・サールに若手俳優に与えられるマルチェロ・マストロヤンニ賞が授与された。女優賞はソフィア・コッポラの「Priscilla」で、プリシラ・プレスリーに扮したケイリー・スピーニーに、男優賞は、「Lubo」のフランツ・ロゴウスキーの人気も高かったが、ミシェル・フランコの「Memory」でジェシカ・チャステインと共演したピーター・サースガードにわたった。サースガードは受賞スピーチで米ストライキに触れ、「彼らの要望が理解され、リスペクトされることを願う。いまハリウッドではA.I.がもてはやされているが、僕らにとって人間的なコネクションはとても大切だ」と、「Memory」のテーマでもある、人間同士の生身のふれあいの重要性を強調した。

脚本賞は、チリの独裁者アウグスト・ピノチェトをバンパイアに見立てた意欲的なゴシック・ホラー、「El Conde」のパブロ・ララインと共同脚本家ギエルモ・カルデロンに、また審査員特別賞は、ベラルーシとポーランドの国境で両国から拒絶される難民の悲劇を、アグニエシュカ・ホランドら3人の監督が共同で制作した「Green Border」にわたった。ホランド、ガローネ、ララインの作品の存在が、今年の映画祭に政治色をもたらす結果となった。

また受賞は下馬評に沿った結果となったが、セレクションは全体的に、レベルの高い豊年だったと言える。(佐藤久理子)

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