戦後78年、塚本晋也監督「野火」9年目の全国アンコール上映決定　新装版パンフレット販売も

2023年7月20日 20:00

塚本晋也監督作「野火」は戦後70年にあたる2015年に初公開され、これまで71～76年と毎夏かかさず上映を重ねてきた。戦後78年となる今年も終戦記念日を中心に、渋谷・ユーロスペースほか全国で9年目のアンコール上映を行うことが決定した。なお、今年は新装版のパンフレットが上映劇場で販売予定だ。

2023年11月に新作「ほかげ」の公開を控える塚本監督の「野火」は、構想から20年の歳月をかけ完成させ、2014年にベネチア映画祭メインコンペティション部門出品、極限の状況下での人間の姿を描き、戦争の恐怖をあぶり出す物語。製作当初から「毎年終戦記念日に上映されるような映画にしたい」という監督の思いに共感した劇場で、毎年アンコール上映を重ね、初年度からの劇場・自主上映含む総観客数はおよそ9万8300人にのぼる。

世界情勢がますます混迷する今、劇場の大スクリーンで戦場の恐ろしさを体感し、引き続き戦争と平和について考える貴重な機会となることだろう。

各劇場の上映予定、イベント予定等実施の詳細は劇場HP、「野火」オフィシャルサイト・SNSにて随時発表される。新装版のパンフレットは、書籍「塚本晋也×野火」（游学社）に掲載されていた第2次世界大戦に関する詳細な解説とシナリオを採録したオールカラー70ページ、1100円（税込）。上映劇場で販売開始される。（一部劇場を除く）

▼塚本監督コメント

9年目の「野火」になります。

戦後70年の夏から毎年上映を続けることができたのは、理解を示してくださった多くの劇場さんと、見てくださる皆さまのおかげです。

ウクライナの戦争が終わらず、世界の状況が底の抜けたように不安に満ち、何が正しいのかさえはっきり言えない世の中になってきたと言えます。

そんな時にこそ、大岡昇平さんからのメッセージ、「野火」に立ち返ってみて欲しいです。

戦争が始まれば、何が起こるのか。人はどう変わってしまうのか。

その上で様々な議論が展開されることを望んでおります。

「野火」。今こそさらに多くの皆さんに観ていただきたいと思います。

▼「野火」戦後78年　アンコール上映スケジュール
■関東
東京ユーロスペース 8/15（火）舞台挨拶あり
東京立川シネマシティ調整中舞台挨拶あり
東京新文芸坐 8/10（木）舞台挨拶あり
神奈川横浜シネマリン 8/13（日）オンライントークあり
神奈川横浜シネマ･ジャック＆ベティ調整中オンライントークあり
千葉柏キネマ旬報シアター 8/15（火）
埼玉川越スカラ座 8/12（土）
埼玉深谷シネマ 8/13（日）～ 8/19（土）
群馬高崎電気館 8/5(土),8/14(月),8/18(金)
茨城あまや座 8/12（土）～ 8/18（金）オンライントークあり

■中部･北陸･甲信越地区
愛知シネマスコーレ 8/15（火）
新潟シネ・ウインド 8/15（火）
新潟高田世界館　 8/20（日）オンライントークあり

■近畿
大阪シネ･ヌーヴォX 　　 8/5（土）～8/18（金）
大阪シアターセブン　　 8/6（日）～8/11（金）
兵庫豊岡劇場　　 8/11（金）～8/15（火）

■北海道・東北地区
北海道　　浦河大黒座　 8/11(金)～8/13（日）
岩手みやこシネマリーン　 8/12(土)～8/13（日）
岩手フォーラム盛岡　　 8/15（火）
山形フォーラム山形　　 8/15（火）
宮城フォーラム仙台　　　　　　 8/15（火）
福島フォーラム福島　　 8/15（火）

■中国･四国地区
広島シネマ尾道調整中
愛媛シネマルナティック 8/15（火）
高知大心劇場　　調整中

■九州･沖縄地区
熊本 Denkikan 8/11（金）
大分別府ブルーバード劇場 8/4（金）～8/10（木）
大分シネマ５　　 8/15（火）
宮崎宮崎キネマ館 8/11（金）
鹿児島ガーデンズシネマ　　 8/13（日）

※2023年7月20日（木）時点。上映劇場は今後も増える可能性あり。各劇場の上映予定、イベントの有無、イベント実施日等オフィシャルサイト（nobi-movie.com）、SNSにて随時更新される。また状況によりやむを得ず予定が急遽変更になる場合がある。