ナチ政権下で迫害された同性愛者たちを描くドキュメンタリー「刑法175条」9年ぶりの東京上映【「大いなる自由」公開記念】
2023年7月12日 15:00

Bunkamura初配給作品「大いなる自由」の公開を記念し、ドキュメンタリー映画「刑法175条」の限定上映が決定。ナチ政権下で迫害された同性愛者たちを描くドキュメンタリーとなっており、東京での上映は9年ぶりとなる。
7月7日に封切られた「大いなる自由」は、2021年カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞受賞、2022年アカデミー賞国際長編映画賞オーストリア代表作品。第2次大戦後ドイツで男性同性愛を禁ずる「刑法175条」のもと、「愛する自由」を求め続けた男の20余年にもわたる闘いを描く静かな衝撃作だ。
2001年の山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション部門で上映され、以降数えるほどしか国内で上映されてこなかった「刑法175条」。監督は「ハーヴェイ・ミルク」で1984年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したロブ・エプスタインと、映画史におけるLGBTQの描かれ方を検証するドキュメンタリー「セルロイド・クローゼット」をエプスタインと共同監督し、公私にわたるパートナーでもあるジェフリー・フリードマン。ナレーションは、俳優のルパート・エベレット。インタビュアー兼アソシエイトプロデューサーでもあるホロコースト記念博物館のクラウス・ミュラーは、現在配信中のNetflix映画「エルドラド ナチスが憎んだ自由」の監修も務めている。

ナチ政権下で175条により約10万人が捕まったとされ、そのうち強制収容所に送られた1万~1.5万人のうち生存者はおよそ4000人、映画制作時に生存が確認出来たのはわずか10名に満たなかったという(劇中に登場する「アメリカ合衆国ホロコースト記念博物館」のクラウス・ミュラー氏の調べによるもの)。同作は強制収容所に送られた同性愛者が辛うじて存命だったタイミングに撮られた貴重なドキュメンタリーで、記録映像、写真と共に、刑法175条によって迫害を受けたゲイ男性たちとひとりのレズビアンのインタビューによって歴史に隠された一面を暴き出す。

「大いなる自由」のセバスティアン・マイゼ監督は、インタビューで「主人公ハンスの物語の出発点は、同性愛者の男性が連合国によって強制収容所から解放されたにもかかわらず、直接刑務所に移送され、刑法175条に基づいて残りの刑期を務めたという実話でした。ハンスは、罪もなく繰り返し刑務所へ送られ、存在を否定され、人間関係を壊され、国家の記録の中に消えていった無数の人たちであり、その人たちの運命そのものです」と語っている。「刑法175条」は、ハンスと同じく強制収容所から刑務所に移送された人、凄まじい拷問の記憶を語る人、強制収容所にいたことを隠し、女性と結婚した人、奇跡のような経緯で難を逃れた人……癒えることのない傷を負いながらも生き抜いた人々の個人的な物語を通して、迫害の歴史を明らかにしている。
「刑法175条」は、7月21~23日の連日18時に、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下にて35ミリプリント上映。7月22日には、ジャーナリストで作家の北丸雄二氏、主にクィアの作家による作品の上映・発信を行うノーマルスクリーンの秋田祥氏によるトークイベントを開催する。
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