画期的な音楽体験! 映画館で映像を見ず“音”だけを楽しむ試聴イベントに参加してみた
2023年6月3日 18:00
最新ヒット作が上映され、3DやIMAXなど非日常を味わえる大規模シネコン、世界的な良作に出合えるミニシアター、お手頃価格で選りすぐりの作品を楽しめる古き良き名画座など、日本には様々な映画館が存在します。コロナ禍の影響もあり、自宅で好きな時に映画を鑑賞できる配信サービスが台頭したことで、昨今の映画館は、様々な“体験の場”へと変化しています。
そんな中、新旧の作品情報のほか、映画館についての記事も書く映画.com編集部のもとに、1通のメールが届きました。それは、これまでお付き合いのなかった、音楽レーベルからのテアトル新宿で行われる新譜試聴イベントの招待。筆者は以前、坂本龍一さんが音響監修をしたことで話題の映画館の取材を行っており、そこで実際の設営に携わった音響エンジニアさんからのご紹介でした。
“JAZZ界の異端児”カッサ・オーバーオールの最新作「ANIMALS」を、音環境のよい映画館で、映画の試写会のように音楽を試聴するイベントだそう。世界の先端音楽シーンに疎い筆者はカッサさんについては知らなかったのですが、スクリーンでの映像上映がない映画館イベントとは、どんなものだろう? と興味津々で新宿に向かいました。
今回会場となった、テアトル新宿で導入されているのは、東京テアトルが開発したカスタムメイド音響システム「odessa」。「劇場ごとに最適化されたサウンドシステム」 に 「劇場独自の映画体験が付加される」という意味を持つ、スタジオクオリティの音響体験ができるシステムだそう。技術や設備の専門的なことについては、「odessa」HP(https://odessa-ttcg.jp/)からの解説文を以下に抜粋します。
この日は、音楽専門誌やライターら識者によるトーク付きイベントで、アーティストの新譜の紹介、そしてスペシャルコンテンツとして、カッサさんからのビデオメッセージが上映されました。シンセを弾きながらの自作解説で、「制作プロセスにコラージュの手法を使った」とのこと。さすがフリージャズのミュージシャンらしい、即興度高くクリエイティブな紹介に期待が高まります。
そして会場は照明が落とされ真っ暗に……長年頻繁に映画館を訪れていますが、これは初めての経験です。そしてお待ちかねの試聴タイムがスタート。ジャズドラマーとしてその名を知られるカッサさんですが、ヒップホップとの融合を思わせるスタイルで、ピアノや管楽器の生演奏、リズムもドラム演奏と打ち込みが混在し、そして時にメロディアスなボーカルもあり、とにかく自由で耳を楽しませてくれます。立体感のある音が弾むようにサラウンドで飛び込んでくるので、目には見えませんが、まるで音の玉手箱が開かれたよう。参考に試聴動画(https://youtu.be/xMhmMEZdK2c)を紹介します。
とにかく耳から入ってくる音の情報量が多いので、途中で脳内に雑念が入ってもすぐに音楽に飲み込まれます。世代的に実際に体験したことはないのですが、私語厳禁で、ひたすら音楽に対峙する昔ながらの“ジャズ喫茶”もこういう感じだったのかしら……と思いました。よっぽど音楽が嫌いでなければ、ジャンルに関係なく、どなたでも音と音楽を純粋に楽しめる時間になると思います。既にイギリスでは、コアな音楽ファンの間で目隠しをして音楽のみを楽しむイベントが開催されているのだとか。
そして、スクリーンを見つめることが中心となる通常の映画も、映画館で見ると物語に没入できるのもこういった音の良いシステムのおかげなんだなあという気づきもありました。同様のイベントがあれば、ぜひ多くの方に体験していただきたいです。
カッサ・オーバーオールの最新作「ANIMALS」は、CD、LP、デジタルで絶賛販売中です。数量限定のTシャツがかっこいい! 今年10月には東京と大阪での来日公演も予定されています。グッズ、チケット販売詳細は公式HP(https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13345)で告知しています。
また、テアトル新宿をはじめとした「odessa」導入シアターでは、池松壮亮がジャズピアニストを演じる、冨永昌敬監督の最新作「白鍵と黒鍵の間に」(10月6日公開)も公開予定。こちらも臨場感のあるサウンドで映画を楽しめること請け合いです。
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