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ゲイであることで母に捨てられ、16歳でホームレスになった青年 監督の実体験を描くA24注目作「インスペクション ここで生きる」8月4日公開

2023年5月11日 17:00

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新鋭監督の半生の実話を映画化した
新鋭監督の半生の実話を映画化した
(C)2022 Oorah Productions LLC.All Rights Reserved.

A24の注目作で、新鋭監督の半生の実話を映画化した「THE INSPECTION」が、「インスペクション ここで生きる」の邦題で8月4日公開される。このほどポスタービジュアル、予告、場面写真が披露された。

イラク戦争が長期化する2005年・アメリカ。ゲイであることで母に捨てられ、生きるためにすがるような想いで海兵隊に志願した青年。しかし、彼を待ち受けていたのは、軍という閉鎖社会に吹き荒れる差別と憎悪の嵐だった。

海兵隊に在職中だった20代で初めてカメラを手にし、そこから映像記録担当としてキャリアを始めたエレガンス・ブラットン監督の長編デビューにして、彼の体験に基づく実話である本作。社会からも除外され、“透明だと思っていた”自分を癒すために映画を撮ろうと決意したブラットン監督は、「この映画で主人公が感じる欲望、恐れ、そして最終的に抱く目標まで、すべて本物です」と語る。本作はトロント国際映画祭でプレミア上映され、世界各国の映画祭で絶賛された。

画像2(C)2022 Oorah Productions LLC.All Rights Reserved.

ゲイであることで母に捨てられ、16歳から10年間ホームレスとして過ごし、社会から除外されてきた主人公のフレンチにとって、海兵隊は生きるために選んだ唯一の道だった。罵詈雑言とともに過酷な訓練が繰り返されるその場所で、フレンチは教官だけでなく仲間たちからも激しい差別を受け続ける。理不尽な日々に幾度も心が折れそうになりながらもその都度自らを奮い立たせ、毅然と暴力と憎悪に立ち向かうフレンチ。孤立を恐れず、同時に決して他者を見限らない彼の信念は、徐々に周囲の意識を変えていく。

主人公であるエリス・フレンチを演じるのは、俳優、そして歌手としても活動し、2019年のトニー賞では別々のパフォーマンスで2部門(演劇主演男優賞/ミュージカル助演男優賞)にノミネートという史上6人目の快挙を成し遂げたジェレミー・ポープ。また、音楽は「21世紀の最重要バンド」と評されるアニマル・コレクティヴが担当。逆境に屈せず前を向く主人公フレンチの姿をエモーショナルに彩っている。

予告編では、ゲイであることで母親に捨てられ、ホームレスとして生きてきた主人公・フレンチが自身の出生証明書を貰おうと母親の家を訪れるシーンから始まる。母親は、「私が産んだ“息子”として戻らないなら、この証明書は無意味よ」と吐き捨て、息子との間に分厚い心の壁があることを感じさせる。そして出生証明書を持ったフレンチが向かったのは、海兵隊のブートキャンプだった。バスから降りた瞬間、教官たちから罵声を浴びせられ「お前は同性愛者か?」と問われるが、全く表情を変えずにフレンチは「いいえ教官!」と大きな声で答えてみせる。「inspection(インスペクション)」というタイトルの通り、セクシャリティの<点検>を受ける様子が切り取られている。

8月4日からTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国公開。

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