【なぜ主人公がふたり?】「ピーター・パン&ウェンディ」3つの注目ポイント
2023年5月2日 18:00

ディズニーの名作アニメを実写映画化する「ピーター・パン&ウェンディ」が、ディズニープラスで配信中です。不思議な国ネバーランドで、大人になることを拒む少年ピーター・パンと、英ロンドンに住む少女ウェンディら姉弟が繰り広げる冒険を描いたアニメ「ピーター・パン(1953)」から70年。実写映画として新たに“船出”した「ピーター・パン&ウェンディ」は、過度なアレンジは避けながらも、時代に即したアップデートが施された良質のファンタジー作品に仕上がっています。そこで、登場人物たちの内面にスポットを当てながら、注目してほしい3つのポイントを紹介します。

寄宿学校に進学するため、住み慣れた家を離れることになったウェンディ。弟のジョンと末っ子のマイケルが、幼い頃から親しんだ童話「ピーター・パン」ごっこに興じる姿を目にし、新生活への不安、家族と離ればなれになる寂しさ、そして「まだまだ、大人になりたくない」という葛藤が心のなかに生まれます。そんな彼女に救いの手を差し伸べるのは、もちろん、ピーター・パンです。
しかし、さまざまなピンチを乗り越える過程で、ウェンディは「大人になること」の大切さに気付き始めます。この心理的な成長は、これまでの「ピーター・パン」作品では、あまり触れられることはありませんでした。「大人になるっていうのは、何よりも大きな冒険なのかもしれない」。そんなウェンディの“気付き”が、ピーター・パンにも影響を与えます。だからこそ、本作の主人公は、ピーター・パンとウェンディのふたりだと言えるのです。

ネバーランドに留まり続けたピーター・パンと、大人になると決め、一度はネバーランドを去ったフック船長(かつての名前はジェームズ)。注目すべきは、ピーター・パンと宿敵であるフック船長に隠された“過去の確執”が、ウェンディが「大人になること」の大切さに気付くきっかけになっている点です。これまでの「ピーター・パン」作品でも、彼らふたりは、まるでコインの裏表のような存在として描かれていましたが、本作では、かつて親友同士だったという秘話が明かされました。

「家に帰ったら、楽しい冒険は終わる。あとは大人になるだけ」。そんなピーター・パンの言葉は、“大人になり損ねた”フック船長はもちろん、“大人になりたくない”ウェンディや、“大人になってしまった”観客にもグサッと突き刺さります。繰り返しになりますが、「ピーター・パン&ウェンディ」が素晴らしいのは、ウェンディに「大人になること」の大切さを気付かせた点。処刑されそうになった彼女が、空を飛ぶため、楽しいことを思い浮かべるシーンにも、ぜひ注目してください。

ピーター・パンを演じるのは、本作が映画初主演となるアレクサンダー・モロニー。もうひとりの主人公であるウェンディには、ミラ・ジョボビッチとポール・W・S・アンダーソン監督の娘である新鋭エバー・アンダーソンが起用されました。アンダーソンはインタビューで、「私の演じたウェンディは、これまで知られている彼女により深みを与えたキャラクターなんです。この作品では、ウェンディとピーターは平等。それは本当に素晴らしいことだと思いますし、ウェンディを演じられて本当にうれしかったです」と語っています。
若きスターたちの躍動を支えたのが、フック船長を演じたジュード・ロウ。「登場人物の背景が深掘りされているから、観客は彼らの過去や、友だちが欲しいと思っていた気持ちも、より理解できると思う」という言葉通り、ロウ自身も圧倒的な存在感で、複雑な過去を持ったフック船長のキャラクター像に、“ただの悪者”ではない深みを与えています。

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