齊藤工監督、オール別府ロケの短編「縁石 ふちいし」に英語字幕を付ける熱い意図
2023年4月25日 13:00
齊藤工監督がメガホンをとった短編映画「縁石 ふちいし」が4月22日、大分県別府市にある別府ブルーバード劇場で封切られた。齊藤監督と主演を務めた同県出身の安部賢一は、観客と一緒に観賞後、舞台挨拶に立った。
別府ブルーバード劇場は、91歳の女性館主・岡村照氏が守り続けてきた映画館。今作は、別府の街を舞台に、さまざまな監督が完全オリジナルの短編を制作する「別府短編映画制作プロジェクト」の第3作。同プロジェクトの条件は、オール別府ロケ、そして地元の人々と協力し合いながら撮影をするということ。
齊藤監督は、「別府の方々も、観光客の方にも、40分ほどの短編だとすごく手軽に映画を楽しんでもらえるので、とても意味がある画期的なプロジェクトだと思って参加しました」と説明。さらに「制作チームのみんなは地元の人たちでされているけれど、見えないところで本当にたくさん働いてくれて、最高に屈強なチーム。彼らに支えてもらいながら映画作りをして、そしてこうして映画を届ける瞬間に立ち会えていることを、心からありがたく思っています」と謝意を示した。
今作には齊藤監督のこだわりにより、映画字幕をつけての上映となった。その理由を熱く語った。
齊藤監督「コロナ禍が緩和されて、ツーリストの方たちも別府に戻ってきていると思います。僕もバックパッカーをしていたのですが、外国へ行くと、どこにでもあるチェーン店じゃなくて、地元の人に愛されている屋台とか、そういう場所に行きたいじゃないですか。僕は映画館もそうじゃないかと思っていて、照館長に会いに行く先に短編プロジェクトがあることに意味があって、観光に来たお客様にブルーバード劇場で映画を観るきっかけになる役割を担えればいいなと思うので、全ての日本映画に英語字幕がある方がいいと思っているんです。英語字幕がついた日本映画は海外の映画祭でしか観ることができないけど、日本映画を観たい海外の方って必ずいると思うので、この作品が英語字幕をつけるヒントになればいいなと思います」