大泉洋、山田洋次組では“ぼやき”を封印「日本で吉永小百合さんにぼやく奴なんていない」
2023年3月15日 18:16

吉永小百合と大泉洋が親子を演じる山田洋次監督作「こんにちは、母さん」の完成報告会見が、3月15日にホテル雅叙園東京で開催され、吉永、大泉、永野芽郁、山田監督が登壇。この日に新キャストとして発表された寺尾聰、宮藤官九郎、YOU、枝元萌も顔をそろえ、田中泯が参加することも明らかになった。

山田監督の90本目の監督作「こんにちは、母さん」は、現代を生きる家族や親子の形、思いが心情豊かに描かれる物語。日本を代表する劇作家で、演出家としても数々の名優と舞台を作ってきた永井愛の同名戯曲を映画化する。
大泉が演じるのは、大会社の人事部長として日々、神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、大学生になった娘・舞(永野)との関係に頭を悩ませる神崎昭夫。彼は、久しぶりに母・福江(吉永)が暮らす東京下町の実家を訪れる。「こんにちは、母さん」。しかし、迎えてくれた母の様子が、どうもおかしい……。割烹着を着ていたはずの母が、艶やかなファッションに身を包み、生き生きと生活し、どうやら恋愛もしているようだ。久々の実家にも自分の居場所がなく、戸惑う昭夫だったが、お節介がすぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う“母”と新たに出会い、次第に見失っていたことに気付かされていく。
新たに出演が発表された寺尾は牧師・萩生直史、宮藤は昭夫の大学の同級生であり、会社の同僚でもある木部富幸、YOUと枝元は、福江の家に足しげく通い、ボランティアを手伝う琴子・アンデションと番場百恵に扮した。

冒頭で山田監督は、「初めて永井さんの戯曲に出会ったのは、もう20年以上前のことです。何とか映画にならないかなと思って、永井さんと相談もしたんですが、なかなかうまくまとまらなくて」といい、「1番の原因が、主役を誰にするか。キャスティングに悩みましたね」と振り返る。「ふと気付いたら、僕は小百合さんがお母さん役をやる映画を3本作った。小百合さんの年齢からすると、おばあちゃんの役を演じてもおかしくないのかなと思いますが、僕たちの世代からしてみれば、小百合さんはミューズですからね。僕が小百合さんをおばあちゃんにしてもいいのかと悩んだ挙句の果てに、小百合さんに相談したんですよ。そうしたら、こともなげに『もちろんですよ』と言ってくれた」と感謝を伝え、「大泉洋さん含む皆さん、これ以上言うことないというキャスティングができました」と、満足気に語った。

山田組に初参加した大泉は、現場について「まず山田組の素晴らしいところは、午前9時に始まって午後5時に終わるんですね。サラリーマンのような生活で、本当に素晴らしくて。そんな現場は、なかなかいまはないですよ。次の作品に入ったときに、うちの娘が『山田組は良かったね』と言ったくらい」と、笑顔を浮かべる。

初共演の吉永からは、親子役を演じるにあたり、子どもの頃の写真をリクエストされたそう。「小百合さんが僕との役を作ろうとしてくださって、僕もより母親のように思えて。僕も事務所経由でどんな写真が送られたか知らなかったんですが、最終的に映画で使われていたんですね。本当に僕の子どもの頃の写真が出たから、親もびっくりするでしょうね」と、会場の笑いを誘う。

吉永は「助監督の方から写真を頂いたんですが、こんなこと言っちゃいけないかもしれないけど、大泉さんのお風呂上がりの写真があって、とってもかわいくて、素敵でした」と明かすと、大笑いしながらも焦った大泉の「全裸ですか!?」という確認には「全裸じゃないけど、ほとんど(笑)」とお茶目に返す。大泉は改めて「監督の演出で、“母親に甘えるダメな息子”というのができて、存分に甘えられたと思います」と、吉永への感謝を口にしていた。

「キネマの神様」に続き、2度目の山田組となった永野は、「前回よりも、監督に褒めて頂けるように頑張ろうと思って、現場に入りました」と、意気込みを語る。吉永との初共演については、「『私でいいんですか?』と思いながらも、こんな光栄なチャンスはなかなかない、山田組だからこそ叶えて頂けたんだなと」「吉永さんはすごい方で、現場で中心に立たれているんですが、背中がすごくあたたかくて、そしてかわいらしくて。『いつか、私もこんな女優さんになりたいな』と密かに思いながら、過ごしました」と、憧れを明かしていた。

さらに、会場に集まった記者から、「大泉さんといえば、“ぼやき”だと思うんですが、撮影現場でぼやいた瞬間はありましたか?」と質問が飛ぶ。大きく首を振り、「一切ぼやいてません。恐ろしいことを言いますね。ぼやくなんてとんでもないです、この現場で。常に大感動していました」と否定する大泉に、宮藤は「ずっとぼやいてましたよ」とまさかの証言。吉永は「一度も聞いていません」と、“息子”大泉をしっかりと弁護し、大泉は「日本で吉永さんにぼやく奴なんていないよ」と、言葉を重ねていた。
「こんにちは、母さん」は、9月1日から全国公開。

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