【第95回アカデミー賞スピーチまとめ第1弾】7部門受賞の快挙! 「エブエブ」受賞者たちが喜びを語る
2023年3月13日 17:00
第95回アカデミー賞が、3月12日(現地時間)に行われ、最多11部門ノミネートの「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」が、作品賞を含む最多7部門を受賞。アジア女性初の主演女優賞を受賞したミシェル・ヨーをはじめ、同作の受賞者によるスピーチを発表順に振り返る。
84歳になる母は家で放送を見ています。母さん! オスカーをとったよ!!
私の旅は船から始まり、難民キャンプで1年過ごし、いろいろなことがあってハリウッドのこの大舞台に立つことができました。このような話は映画のなかだけのことだと皆が言うでしょう。いま自分の身に起こっていることが信じられません。これこそがアメリカンドリームです!
アカデミーの皆さん、ありがとうございます。自分を犠牲にして私をここに導いてくれた母に感謝しています。そして自分を大切にするようにと毎日電話してくれた弟にも。常に私を支えてくれたケンもありがとう。A24、ダニエルズ、ジョナサン、ジェイミー、ミシェル、そして私の一生の“グーニーズ”の友ジェフ・コーエン。20年もの間、毎月、毎年、「いつか私の時代が来る」と言い続けてくれた妻のエコーのおかげで私の人生があります。
夢は信じなければならないものです。私はあきらめかけていました。これを見ているすべての皆さん、どうか夢を持ち続けてください!
カムバックを歓迎してくださってありがとうございます。愛しています。本当にありがとう。
さあ拍手は終わり。45秒しかないし、お行儀よくするって(映画芸術科学アカデミー会長の)ジャネット・ヤンに約束しちゃったから。
私はここにひとりで立っているように見えると思いますが、実はそうではありません、私は何百人もの人間なのです。そう、何百人もの人々と一緒にここにいるのです。
ダニエルズはどこにいるの? ダニエルズに、ジョナサン、クルーのみんな、ミシェル、キー、ステファニー、この映画をつくり上げたすべてのアーティストたち。みんなでこのオスカーをとったのよ。(エージェント、家族への謝辞を中略)。そして、何年もの間、私が出演したジャンル映画を支えてくれた何千、何十万人もの人たち、私たちはいま、一緒にオスカーを受賞したのです!
私の父(トニー・カーティス)と母(ジャネット・リー)はそれぞれ異なる部門でアカデミー賞にノミネートされました。そしていま、私はオスカーを手にしました!!
小学生の頃の先生たち、僕が恥さらしにならないように、教え鼓舞してくれましたね。
僕のインポスター症候群は最高潮に達しています。自分がストーリーテラーや脚本家だと思ったことはなかったのですが、僕の自信の源(シャイナート)が、僕自身が信じるよりも先にストーリーテラーだと言ってくれたのです。
すごい! すごすぎる…!! 2本目なのにクレイジーだ。
(妻、家族、キャストへの謝辞を中略)。(監督の)ダンとダニエル、君たちの友人を知っていてほしい。私たちは君たちのことを大切に思っている。君たちが作る信じられないほど素晴らしく、奇妙で美しい映画のためにここにいるのではない。君たちが信じられないほど親切で寛大で奇妙でセクシーな人間だからここにいる。このすべてがなくなっても、私たちは君たちとともにここにいるよ。
監督賞にノミネートされた皆さん、あなたたちはヒーローです。だから不思議な気分だ。僕らはこの賞を世界中のすべての母親、僕らの母親たちに捧げます。特に僕の母と父には、気色悪いホラー映画や下品なコメディ映画をつくったり、子どもの頃に女装したり、それは誰かを怖がらせるものではなかったけど、そんなことをしていた僕の創作意欲をつぶさずにいてくれたことに感謝します。僕らと一緒に映画をつくり上げてくれたみんな、ありがとう。
素晴らしいキャストとクルー、そして友人、家族がいなければ何もできないということに監督の皆さんは賛成してくれると思います。
この映画が素晴らしく秀でていたとするなら、皆の心と魂と精神が素晴らしく秀でていたからで、その貴重な贈り物を僕たちの映画に与えてくれたからに他なりません。ひとりひとりのなかに素晴らしさがあります。ひとりひとりが秀でています。僕の秀でたところを解き放ってくれたすべての人に感謝します。天才は僕らのような個人から生まれるのではなく、集団から生まれるという事実のもとに世界は開かれているのです。
僕らは皆、コンテクストの産物であり、何かの子孫なのです。僕の両親は移民で、父は現実から逃れるために映画を好きになり、そしてその映画への愛を僕に伝えてくれました。母は、ダンサーや俳優、歌手を夢見ましたが、そのようなぜいたくな人生を歩む余裕がなく、その想像力あふれる魂は僕へと引き継がれました。そして、きょうだいは幼少期の混乱をともに乗り越えてくれました。
僕の素晴らしい息子は、毎日僕のDNAを再配列するのですが、それはいつだって最悪だけど同時に美しくもあります。もしこの授賞式を見ているなら、これは普通じゃないとか、クレイジーだとか、常識にとらわれて生きる必要はないと知ってほしい。何があっても僕は君を愛してるよ。
今夜この式を見ている私と同じような少年少女の皆さん、これは希望と可能性の光です。大きな夢を見れば、夢は叶うという証明です。そして女性の皆さん、『あなたの全盛期はもう過ぎた』などと誰にも言わせないでください。決してあきらめることはないのです。
ダニエルズ、素晴らしいキャストとクルー、そして「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」に携わったすべての人たちのおかげで、今夜ここに立つことができました。この賞を私の母と世界中の母親たちに捧げます。彼女たちこそがスーパーヒーローであり、彼女たちがいなければ、私たちは誰ひとりとして今夜ここにいなかったでしょう。
いまマレーシアで家族や友人と式を見てくれている母のもとにこの賞を贈ります。そして私がキャリアをスタートさせた香港にいる親戚にも。あなたたちの後押しがあったからこそ、今日ここに立つことができました。私の名付け子、きょうだい、家族、ありがとう。
アカデミーの皆さん、ありがとうございます。これは歴史的な出来事です!
本当に素晴らしい気分です。多くの移民の親と同じように若くして亡くなった父へ、この賞を捧げます。きっと誇りに思ってくれるでしょう。父が教えてくれた、この世の誰もが等しく重要なんだということをこの映画にしました。そして、ここにいる変人たちは、それを実現するために私を支えてくれたのです。
今夜言いたいことは言いつくしましたが、ここにいる全員にありがとうと言いたいです。皆さんは僕にインスピレーションを与えてくれました。自分が成長する過程で気づいたことのひとつは、僕らが生きているこの狂った世界の混沌からお互いを守ることが、お互いのためにできる最善のことのひとつであることです。僕のためにそれをしてくれた、このストーリーテラーたちに感謝します。
世界は急速に変化していますが、僕らの物語がそれに追いついていないのではと心配です。映画は数年単位で、インターネットの世界はミリ秒単位で動いていると思うと、少し怖い気もします。しかし、僕らは自分たちの物語に大きな信頼を寄せています。この物語は僕の人生を変え、映画は何世代にもわたってそうしてきたのです。きっと乗り越えられると信じています。
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