【第95回アカデミー賞直前】ディズニープラス配信の長編ドキュメンタリーが熱い! 本年度最有力候補の感動作も
2023年3月12日 14:00
世界最高峰の映画の祭典である第95回アカデミー賞授賞式がいよいよ、3月12日(日本時間13日)に開催される。各賞で、数々のノミネート作品がしのぎを削るなか、ぜひ注目したいのが、長編ドキュメンタリー賞。さまざまな切り口から、知られざる歴史の真実や現代社会が抱える問題、未知なる世界の魅力を浮き彫りにするドキュメンタリーには、心動かされる良質な作品も多く、フィクションとは一味違う魅力を放っている。
そこでディズニープラスで配信されている、長編ドキュメンタリー賞の歴代受賞作品をご紹介。本年度のノミネート作品で、最有力候補と目される“熱い”感動作「ファイアー・オブ・ラブ 火山に人生を捧げた夫婦」も配信中なので、授賞式を前に、ぜひチェックしてほしい。
1991年6月に長崎・雲仙普賢岳の火砕流に巻き込まれて亡くなったフランスの火山学者・地球科学者、カティアとモーリス・クラフト夫妻の軌跡を追ったドキュメンタリー。ふたりが愛するもの、それはお互いのことと、火山だった。自然の驚異を記録し、研究するには動く映像が必要だというモーリスの考えから、世界中の噴火山を追い求め、噴火口ぎりぎりまで近づき、噴火の様子などさまざまな発見を、写真や映像に記録。BBCやナショナルジオグラフィックに提供し、人々が自然界に対する理解を深めるための大きな役割を果たした。
本作では、貴重な調査映像、アーカイブ映像を中心に、未知なる火山に魅せられた夫妻のウィットに富んだ結婚生活のポートレートにも光をあてる。第95回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネート。サーチライト・ピクチャーズが権利を獲得し、俳優を起用した長編映画としてリメイクする企画も検討されている。
伝説のロックフェスティバル「ウッドストック」が開催された69年の夏、160キロ離れた場所で行われた、もうひとつの歴史的音楽フェスティバル「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」にスポットを当てた音楽ドキュメンタリー。スティービー・ワンダー、B・B・キング、マヘリア・ジャクソン、ニーナ・シモンらブラックミュージックのスターが集結し、観客30万人以上が参加しながらも、その様子を記録した映像は、約50年間も地下室に埋もれたままになっていた。
そんな幻のライブ映像が、4度のグラミー賞受賞者で、エミネムやジェイ・Zのプロデューサーとしても知られるアミール・“クエストラブ”・トンプソンの手によって復活。関係者の証言も織り交ぜながら、アフリカ系アメリカ人の歴史やカルチャー、ファッション、音楽の大々的な発表の場となったフェスの全貌がいま、紐解かれる。第94回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した。
ロープや安全装置を一切使わずに、手と足だけを頼りに山や絶壁を登る「フリーソロ」と呼ばれるクライミングスタイルで知られるクライマー、アレックス・オノルド。ナショナル・ジオグラフィック誌の表紙を飾るなど、世界的にも著名なクライマーのひとりとして活躍する彼には、大きな夢があった。それは、高さ970メートルを誇る世界屈指の危険な断崖絶壁であり、これまで誰もフリーソロで登りきった者はいない、米カリフォルニア・ヨセミテ国立公園にそびえる巨岩エル・キャピタンに挑むことだった。
この前人未到の挑戦のために、幾度の失敗と練習を重ねてきたオノルドは、2017年6月3日、ついにエル・キャピタンへの挑戦を開始する。果たして、偉業は達成されるのか? 緊迫感あふれるクライミングに密着し、最もシンプルにして、最も危険な究極のクライミングスタイルの魅力を余すところなくカメラに収めた本作は、第91回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞している。
「水鳥の生態」「大自然の片隅」「ビーバーの谷」など、短編の“自然の驚異”シリーズを発表してきたウォルト・ディズニーが1953年、自らのプロデュースで、満を持して製作したネイチャードキュメンタリー作品。短編から長編に切り替えた“自然の冒険”シリーズの第1弾として、米南西部の砂漠に生きる動物たちの日常を記録した。
生命体が存在しないかのように見える荒涼とした大地。しかし、そこにもトカゲ、タランテュラ、ヒキガエル、禿タカ、イノシシ、山ネコ、ガラガラヘビ、ポケットネズミ、コウモリ、フクロウ、ツチリス、ミチバシリ、スカンク、ジガバチなど、多種多様な生命があふれ、過酷な環境と生存競争に向き合いながら、さまざまなドラマを織りなしていた。第26回アカデミー賞で、長編ドキュメンタリー賞を受賞。2000年には、アメリカ議会図書館が「文化的に重要である」と認定し、アメリカ国立フィルム登録簿に登録された。
フォトギャラリー
PR
©2024 Disney and its related entities
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。