【「マジック・マイク ラストダンス」評論】この解放感を大勢で味わいたい! セクシーでエキサイティングでハッピーな超絶ダンスの大波
2023年3月12日 19:00

日本では筆者を含む一部の熱狂的ファンを生んでいる「マジック・マイク」だが、本国アメリカでは一作目も二作目「マジック・マイクXXL」も大ヒットし、今回の三作目も(スーパーボウルの週末というライバルが少ない時期だったとはいえ)初登場ナンバーワンに躍り出た。通好みだと思われがちなソダーバーグ関連作としては異例の大成功をおさめた人気シリーズなのだ。
ハッキリといえるのは、どの作品も「安っぽくて猥雑」という男性ストリップのイメージにひねりを加えていること。特に「XXL」以降は、男性ストリップというカルチャーを一段も二段も上に引き上げることで、観客とパフォーマーの双方を全肯定し祝福してみせた。わざわざ「『XXL』以降」と描いたのは、「マジック・マイク ラストダンス」との間にチャニング・テイタムがディレクターを務めたライブショー「MAGIC MIKE LIVE」が挟まっているからだ。
「ラストダンス」のストーリーは単体でも独立しているので特に予習や振り返りは必須ではないが、「XXL」と「MAGIC MIKE LIVE」のポジティブな精神を、より多くの人に伝えようという強い意思が感じられる。
実際、ソダーバーグ監督は「MAGIC MIKE LIVE」のロンドン公演を観てぞっこん惚れ込み、「このショーみたいな映画を作りたい!」と三作目の製作を宣言したという。いても立ってもいられませんでしたという強い思いは、興奮と歓喜に満ちたダンスパフォーマンスが約30分続くクライマックスに如実に現れている。
ついでに言うと、「ラストダンス」で描かれているのはもはやストリップではない。サルマ・ハエック扮する新キャラ、マクサンドラは完全にもう一人の主人公で、マイクの技を知って男性ストリップの可能性に気づく。そしてメジャーなエンターテインメントに昇華させた斬新なショーを生み出す演出家として、われらがマジック・マイクに白羽の矢を立てるのだ。
ソダーバーグはクールでミニマムな映像表現が持ち味であり、切れのいいセンスは、マクサンドラの孤独な境遇を手持ちカメラの移動ショットで伝える冒頭のパーティーシーンによく現れている。ドラマ部分もさらりとした筆致で進んでいくので、物足りないと感じる人はいるかも知れない。しかしラスト30分、セクシーでエキサイティングでハッピーな超絶ダンスの大波が押し寄せて、本当にいろんなことが頭からぶわっと抜けていく。この解放感を大勢で味わいたいので、映画館には必ず行きますし、酔狂を全力で楽しみたいみなさまもぜひ!
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