還暦で女優賞総なめ!ミシェル・ヨーが明かす、年齢を超越したタフな心身の美を維持する秘けつ
2023年3月4日 16:00

コインランドリー経営で糊口をしのぐ中国系移民一家。妻であり母である中年女性が、なぜかマルチバースを行き来し、カンフーマスターとなって世界を救う……という奇想天外な設定で「A24」史上最大のヒット作となり、世界の映画祭で大絶賛、第95回アカデミー賞では最多10部門11ノミネートと今最も注目される映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」。日本公開に合わせ、主役のエヴリンを演じるミシェル・ヨーがオンラインインタビューに応じた。

第80回ゴールデングローブ賞の最優秀主演女優賞(ミュージカル/コメディ)を受賞し、スピーチでは、喜びと共に、年齢を重ねた女優が活躍の機会を得る困難や、アジア系の女優であることでハリウッドで差別的な対応を受けたこともあると吐露し、話題を集めた。また、アジア人で初めて主演女優賞を受賞した第29回全米映画俳優組合賞(SAG賞)では「私のようなすべてのアジアの少女たちにこの賞を捧げたい」と語っている。
アカデミー賞授賞式を目前に控えた気持ちを尋ねると、「ノミネーション前まで、みんなでドキドキしていたので、正直やっと呼吸ができるようになった気分です。ノミネーションされた段階で、すべての作品が勝者だと思うのです。後は楽しむだけですね」と余裕の笑顔。

香港でアクション女優として活躍後、ハリウッドに進出したヨー。本作はマルチバースという舞台で、さまざまなエヴリンの姿を熱演するヨーのキャリアと魅力が存分に楽しめる作品だ。
「移民一家の物語ですが、どんな世代のどんな立場の人が見ても、エモーショナルな経験になると思うのです。SXSWのプレミア上映後の観客の反応を見て、私たちは映画のマジックを感じたのです。劇場に集っているのは、お互い境遇が全く違う人々なのに、同じ映画を見て涙して笑うことができるのです。そして、私たちはパンデミックを経験し、家族や友人と距離を取って生活しなければならない時期もありました。日常を取り戻す中で、私たちのこの小さな映画が多くの人の心に響いたのです」
「若い方がこの作品を見たら、母が自分の言語では言葉にしきれないけれど、ちゃんと我が子を愛していることを理解してくださると思います。母と娘、父と娘、家族全員が共感できること、コミュニケーション、絆を取り戻すための予期せぬ道のりをリアルな形で描いた物語です。アメリカで公開されてから1年、いろんな人が声をかけてくれるようになりました。『あなたはクールね!』と言われると、本当に私のこと?と思いますが、そんな風に言ってもらって、私も映画を見てくださった方々からエネルギーをもらっています。愛、そして他者に親切にすることを伝える作品なので、多くの人にこの感情を味わってほしいですね」

昨年60歳を迎えたヨー。ゴールデングローブ賞のスピーチでは「あきらめずにやってきたことで、今、最高のギフトを手に入れることができた」と語っていたが、劇中での身体能力の高さはもちろん、PC画面を通じたこのインタビューでも、外見に表出する精神的な美しさに圧倒された。タフで美しい心身を作る為の秘けつを聞いた。
「私には毎日のルーティンがあります。朝起きて、目を開く前に身体に対して『ありがとう』と感謝の気持ちを述べるのです。スタントでケガをしたときは『ケガしてごめんね』と。そして、『私はあなた(自分の体)のことを愛しています。感謝しています。今日もよろしくね』と言うのです」
「あとはエクササイズとストレッチ。日々の努力なくしては肉体的な部分は維持できません。特に腕や脚のコアが重要です。取材中は見えないところでレッグリフトしたり(笑)。動かすのは少しでいいのです、体をコントロールするカギとなる部分を絶えず動かすのです。そして、ジムに行くのを待たずに動くこと。天気が悪い、時間がない……そうやって言い訳するのは簡単です。言い訳する時間があったら、音楽をかけて踊って心拍数を挙げる有酸素運動をします。もちろん、『エブエブ』のような作品の場合は特別にトレーニングもしますが、毎日しっかり、いつでもできることをやっています。いわばABCをたたき込むように体に覚えさせるのです」
努力なくして栄光はない。年齢を超越したヨーの輝かしいオーラをぜひともスクリーンで確認してほしい。

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