かつての父と同じ年齢、あの頃の記憶を巻き戻す A24が注目した新星の長編デビュー作「aftersun アフターサン」5月公開
2023年2月16日 17:00

第95回アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされた「Aftersun(原題)」が、「aftersun アフターサン」の邦題で、5月26日から公開されることが決定。あわせて、場面写真が披露された。
本作は、11歳のソフィが父親とふたりきりで過ごした夏休みを、その20年後、父親と同じ年齢になった彼女の視点でつづった作品。2022年カンヌ国際映画祭「批評家週間」での上映を皮切りに評判を呼び、話題作を次々と手がけるスタジオA24が北米配給権を獲得。昨年末には、複数の海外メディアが“ベストムービー”に挙げ、毎年映画ファンが注目するバラク・オバマ元大統領のお気に入り映画にも選出。英国アカデミー賞では、英国作品賞、新人賞(監督)、主演男優賞、キャスティング賞の4部門ノミネート。2月14日時点では、「映画賞ノミネート:216、受賞:62」となっている。


脚本・監督は、瑞々しい感性で長編デビューを飾ったスコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。ソフィ役には半年にわたるオーディションで800人の中から選ばれた新人フランキー・コリオ。愛情深くも繊細なカラムには、ドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが抜てきされ、アカデミー賞主演男優賞へのノミネートを果たした。

11歳の夏休み、思春期のソフィ(コリオ)は、離れて暮らす31歳の父親カラム(メスカル)とトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、ふたりは親密な時間をともにする。20年後、カラムと同じ年齢になったソフィは、懐かしい映像のなかに大好きだった父との記憶を手繰り寄せ、当時は知らなかった彼の一面を見出してゆく。

多くを語らず、ミニマリスティックな演出で観る者に深い余韻をもたらす本作は、誰しもの心の片隅に存在する、大切なひととの大切な記憶を揺り起こす。陽光注ぐ浜辺、日焼け止めの香り、大きな波音、そして今も残る父親の手の感覚……。クイーン&デビッド・ボウイの「アンダー・プレッシャー」、ブラーの「テンダー」などのヒットソングに彩られながら、まばゆさとヒリヒリとした痛みを焼きつける、いつまでも忘れ得ぬ一編になるはず。
また「ムーンライト」のバリー・ジェンキンスが脚本に惚れこみ、プロデューサーに名乗りを上げている。映画祭での上映の際は、何度も鑑賞しているにもかかわらず感極まり号泣してしまったという。
「aftersun アフターサン」は、5月26日からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国公開。
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