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カップルでは見ない方がいい!?恋愛映画「黒い十人の女」 二村ヒトシが“愛人9人のモテ男”を分析

2023年2月14日 21:00

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市川崑の傑作恋愛映画「黒い十人の女」
市川崑の傑作恋愛映画「黒い十人の女」
(C)KADOKAWA

TOKYO FMほか全国38のFM局のオーディオコンテンツプラットフォームで、スマートフォンアプリとウェブサイトで楽しめるサービス「AuDee(オーディー)」 と映画.comのコラボ新番組「映画と愛とオトナノハナシ at 半蔵門」。作家でAV監督の二村ヒトシと映画.com編集部エビタニが映画トークを繰り広げる。第3回は、巨匠市川崑の傑作恋愛映画「黒い十人の女」(61)をテーマに語り合った。

市川崑監督が和田夏十のオリジナル脚本をもとにメガホンをとり、創世記のテレビ業界を舞台に、妻と9人の愛人を持つ男をめぐり、女たちが引き起こす愛憎劇をブラックユーモアたっぷりに描く。船越英二がテレビプロデューサーの風松吉を演じ、山本富士子、岸惠子、中村玉緒岸田今日子ら豪華女優陣が共演している。

本作について、開口一番「夫婦や恋人同士では見ない方がいいんじゃないか?」「ヤバい恋愛映画」と二村。「(忙しく)歯車が回り続けている環境にいる男が、なんでモテ続けるのか?」「女性から抱かれに来るような男」を描いているとし、「女性として愛人たちの気持ちがわかりますか?」とエビタニに問う。「『風がいなくならなければ、結局同じことの繰り返し』と言っているのは理解できる。変な魅力があって、離れたいのに、目の前からいなくなってくれないと離れられない魅力がある」「ちょうどいい時にちょうどいいタイミングにいる男」と、エビタニは劇中の女たちの言葉を交えて回答する。

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エビタニが二村に風のことをどう思うか?と逆質問すると、「モテる人ってなんでモテるのか? 風は忙しすぎて、仕事も丁寧ではないと思う。人の話もきちんと聞いていない。目の前にいるけれど心がどこにあるのかわからない人を好きになる人がいる。それは心が自分を向いていない人を振り向かせたくなるという気持ち」「肉体が希薄だからモテている」などと分析した。

そして、“風”という名の通り、つかみどころのない男の性格や、多忙な職場での境遇などから、彼の“モテ”について様々な解釈をするとともに、話題は風や一般的な男性の仕事論に移る。「風は自分の仕事に情熱があるというよりは、仕事をしていないと死んじゃう、自分の価値がそこにしかない人では」と二村。エビタニは「社会のつながりを持つために仕事を求めていると思う」と劇中のセリフから推測し、二村は自身の仕事のスタイルについても語る。

「この映画は現代の人が見ても、考えることが多いのではないか。僕はショックを受けた」という二村は他作品のモテる男性の傾向に言及し、「モテることは愛されることではない」と持論を展開。エビタニと共に「モテることが存在理由になることはどういうことなのか?」についての認識を深め合った。経済的に自立した美しい妻がおり、そしてそれぞれ個性あふれる愛人9人を持つ男の末路は果たして幸せなのか――?

トーク全編はAuDee(https://audee.jp/voice/show/55260)で聞くことができる(無料配信中)。「黒い十人の女」は配信サービス「シネマ映画.com」で開催中の「大映映画祭」で好評配信中。

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