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ベルリン映画祭で女性として初の金熊賞受賞、ハンガリーのメーサーロシュ・マールタ監督特集上映開催

2023年2月9日 08:00

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ハンガリーを代表する女性監督の映画が日本初公開
ハンガリーを代表する女性監督の映画が日本初公開
(C)National Film Institute Hungary Film Archive

ハンガリーが誇る映画監督の一人であり、女性として初めてベルリン国際映画祭金熊賞に輝いたメーサーロシュ・マールタ。国際的な評価を得ながらもいずれも日本では劇場未公開だったメーサーロシュ監督の特集上映が、5月26日から開催される。

イザベル・ユペールアンナ・カリーナデルフィーヌ・セイリグ……名だたる俳優を魅了し、アニエス・バルダがオールタイム・ベストのひとつとしてその作品を挙げた、ハンガリーの名監督。第2次世界大戦中、スターリンの粛清が吹き荒れるなか、両親を亡くし孤児となった彼女は、ソヴィエトとハンガリーを行き来する人生を送った。メーサーロシュの作品にはハンガリー事件(1956年)やファシズムの記憶が度々刻まれており、それは、ロシアによるウクライナへの侵攻でヨーロッパ世界が揺れるいまこそ再考すべき歴史である。

今回の特集上映では、1975 年ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いた「アダプション ある母と娘の記録」をはじめ、青春音楽映画「ドント・クライ プリティ・ガールズ!」、ドキュメンタリー作家としてキャリアをスタートさせたメーサーロシュが、作為性や修飾を極限にまで削ぎ落した「真実」の記録「ナイン・マンス」、結婚生活に絡めとられる二人の女性の連帯を、厳しくも誠実なまなざしで捉えた精緻な秀作「マリとユリ」、イザベル・ユペール最初期の重要な出演作「ふたりの女、ひとつの宿命」の5本がレストア版で日本初公開される。

公開された予告編では、「知りたいんです、この年で子どもが産めるかどうか」という印象的なセリフから始まり、5作品それぞれの象徴的な場面が切り取られている。一貫して選択する女性の姿を描き続け、また、女性の主体性を脅かす社会の相貌にカメラを向けハンガリー映画の一翼を担ってきたメーサーロシュの片鱗が見える映像となっている。

メーサーロシュ・マールタ特集上映は、5月26日から新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。「MOTION GALLERY」でのクラウドファンディング(https://motion-gallery.net/projects/MeszarosMarta )を2月15日まで実施中。

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