黄泉の国からヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニが帰還 カンヌ上映中止の衝撃作、4月公開
2023年2月2日 14:00
ロシアの鬼才アレクサンドル・ソクーロフ(「太陽(2005)」)の最新作「独裁者たちのとき」が、4月26日から劇場公開されることが決定し、ポスタービジュアルが披露された。
本作は、2022年・第35回東京国際映画祭のガラ・セレクション部門で「フェアリーテイル」のタイトルで上映された作品。舞台は、ダンテの「神曲」を彷彿とさせる冥界。ヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニという20世紀の独裁者たちが、時には滑稽に、時には暴力的に、そしてシュールに我々の生きる現代を貫き、未来を予言する……という衝撃的な内容だ。
深い霞に覆われた色のない廃墟の中で男たちが蠢いている。ヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニなど第二次世界大戦時に世界を牛耳っていた独裁者たちだ。煉獄の晩餐が始まると、お互いの悪行を嘲笑、揶揄し、己の陶酔に浸っている。地獄のようなこの場所で、天国へと続く扉が開くのを待っているのだった。
死んだはずの4人の独裁者は、過去のアーカイブ映像から独特なデジタルテクノロジーで作り上げられたもの。また、セリフのすべてが、過去の手記や実際の発言の引用によって生み出されている。完成したのは、ロシアによるウクライナ侵攻の年。物議を醸し、上映を予定していたカンヌ国際映画祭でのお披露目は中止に。その後、ロカルノ国際映画祭コンペ部門に出品され大きな話題を呼んでいた。
「独裁者たちのとき」は、4月22日からユーロスペースほか全国順次公開。
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