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「アバター」続編、日本最速上映&主要3上映フォーマット初日鑑賞レポート:惑星パンドラに行った気がするほどの現実感

2022年12月19日 12:00

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最速上映への期待感で高揚が伝わる劇場の様子
最速上映への期待感で高揚が伝わる劇場の様子

12月16日、ついに公開された13年ぶりの続編にして、ジェームズ・キャメロン監督最新作「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」(以下アバターWoW)が初日を迎えた。この作品が注目されているポイントは、前作同様に最新の映像テクノロジーが詰め込まれていること。今回は3DをベースにDOLBY CINEMA、IMAX、4DX、MX4Dに字幕版、吹替版など、その組合せでの上映方式は20種類を超える。そこで、2019年にオープン、全12スクリーンと最新設備を備えた映画館「グランドシネマサンシャイン池袋」にて、主要な3つの上映フォーマットを鑑賞してきた。

画像2(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
■IMAXレーザーGT3D(日本最速上映)

16日午前0時より最速上映が行われ、ポップコーンの香りが屋外にも仄かに漂う劇場前、深夜にも関わらず映画ファンが続々と集まってくる。この最速上映は、全国の40を超える映画館でも同時に行われていた。ビルの最上階で池袋を見下ろすシアター12には、天井を覆う巨大なシーリング・モニターがあり、「アバターWOW」の映像が映し出されると多くの人々が足を停め写真を撮っていた。さすがにコスプレイヤーはいないが、客席の雰囲気はかなり盛り上がっている模様。上映前に「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」の特別メイキング予告編が流れたあと、国内屈指の巨大なIMAXスクリーンに、20世紀スタジオのロゴが3Dで映し出され、ついに映画は始まった。

内容や考察は他に譲るとして、前作同様ネイティリが弓を構える冒頭から、一瞬で作品世界に引き込まれた。幅25.8m×高さ18.9mの特殊スクリーンを大きく使い、豊かな森の緑に雨の粒、昆虫たちの発光など、細やかな映像が立体的に映し出される。座席が震えるような重低音も素晴らしく、字幕の場所も完璧だ。物語が海のパートへと移行すると、水の表現の豊かさに目を見張る。HFRによるものか、飛行魚スキムウィングの動きや、終盤の暗い艦内でもクリアな画面は維持され、閉じ込められたシーンでは、思わず深呼吸してしまうほど。上映後、一部SNSでは「フルサイズでなく額縁」との記述があったので劇場に問い合わせたところ「スクリーンサイズは言えないが、上下左右ともに黒みが多少出る」とのことだった。

チケット3種
チケット3種
画像4
■ScreenX/4DXScreen3D

夜が明けて同16日、次はScreenX/4DXScreen3Dを体験。2つのフォーマットを融合させた3D上映は初の試みと発表されている。ScreenXは部分的だが左右の壁面に映像が回り込み(3Dは正面のみ)、 3面270度の視界をカバー出来る上映方式。 4DXScreenは映画に合わせて座席が前後上下左右に動き、背中や足元が振動、ミストや風が感じられるなど、テーマパークのアトラクションのような構造になっている。空と海を舞台にした「アバターWOW」にとって、最適解の上映方式と言えよう。IMAXに比べ、ある程度上下が切れた画面だったが特には気にならず、群衆シーン、海中シーン、アクションシーンでは左右に広がった画面の説得力は大きかった。ただ、アクションに合わせて座席が動く4DXは、予想外に振動が激しく、タイミングによっては飲食は注意が必要だ。また、銃撃シーンでは背もたれが小刻みに動く場合があり、それが後ろから軽くキックされたように感じられ、多少の慣れが必要かもしれない。当然だが3D感はIMAXと比較すると控えめに感じられた。

画像5(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
■Dolby Atmos

最後は音響に特化した方式、Dolby Atmosの3D字幕版である。天井などに増設されたスピーカーによって、ダイナミックでリアルな立体サウンド・システムとして知られている。アクションシーンでは前半の空中戦などで音が回り込む感覚があり、効果を挙げていた。それよりも気づいたのは小さな音の再現力だ。セキや息遣い、昆虫の羽音、銃撃の中の薬莢の落下音など、細かい音を意識させる音響設計はよりリアルで、集中力が増すように感じた。スクリーンはIMAXに比べると天地が切れて、窮屈な感じは否めなかった。

パンフレット
パンフレット

一言で表すと、惑星パンドラに行き、ジェイク一家に会ってきた、と思えるほどリアルな体験だった。上映時間の長さは、それを実感させたいが故か。独特の価値観や家族観は、欧米だけでなく世界マーケットを意識したものだろう。

上映フォーマットに関しては、大ぶりな3Dグラスが多少気になるが、没入感はIMAXが最も高かった。4DXは映画鑑賞の枠を超えた体験、アトモスは最も落ち着いて内容が楽しめた。今回は正面でなく左右に座ったが3D効果は充分、視界を斜めにしてもIMAXと4DXは変わらず、アトモスだけ少し薄まったような感じを受けた。ちなみにパンフレット(1650円)は解説やプロフィールなどはなく、設定集のような内容。関連グッズは袋がロゴ入りのRealDグラス(100円)のみだった。DOLBY CINEMAは次回に挑戦したいと思う。以上、こちらが鑑賞の参考になれば幸いです。(文/本田敬)

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