【「月の満ち欠け」評論】大泉洋“27年の演じ分け”がお見事! 目黒蓮は「佇まいがいい」に深く頷く
2022年12月3日 14:00

日を追うごとに満ち、ある瞬間から欠け、一度は消えるものの、再び姿を現す。私たちの頭上に浮かんでいる月のことだ。小説家・佐藤正午氏は、この様子を“生まれ変わり”にリンクさせ、数奇で壮大なラブストーリーを完成させた。直木賞受賞作の映画化という任を引き受けたのは、廣木隆一監督。複雑に入り組んだ原作のストーリー・相関関係を、巧みにさばききったという印象だ。
物語は「現代:愛する妻子を同時に失ってしまった男・小山内堅」「27年前:ある女性と許されざる恋をした男・三角哲彦」という2人の男を軸に進んでいく。キーとなるのが「瑠璃も玻璃も照らせば光る」という言葉。無関係だった小山内と三角の人生が“瑠璃”という名の女性の存在で交錯していくさまが描かれている。
廣木監督と初タッグとなった大泉洋は、小山内役として“27年”という歳月を駆け抜けた。時代ごとの演じ分けは流石の一言。28歳、36歳、47歳、55歳……ハツラツとした幸福なひとときを経て、心に傷を負い、老いと哀愁を感じさせるまでに至る。
最もシンパシーを感じてしまったのが、大泉の好演が光る、この小山内だ。彼は“生まれ変わり”を信じてはいない。その姿勢は容易に崩れず、事実であれば“残酷なことでもある”とも説いてみせる。悩み、揺らぎ、戸惑った末に辿り着いた小山内の表情が、感情を大きく揺さぶるはずだ。
三角哲彦役の「Snow Man」目黒蓮は、謎の女性・正木瑠璃役の有村架純と恋物語に挑んだ。初の映画単独出演とは思えないほど、三角という男の人生を生き抜いていたように感じる。廣木監督の「佇まいのいい役者さん」という発言には深く頷いた。注視してしまったのは、目黒の“待つ”芝居。想う人を待ち続ける。たとえ目の前から消えようとも――この素地があるからこそ、小山内と対峙するシーンが映えるのだろう。
本作は「死を乗り超えていった者」と「死から取り残された者」から形成された物語と言っていいのかもしれない。「死から取り残された者」として重要なポジションを築いているのが、田中圭だ。これまで好人物も狂気の人もしっかりと自分のものとしてきた田中だが、今回は後者で真価を発揮。物語の“架け橋”ともなる存在だが、終始恐ろしい。是非ご注目を。
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