【「君だけが知らない」評論】ソ・イェジが記憶を失くした妻を演じ、見る者を翻弄する新たなサスペンス
2022年10月23日 08:00

Netflixでも配信された韓国ドラマ「サイコだけど大丈夫」のサイコなドSキャラを魅力的に演じ、日本でも一躍人気女優となったソ・イェジ。魅惑的な低音ボイスも持つ彼女の映画最新作ということで注目されているが、ドラマを見ていない人、まだ彼女を知らない人でも引き込まれてしまうであろう、見る者を翻弄する新しい韓国製サスペンスとなっている。
事故で記憶を失い、幻覚で未来を見るようになる主人公スジンをソ・イェジが繊細に演じ、過去、現在、未来の境目がわからなくなっていく様が恐ろしい。自分はいったい誰なのか。ある日、スジンは殺人現場を目撃してしまい、実際に死体が発見され、次第に彼女の精神は混乱していく。そんな彼女を献身的にサポートする夫ジフンを「背徳の王宮」などの実力派俳優キム・ガンウが演じているのもポイント。予測不能なサスペンスを掻き立てる。
さらに、記憶を失っていたスジンが徐々に記憶を取り戻して事件の真相に迫っていくだけでなく、ドラマは二転三転し、ノンストップで展開。フラッシュバックでスジンが思い出す記憶や、現実に起きる不可解な出来事に、デジャブ(既視感)のような幻覚=未来が複雑に絡み合い、その映像(編集)を見ている者にも混乱をもたらしていく。先ほど見たシーンは本当にスジンの記憶なのか、ジフンの作り話なのか、見えてしまった幻覚は未来に起きることなのか。観客はそれらの映像のパズルを組み合わせていくうちに、改めて映画が“記憶の装置”であることに気づくだろう。
本作のメガホンをとったのは女性監督のソ・ユミン。「八月のクリスマス」などのホ・ジノ監督のもとで長年にわたり助監督や脚本を手掛けてきたというだけに、切れ味のいいサスペンスフルな展開だけでなく、しっかりと間をとった俳優陣の演技で物語に迫真性を与えているのも納得。デビュー作ながら、2021年の公開時に韓国のボックスオフィスで初登場1位を記録している。
そして、クライマックスで事態は急展開し、真実が明らかになっていくと、驚きとともに本作は深い愛に包まれる。身近な人が、今まで見せたことのないような表情をした時、自分が知っているのは本当のその人ではないのではないか。日常生活でふと感じるそんな恐怖。もしくは恐怖の先にある真実の愛を、あなたならどう受け取るだろうか。劇場公開前に、動画配信サービス「シネマ映画.com」で限定プレミア配信されるので、いち早く見てほしい。
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