「劇場版ソードアート・オンライン」最新作が「ONE PIECE FILM RED」の連続V12を阻止する?【コラム/細野真宏の試写室日記】
2022年10月21日 09:00
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今週末10月22日(土)から「劇場版ソードアート・オンライン プログレッシブ 冥き夕闇のスケルツォ」が公開されます。
この作品は、当初は9月10日(土)に公開予定でした。しかし、新型コロナウイルスの影響で制作体制に遅れが生じて、急きょ延期となっていました。
これが文字通り「急きょ」であったのは、「遅いな」と思っていたマスコミ試写が8月23日からようやく行われる予定になったのに、その前日、22日の夜に延期の連絡が来た状況からも裏付けられます。
ただ、私の感覚としては、「このような事例が意外と少ない」というイメージです。
というのも、アニメーション制作には本当に多くのスタジオが関わっています。そのため、どこかのスタジオで新型コロナの陽性者が出た場合、多くの人々が濃厚接触者となることで、スタジオ自体が機能しなくなるケースもあり得るからです。
アニメーション映画は手間がかかる上に、関わるスタジオの多さから様々なトラブルが考えられます。特に、国の基準が緩められるまでの新型コロナの問題は、火薬庫のようなものでした。
そう考えると、完成がギリギリのケースが多くあっても、公開延期がほとんどないというのは、ある意味で凄いことなのかもしれません。
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さて、そもそも「ソードアート・オンライン」とは、物語の上では「2022年11月6日」に正式サービスが開始されるオンラインゲームの話です。
ただし、ログインしたら最後、ゲームを終わりまでクリアできないとログアウトできない、という設定です。そのため、「ゲーム内での死は、そのままリアルな死と直結する」のです…!
このような背景のもと、主人公・キリトの活躍を描いた物語が展開しており、2012年に第1期のTVアニメが放送スタート。今年は「アニメーション版の10周年記念」となっています。
ただ、物語自体が壮大なため、ヒロイン・アスナの視点で描かれるリブート版として、「劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ」シリーズがスタートしました。
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第1弾の「劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア」が2021年10月30日(土)に公開され、本作は、その続編となります。
「劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア」は、配給元のアニプレックスが得意とする入場者特典を10週にわたって用意し、興行収入は14.3億円を記録しています!
今回、注目すべきは、初週の動員と興行収入でしょう。
2021年10月30日~31日の2日間で、動員22万5221人、興行収入3億4934万0215円となっています。
一方、「ONE PIECE FILM RED」(ワンピース フィルム レッド)の先週末(10月15日~16日)は、動員16万8064人、興行収入2億3314万1120円となっています。
そのため、もし「劇場版ソードアート・オンライン」最新作が、前作のように好調であれば、週末動員ランキング1位となれるわけです!
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では、「劇場版ソードアート・オンライン プログレッシブ 冥き夕闇のスケルツォ」は、前作のようになれるのかを考えてみましょう。
まず、作品の出来ですが、冒頭で触れたような影響があるのかどうかは分かりませんが、キャラクターの作画がシーンによってバラけている印象を持ち、やや統一性に欠けていたと思います。
これは、他の人気映画でも散見される現象ですが、本来であれば総作画監督を中心に細かくチェックし統一性を持たせるものでしょう。
ただ、様々な制約があり、そこまで手が回り切らないのが現実なのだと思われます。
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一方、アクションシーンは、総じて妥協なく描かれていて、緩急がしっかりしていました。
個人的には、キャラクターデザインの統一性の問題もそれほど気にはならなかったので、私は「イントロ的な前作」よりも面白かったです。
とは言え、まさに、この「続編要因」があり、前作を見ていないで本作から見る人はそれほどいないと考えられるのです。
それもあってか入場者特典には力が入っていて、初速は前作から大きくは落とさないのかもしれません。
そして、目下、週末動員ランキング「V11」を記録している「ONE PIECE FILM RED」ですが、さすがに12週目ともなると動員も落ちるのが自然です。
そのため、おそらく今週末の週末動員ランキングの軍配は「劇場版ソードアート・オンライン プログレッシブ 冥き夕闇のスケルツォ」に上がるでしょう。
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ただ、その次の10月29日~30日の週には、再び「ONE PIECE FILM RED」が週末動員ランキング1位に返り咲くと思います。
それは、日本の「歴代興行収入ランキング10位」になったという大きなニュースや、入場者特典があるためです。
このように、「一強」が続くのではなく、切磋琢磨するライバルがどんどん現れないと映画業界が全体的に盛り上がらないので、抜きつ抜かれつといった状況はとても好ましいと考えます。
肝心の「劇場版ソードアート・オンライン プログレッシブ 冥き夕闇のスケルツォ」の最終的な興行収入は、「続編」であることを考えると、10億円が目途であると想定されます。
ちょうど「アニメーション版の10周年記念」なので、キリの良い興行収入10億円を達成できるかに注目したいと思います。
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