ロシアとウクライナの歴史的な問題と地域対立描くセルゲイ・ロズニツァ監督作「ドンバス」5月21日緊急公開
2022年3月23日 10:00
旧ソ連の全体主義とロシアの独裁政治体制に反対する作品を数多く発表してきたセルゲイ・ロズニツァ監督が、2014年にウクライナ東部で起きた軍事衝突とロシアとウクライナをめぐる歴史的なしがらみや地域対立をテーマにし、2018年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞を受賞した劇映画「ドンバス」が、5月21日から公開される。
2014年からウクライナ東部ドンバス地方で起きている、「分離派」(ロシアの支援を受けているとされる勢力)とウクライナ軍との軍事衝突を背景に、ノヴォロシア(ロシアと国境を接する、親ロシア派の住民が多いウクライナ東部の地域)の政治や社会を風刺を織り交ぜながら描いた作品。
ロシア軍によるウクライナ侵攻を受け、ロズニツァ監督はヨーロッパ映画アカデミーの声明に失望し脱会を表明。また、包括的なロシア映画のボイコット運動に異論を唱えた事で、ウクライナ映画アカデミーからは除名処分を受けた。除名処分に対し、ロズニツァ監督は声明を発表している。
「私は欧米の様々な国際報道機関やジャーナリストに、戦争の原因と本質を説明し、国際社会にロシアの侵略に対抗するよう促したり、自らの映画『ドンバス』と『マイダン』のチャリティー上映に参加し、その収益をウクライナ支援に充てたり、ウクライナから人を避難させたり難民を助けることをしていました。戦争という悲劇において、人は常識を失わないようにしなければならないと強く信じています。 私は、プーチン政権の犯罪に反対を表明している私の仲間、ロシアの映画製作者たちのボイコットには反対します」(一部抜粋)
ロズニツァ監督による公開書簡翻訳全文は、プロダクションAtoms&Void公式ページに掲載(https://www.facebook.com/atomsvoid/posts/5327310297329328)されている。
「ドンバス」は5月21日からシアター・イメージフォーラムにて2週間限定上映、6月より第七藝術劇場(大阪)ほか全国順次公開。また、ロズニツァ監督の最新作「Babi Yar. Context」(9月下旬予定)と「Mr. Landsbergis」(11月下旬予定)の公開も決定している。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
ザ・ルーム・ネクスト・ドア
【魂に効く珠玉の衝撃作】「私が死ぬとき、隣の部屋にいて」――あなたならどうする?
提供:ワーナー・ブラザース映画
キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
【本作は観るべきか、否か?】独自調査で判明、新「アベンジャーズ」と関係するかもしれない6の事件
提供:ディズニー
セプテンバー5
【“史上最悪”の事件を、全世界に生放送】こんな映像、観ていいのか…!? 不適切報道では…?衝撃実話
提供:東和ピクチャーズ
君の忘れ方
【結婚間近の恋人が、事故で死んだ】大切な人を失った悲しみと、どう向き合えばいいのか?
提供:ラビットハウス
海の沈黙
【命を燃やす“狂気めいた演技”に、言葉を失う】鬼気迫る、直視できない壮絶さに、我を忘れる
提供:JCOM株式会社
サンセット・サンライズ
【面白さハンパねえ!】菅田将暉×岸善幸監督×宮藤官九郎! 抱腹絶倒、空腹爆裂の激推し作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
激しく、心を揺さぶる超良作
【開始20分で“涙腺決壊”】脳がバグる映像美、極限の臨場感にド肝を抜かれた
提供:ディズニー