普通になりたかった青年はなぜオーストラリア史上最悪の銃乱射犯になったのか――「ニトラム」予告編
2022年2月7日 09:00

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが主演、第74回カンヌ国際映画祭で主演男優賞、第11回オーストラリア・アカデミー賞で最多8部門を受賞した「ニトラム NITRAM」の予告編、ポスター、新場面写真が公開された。
1996年4月28日、オーストラリア・タスマニア島の世界遺産にもなっている観光地ポートアーサー流刑場跡で起こった無差別銃乱射事件を、「マクベス」「アサシン クリード」などで知られるオーストラリアの俊英ジャスティン・カーゼル監督が映画化。事件を引き起こした当時27歳だった犯人の青年が、なぜ銃を求め、いかに入手し、そして犯行に至ったのか。事件当日までの日常と生活を描き出す。
事件から25年しか経過しておらず、オーストラリア国内では話題に取り上げることすらタブーという雰囲気の中、映画化に否定的な声も大きかったにもかかわらず、犯人の青年の人物像を、多角的・多層的・多極的に描き切った倫理的な姿勢、その比類なき映像美学と圧倒的なリアリティが、高く評価された。ジュディ・デイビス、アンソニー・ラパリア、エッシー・デイビスらが共演。
予告編は、みんなと同じになりたいと願う青年の過ごす日常が、客観的に描かれる。「普通」の若者として、息子に人生を謳歌したいもらいたいと思っている母親。将来を案じ、できる限りのケアをしようと努めている父親。芝刈りの訪問営業を通して出会った女性ヘレン。サーフィンが上手な青年と、両親や周囲の人たちとの関係に不穏な雰囲気が漂い、カタストロフを予感させる映像となっている。
90年代半ばのオーストラリア、タスマニア島。観光しか主な産業のない閉鎖的なコミュニティで、両親と暮らす青年。小さなころから周囲になじめず孤立し、同級生からは本名を逆さに読みした「NITRAM(ニトラム)」という蔑称で呼ばれ、バカにされてきた。何ひとつうまくいかず、思い通りにならない人生を送る彼は、サーフボードを買うために始めた芝刈りの訪問営業の仕事で、ヘレンという女性と出会い、恋に落ちる。しかし、ヘレンとの関係は悲劇的な結末を迎えてしまう。そのことをきっかけに、彼の孤独感や怒りは増大し、精神は大きく狂っていく。
3月25日から新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺ほか全国公開。
(C)2021 Good Thing Productions Company Pty Ltd, Filmfest Limited
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