演技初挑戦でろう者を演じたイランの新星 「白い牛のバラッド」監督が語る、キャラクターに込めたメタファー
2022年1月31日 14:00

第71回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品された「白い牛のバラッド」から、主人公ミナがシングルマザーとして育てる愛娘ビタを演じたアービン・プールラウフィの場面写真が披露された。映画初出演ながら、耳が聞こえないビタを自然に演じている。
愛する夫を死刑で失い、ろうあの娘を育てながら必死で生活するシングルマザーのミナ(マリヤム・モガッダム)。1年後に突然、夫の無実が明かされ深い悲しみに襲われる。賠償金よりも判事に謝罪を求める彼女の前に、夫の友人を名乗る男レザ(アリレザ・サニファル)が現れる。ミナは親切な彼に心を開き、3人は家族のように親密な関係を育んでいくが、2人を結びつける“ある秘密”には気づいていなかった。

プールラウフィは両親がろう者で、手話を日常的に使っている。本作で演じたビタは、冤罪で夫を亡くしたミナの愛を一身に受けて生活しているが、学校には馴染めず、時折嘘をついてしまい先生からも困り果てられている。学校に行くことが嫌になり、家で映画を見ることに夢中になっているという役どころ。繊細な表情や、秘めた情熱を力いっぱいの手話で表現している。

本作で演技に初挑戦したプールラウフィをビタ役に抜てきした理由について、ベタシュ・サナイハ監督とミナ役で出演もしているマリヤム・モガッダム監督は、「ビタ役のために何百人もの子役がオーディションに来てくれたけど、アービンが最初に来た子だったことをよく覚えている。コーダ(耳の聞こえない両親に育てられた子ども)である彼女が、一生懸命思いを伝えようと手話する姿勢に心を打たれました」と話す。そして、「彼女の瞳にイノセンスを感じた。その無垢さは、このビタというキャラクターに必要なものでした」と確信したことを打ち明けた。

また、ビタをろう者の設定にしたことについては「イランの女性を象徴するメタファーです。未だイラン人女性は声を発することができない、意見を言ったとしても誰にも聞いてもらえない、その状況を彼女に込めました」と語った。
「白い牛のバラッド」は2月18日から、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開。
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